山 行 記 録

【平成22年4月18日/湯殿山スキー場〜品倉山〜北ノ沢



湯殿山(品倉山から)



【メンバー】西川山岳会8名(柴田、安達、神田、荒谷、大江、大場、蒲生)+ゲスト(川口)
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】品倉山 1211m
【地形図】(2.5万)湯殿山(20万)村上
【天候】曇り
【参考タイム】
湯殿山スキー場駐車場13:00〜山頂15:10-15:20発〜湯殿山スキー場15:50

【概要】
 月山スキー場からこの湯殿山スキー場に戻ったときには正午を過ぎていた。初めはスキー場でも雨模様だった。すでに3月末で営業が終わったスキー場は寂しい雰囲気が漂っていた。この天候をみて菊池さんは早々と温泉へと気持ちを切り替えスキー場を後にした。残ったメンバーは車の中で昼食をとりながら様子をうかがっていた。そのうち雨は小康状態となり、ほどなく雨はあがってしまった。こうなれば品倉山を往復してこようかということも当然の成り行きであった。なにしろ午前の姥ケ岳から消化不良が続いていて、みんなストレスが溜まったいたのである。

 品倉山を登るのは僕にとって8年ぶりであった。このぐらい昔だと細かい記憶はほとんどなくなっている。おかげで紫灯森から品倉尾根を下るのとは違い、湯殿山スキー場から逆コースをたどるのは新鮮な感激がある。歩き始めは雨が上がったばかりで高曇り状態だったが、品倉山が近づくに連れて少しずつ青空が見え始めてくる。こうなると気持ちは盛り上がる一方となった。歩き出しが午後1時では時間が心配だったが、そんなことはどうでもよくなっていた。何しろ登るに従って登行意欲がどんどんと湧いてくるのである。新雪に輝く品倉山が両手を広げて僕たちを待っているような気がした。

 山頂直下からは急坂の連続だった。新雪があったばかりなので雪崩の心配もあったのだが、取り付いてみると心配はほとんどなかった。風も強いせいなのか新雪は古い雪面にしっかりと結合しているような状態だったからだ。それでも安全を期して木立の多い部分を選んで登って行く。あまり張り切りすぎたのだろう。山頂を目前にして僕は両足が痙攣しそうになっていた。このころになると上空には青空がいっぱいに広がっていた。すでに午後も3時近くになろうとしていた。午後遅くに天候は回復するといっていたので、結局、天気予報は当たったということだろう。ようやく山頂に到着したのは駐車場を登り初めて2時間。ラッセルというほどではなかったので意外と早い到着であった。

 山頂からは信じられないような光景が広がっていた。午後の明るい日射しを浴びて湯殿山がまるで別の山のように輝いていた。眼下には仙人が岳や湯殿山神社へと伸びる有料道路などがある。そして月山山頂からは北月山コースである北尾根がなだらかなスカイラインを見せている。この風景をみているだけで登りの疲れを忘れてしまいそうだった。そして登ってきた方角をみれば広々とした北ノ沢(仮称)が広がっている。まるで夢を見ているような斜面が延々と下方まで続いているのである。山はやはり登ってみなければわからないものだと今更ながら思った。

 品倉尾根をそのままたどれば紫灯森へつながっている。初めは雲に隠れていた姥ケ岳や本来下るはずだった品倉北尾根も見え始めていた。しかし、こうしてみると月山はつくづく大きい山塊だといまさらながら驚くばかりだ。いろんな支尾根を四方八方にのぼし、そのどれもが巨大なのである。雪のあるうちならばどこでも歩けそうな尾根がありすぎてたまらなくうれしくなるようだった。

 展望を楽しめば滑降にうつろう。僕は久しぶりに動画を撮影するために一足先に斜面の途中へと下って行く。雪質は適度なパウダーと積雪量で文句無し。カメラを構えているとみんな気が狂ったように山頂から繰り出してくる。この快適さは久しぶりで、みんなこの品倉山に酔いしれているようだった。コースも意外と長いので途中で何回も立ち止まっている。そして沢底がちかづいたところで湯殿山スキー場へと方向転換だ。夕刻が迫り雪が適度に凍り始めていたこともあって、スキーは平坦地にもかかわらずよく走った。たちまちスキー場への上部へとたどり着く。振り返ると晴れ渡った青空に新雪を抱いた品倉山が美しい姿を見せていた。僕たちは誰もいないスキー場のゲレンデを思い思いに駐車場へと下っていった。



山頂直下を登る


品倉山山頂から(バックは湯殿山)


品倉山北ノ沢で


湯殿山スキー場上部から望む品倉山


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