山 行 記 録

【平成22年1月12日/吾妻連峰 土湯温泉〜高山下り



山頂からGo!



【メンバー】西川山岳会5名(柴田、上野、神田、荒谷、蒲生)
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】高山1804.8m
【地形図】(2.5万)土湯温泉、(20万)福島
【天候】晴れ(快晴)
【温泉】土湯温泉「錦滝旅館」500円
【参考タイム】
土湯温泉男沼駐車スペース7:45〜高山登山口8:35〜1250m尾根9:50〜高山12:00-12:50〜1250m尾根〜高山登山口〜男沼駐車スペース14:30

【概要】
 1年ぶりの高山下り。以前だと高湯温泉から一切経山を越えての高山下りというのがクラシックルートなのだが、あづまスキー場が閉鎖された今では、手っ取り早く土湯温泉から高山の上り下りがツアールートとしてすでに定着しているようにも見える。コースは登山口までの林道歩きに加え、また登りの標高差が1200m近くあるため一昨年は6時間、昨年は5時間を片道に要している。今年はいったいどのくらいかかるのだろうか。こんなこと考えながら男沼への駐車場へと到着した。駐車場には数え切れないほど車が停車しており、その先の林道沿いにも並んでいた。どうやらワカサギ釣りの車らしく、高山へ登るものは僕たちだけのようであった。

 今回のメンバーは5名。みな体力にも技術にも問題ないメンバーだけなのだが、昨日の疲れがだいぶ残っている僕としてはやや不安を抱えながらの登り始めである。林道の雪は昨年よりもだいぶ少なかったものの、駐車地点からシール登高は可能だった。スキーで下ってこられるかどうかはこれからの気温次第だろうか。今日の天候は快晴!見上げても雲ひとつ見あたらず一面紺碧の空が広がっているだけであった。

天気が良いだけに朝方はかなり冷えた。しかし、歩き出すと直ぐに汗が噴き出してきてしまい、山シャツ一枚、又は冬山用下着一枚になった者までいる。林道を少しショートカット気味に進むとやがて高山登山口だ。いつもならば標識などがあってすぐにわかるのだがここが登山口だとはわかりにくい。初めてだと林道をまっすぐに進みそうになるところであった。

 1025mピークをいつものようにトラバースしてゆくとまもなく雑木林の疎林帯となる。ここはラッセルしていても実に気持ちの良い区間だ。林間に陽射しが降り注ぐとまぶしいほどに雪面が煌めいた。1250mのヤセ尾根には歩き出しから2時間で到着した。いつもよりもだいぶ早いペースである。

 ヤセ尾根は標高、時間的にもコースのちょうど中間地点に当たるところだ。ここまで高度は600m登ったことになる。山頂までもちょうど600mほどだから結構このコースは長いなあとあらためて思ってしまった。ここでは展望もよいので小休止。正面には新雪にきらめく箕輪山が大きな谷を挟んで対岸に聳えていた。

 ヤセ尾根からは急坂を少し登れば平坦地が続くようになる。ラッセルといっても昨日の高湯温泉ほどではない。新雪はせいぜい20センチ程度だが、それでも少しずつ積雪が増していった。まもなく山頂直下の急斜面となると徐々にみんなの足並みも不揃いになってくる。僕も両足が攣りそうなほどだ。久しぶりの長丁場なのだからしかたがないが、登り甲斐のあるコースなのだとあらためて思う。まもなく二本松市内や箕輪山が眼下となると、かなり高度が上がってきたのを実感できる。いよいよ山頂が近づいていた。

 高山の山頂にはちょうど正午に到着した。昨年よりも1時間近く早い到着だった。みんなの足並みがそろっていることと、深いラッセルがなかったことが大きい。山頂では強風が流れていたものの、この時期にしてみれば微風みたいなものだろう。山頂からは東吾妻山や一切経山が見えた。せっかくなので三角点を踏んでこようと潅木帯に進んでみた。もちろん標柱は雪に埋もれているので一番高い地点を三角点とした。記念撮影をすませばお待ちかね。風の少ない場所を選んで昼食休憩となる。長丁場を耐えてきただけに今日の昼食はことのほか待ち遠しいものだった。

 昼食をとっているときも天候は一向に崩れる気配はなかった。降り注ぐ日射しは春の陽光を感じさせた。大休止が終わればシールをはがして滑降にうつろうか。みんなも早く滑りたいのか準備作業はすばやかった。

 山頂からはパウダーを蹴散らしながらみんなあちらこちらに散らばっていった。堅いベースがあってときどき飛ばされてしまい、僕は思わず転倒してしまったりしたが今日はそれでも楽しい。急斜面が終わればほどよい緩斜面が延々と続くようになる。ここはツリーランというよりも、木立を右に左に避けながらビュンビュンとスキーを飛ばしてゆけるのが楽しい。休憩を途中で一度もとることもなく、トップをゆく柴田さんはヤセ尾根まで一気に下っていった。極上のパウダーはその後も続いた。登りが長い分だけ滑る距離も長いのだからこんなに楽しいことはない。このコースはいつきても期待を裏切られることはなかった。

 楽しい山スキーも林道に出てしまえばもう終わりである。林道はただスキーに乗っているだけでよいのだから楽なのだが、もう頭の中は下山後の温泉へと切り替わっている。心配した雪はかなり消えていたものの、駐車場までスキー滑走は可能だった。駐車場へと着いてみると朝方停まっていた車はほとんどなくなっていた。


土湯温泉男沼駐車スペース


登りに汗が流れる


箕輪山


山頂到着!


東吾妻山


山頂からの滑降開始


滑降


滑降


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