山 行 記 録

【平成22年1月20日/吾妻連峰 天元台〜西吾妻〜若女平〜白布温泉



若女平から西吾妻山を仰ぐ



【メンバー】単独
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】西吾妻山2035m
【地形図 1/25000】天元台、吾妻山、白布温泉
【天候】晴れのち曇り(稜線は風雪)
【温泉】小野川温泉「ルシオーレ小野川」400円
【参考タイム】
北望台9:50〜天狗岩10:50〜西吾妻小屋付近11:00〜若女平11:50〜強清水(ヤセ尾根)12:00〜若女平登山口12:20〜駐車場12:40

【概要】
 今日は大寒というのに4月のような一日になるのだそうだ。全然嬉しくないニュースに気持ちはいまひとつ。それに期待していた天候も、今日は昼頃から雨が降り出す模様だと言う。今日は時間との競争になりそうだった。

 先日の吾妻連峰での積雪を目の当たりにして若女平は最高の状態だろうと予想した。それがずばりと当たったのだから嬉しい限りである。それにうれしいニュースがもうひとつ。今年の3月、大朝日岳スキーツアーで一緒だった、千葉の加代ちゃんこと福田さんと飯田さんに北望台上部付近でたまたま遭遇したのである。こんな偶然というのはなかなかあるものではない。なにしろ休日でもないのである。二人はこの好天の期間を狙って吾妻連峰にやってきて、梵天岩付近で楽しく幕営したらしかった。昨日は雲ひとつない快晴だったというからうらやましい限りだ。今日は朝から強風が吹き荒れていて、稜線はすさまじいほどの烈風が舞っているようだった。

 この二人のトレースのおかげでカモシカ展望台付近まではずんぶんと楽をさせてもらった。お二人さん、どうもありがとう。展望台からはトレースは全くなくなり一人のラッセルとなったがそれもまた楽しい。今日の平日では訪れる人は誰もいなかった。今日の若女平は貸し切りだろうと確信した。しかし、梵天岩付近からはブリザードのような強風であった。目出帽をしていても皮膚が切れそうなほどの寒風が吹きすさぶ。

 冬山では風が一番の命取りになる。そんなことをあらためて思わせるような今日の風であった。こんなときには西吾妻小屋も西吾妻山も割愛するしかない。なにしろ西の空からは薄雲が近づいていたからである。強風の中だったがシールをはずせばもう下るのみ。12月末の若女平はまだ雪が全然と言っていいほど少なくて難儀の連続だったが、今日の若女平は積雪量が全く違っている。深雪とはいっても適度に締まっていて、極上のパウダーと呼べるものだった。僕のようなへたな技術でも全然ストップする必要もない。快適過ぎるほどのツリーランの連続だった。写真を撮るために時々たちどまるものの、それさえももったいなく感じるほどのパウダー。ここはまさしくツリーランの天国だ。こんなに雪がよい若女平も久しぶりであった。

 多くの積雪に助けられて急斜面も感じることはなかった。気づいたときには若女平に飛び出していたのである。若女平の平坦地だけは推進滑降が必要だったがそれもわずかな距離である。天候がまもなく崩れそうだったが、かろうじて西吾妻山を仰ぐことができたのは幸いだった。ダケカンバ帯もトレースが全然無いにもかかわらずスキーはよく走った。ここのパウダーも程良く走って快適なターンが続く。右に左にと気ままにターンをしているとたちまちヤセ尾根にでてしまった。さすがにこの時期は雪庇が張り出していたが、今回のヤセ尾根は多くの雪に助けられて通過も不安は皆無だった。あとはカラマツ帯と杉林を抜けて行くだけである。前回はかなり難儀した密林地帯だったが、今日は全く別の山を滑っているような感覚である。最後の植林地の急斜面もたちまちのうちに下ってしまい、気付いたときには若女平登山口が目前であった。短時間でツアーを終えたのは、技術が向上したわけでも何もない。ひとえに雪の多さとバウダーのおかげである。この日、強風のために天元台スキー場のリフト全てが午後からストップした。そして駐車場に向かっているときからポツリポツリと雨が降り出してきた。


加代ちゃんこと福田さんと飯田さんに遭遇


ツアー標識(大凹付近)


強風が舞う


モンスター


西大巓と樹氷群


スイスイとツリーラン


スイスイとツリーラン


ヤセ尾根から天元台が見える


ヤセ尾根の通過


無事白布温泉に到着


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