山 行 記 録

【平成22年9月11日/聖山平〜ろうづめ平〜後烏帽子岳



後烏帽子岳(ろうづめ平から)



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】後烏帽子岳 1681m
【地形図 1/25000】遠刈田、蔵王山
【天候】曇り時々晴れ
【参考タイム】
聖山平登山口8:00〜澄川渡渉点8:20〜股窪8:45〜ろうづめ平9:15〜後烏帽子岳9:40〜ろうづめ平10:00〜蔵王山岳会山小屋10:22〜股窪10:40〜聖山平登山口11:20

【概要】
 あいかわらず体調が良くないので当初は刈田峠から南蔵王でも歩いてみるつもりでエコーラインを走った。しかし、刈田峠は濃霧と強風が吹き荒れていて、視界も全くなかった。その様子はまるで冬景色を眺めているようなものだった。しょうがないので宮城県側に下ってゆくと天候はうそのように晴れている。奥羽山脈を境に天候は明確な違いをみせているようだった。風は強いが気温は20度あるかいないかで、山歩きには最適な気温だった。

 大黒天からは砂利道の蔵王観光道路をおりてゆく。車は1台もなく今日の登山者は誰もいないようだった。このコースは短いものの何カ所かの渡渉がある。渡渉といっても簡易の橋が渡されているほか、飛び石でも簡単に渡れるのでたいしたことはないのだが。

 登山道を進んでまもなくすると、危険回避のため新道が整備されて、旧道は通行禁止となっていた。道ばたに咲いている黄色の花はミヤマアキノキリンソウだろうか。ほかにはゴゼンタチバナとマイズルソウが目についたものの、いずれも赤い実をつけていて季節の移ろいを感じさせた。

 やがて川幅のある井戸沢の源頭部までくると、前回歩いた時の記憶がよみがえってきた。この下流は落差の大きな滝となっているので要注意である。10分ほど歩くと見晴台の高みにでて、展望が少し開けてくる。見晴台からは遠く仙台平野を望むことができた。そして右手に進むと前方に後烏帽子岳の全容が見えた。まもなくすると股窪という十文字の分岐点で、ここには股窪を示す立派な標柱が立つ。その股窪の少し手前に小さな湿原があり、湿地帯に咲くイワショウブの枯れかかった色合いに思わず目を引かれた。池塘はうっとりするほどに美しく、まるで山奥にぽっかりと空いた異空間のようにも見えた。

 股窪の分岐点からは再び樹林帯の山道となる。道は緩やかなうえにクッションの上を歩いているような心地よさがある。右手に山小屋が見えてくればろうずめ平まではまもなくだ。ろうずめ平で屏風岳から下ってきたという二人連れに出会ったが、今日出会ったのはこの二人だけである。南蔵王の縦走路は数歩先も見えないほどのガスらしく、信じられなかったが、こんな天候でも不忘山に向かう人はいるようだった。

 ろうずめ平から後烏帽子岳までは30分足らずの距離だ。しかし、ここからはさらに天候は悪くなる。見上げる山頂には時々ガスがかかって見えなくなった。樹林帯を抜けてガレ場が現れると、体が飛ばされるほどの強風に晒された。しかし、雷や雨がないだけ増しというもので、あと少しの辛抱だった。

 ようやく到着した後烏帽子岳の山頂は、強風とガスで屏風岳などの展望は全くなかった。こんな天候では長居は無用というもの。標柱を確認しただけで下山を開始することにした。

 ろうづめ平まで下ったところで大休止。ここまで下れば雨が降っても雷が鳴っても心配はないようだ。急ぐ必要もないのでしばらく果物などを食べながら少し疲労気味の足を休めることにした。

 途中、蔵王山岳会山小屋に立ち寄ったりしてのんびりと下ってゆく。ここの山小屋はあまりに立派で驚いた。キノコがそこら中にあるのだが、食べられるかどうかわからないので写真だけ撮った。股窪まで戻れば駐車場はまもなくだ。途中の沢水で乾いたのどを潤してから最後の登りにとりかかった。


新ルート


股窪


股窪の湿原


イワショウブ


ゴゼンタチバナ


マイズルソウ


オヤマリンドウ


蔵王山岳会山小屋


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