山 行 記 録

【平成22年1月3日/吾妻連峰 天元台〜中大巓】



中大巓直下にて



【メンバー】単独
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】中大巓1,964m、
【地形図】(2.5万)天元台(20万)福島
【天候】晴れ
【参考タイム】
北望台11:00〜中大巓12:00〜直下12:10-12:40〜湯本駅14:00

【概要】
 山形県内は年末から昨日まで猛吹雪が続き、自宅から一歩も出られないような状況だった。今日も朝から雪が降り止まず山は平地以上の大荒れが予想されたが、休みも今日で終わりなので近くの天元台に出かけてみることにした。

 悪天候のためだろう。天元台もスキー客はまばらだった。しかし、この年末年始の寒波によって積雪は格段に増したようである。北望台からは誰も登った様子がなくトレースが見あたらない。風も強かったがゆけるところまでいって見ることにしてシールを貼った。

 ラッセルは膝下から膝上ほどもあって先日までの様相とは一変していた。これならばどこでもスキー滑降は可能のように思えた。樹林帯は風も弱かったが上空は強風が吹き荒れている。登るに従って雪の降り具合も増した。視界はかろうじて10数メートルといったところか。森林限界を抜け出すと凄まじいほどの風雪となった。目出し帽とゴーグルを装着して強風に備える。こんな天候の時には西吾妻山を目指しても自殺行為である。とりあえず中大顛までの往復と今日の行程を決めた。

 カモシカ展望台の標柱らしき付近からはなだらかな斜面が山頂へと続いている。小さなブッシュというか樹氷が邪魔をするのでまっすぐには登ってゆけないが山頂へはひと登りで着いた。すごい風に飛ばされそうになりあわてて方角を転回した。滅多にないのだがシールのまま下った方が良さそうだった。

 樹氷群まで下ると風は極端に穏やかなものになった。雪は降り止まなかったがここまで下ればあとはスキーで滑ってゆける。ようやく緊張感からの開放感に浸った。しかしまあとりあえず昼食としよう。ツェルトを取り出して急いで潜り込んだ。

 汗はほとんどかいていなかったと思っていたのだがツェルトに入るとゴーグルや眼鏡が一瞬で曇った。ツェルトは寒気を遮断してくれるので別世界だった。さっそく熱いカップ麺を作って冷え切った体を暖めた。

 休憩地点からの滑降は快適だった。深いパウダーは少々狭い樹林帯でもスピードが出ないので難なく下ってゆけるのである。ほどなく北望台に飛び出すとそこからはリフト下のパウダーを滑った。ボードのトレースが2、3人分ある程度で雪面も荒れてはいない。ふわふわと飛ぶような浮遊感をしばし味わう。下手なツアーコースよりはよほど快適であった。天候はさらに悪くなる一方で、ゲレンデではスキーヤーも数えるほどしか見当たらなかった。

 ゲレンデからは湯の平コースを下ってゆく。ここもほとんどトレースがないのでパウダーの練習を兼ねてビュンビュン飛ばしてゆく。といってもほどよいブレーキがかかるので斜度があるにもかかわらず楽しいばかりだ。そんなことをしているうちに湯本駅が眼下に見えてきた。短時間だったが悪天候にもかかわらず久しぶりに深々としたパウダーを楽しんだミニミニツアーが終わった。


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