山 行 記 録

【平成21年12月27日/志津温泉〜湯殿山



湯殿山を滑る大場さん



【メンバー】2名(大場、蒲生)
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】 湯殿山 1,500m(1,350m地点まで)
【地形図】(2.5万)月山、(20万)村上
【天候】雪
【参考タイム】
 志津温泉8:30〜湯殿山12:20〜志津温泉15:00

【概要】
 あいかわらずまとまった雪が降らない。姥ガ岳方面は少し食傷気味ということで今回は湯殿山である。まだまだ雪が少ないだろうがまずは出かけてみなくてはわからない。運動不足解消を兼ねてのトレーニングのつもりでもあった。

 道路には雪がないので予定より30分も早く志津温泉に到着した。車はまだ3台だけで意外に少ない。平地では青空も見えたというのに志津温泉街は風雪であった。時折目の前が見えなくなるほど雪が舞った。雪が少ないうえにこの悪天候では山スキーの気分にもなれない。しばらく車の中で休んでいると隣に車が1台並んだ。窓ガラスからのぞくと山岳会の大場さんだった。大場さんは飼い犬を連れての山行で僕と同じように湯殿山の予定らしかった。この頃になると小雪が少し舞うものの風雪は小康状態になっていた。天候は少々悪くても同行者がいれば心強い。ゆけるところまで登ってみるとしようか。

 登り初めからブッシュが目立った。部分的にはまだ湿地帯が埋まっていない場所もある。至るところでヤブが行く先を遮っていた。しかし登って行く分にはなんとかなるようだった。ブッシュを避けながらあちらこちらを彷徨ったためだろう。途中で方角を見失ってしまったりもした。現在地をGPSで確認するとブシ沼のすぐ近くを歩いているのがわかった。予定ではこんなところに進むつもりではなかった。そこからは90度ほど方向転換して南東尾根に向かった。危ない、危ない。視界がない時は慣れた山でも全く方角がわからなくなることを今更ながらに思う。さらに凹凸がほとんど埋まっていないのでいつもの光景と全然違うことも原因だったのだろう。

 当然だが高度が上がるに従って積雪が増していった。遠回りをしながらもなんとか南東尾根に取り付くとブナ林の急斜面だ。ここからはくるぶしほどのラッセルとなった。ここならば滑降が楽しめるだろうと思った。高度が1200mを越えると森林限界となる。まだブッシュが目立つもののスキーで滑るする分には問題はなさそうだ。問題は天候のようである。天候は良くなるどころかますます風雪が強まっていた。姥ケ岳も湯殿山の山頂付近も全くみえなかった。

 1350mピークにたどり着けば山頂は目前だ。しかし、これ以上登ったところで今日の悪天候では何の楽しみもない。大場さんの飼い犬だけは至って元気だったが今日はここで引き返そう。それにお腹も空いた。急いでシールをはがして石跳川沿いに下って行く。久しぶりのパウダーは快適だった。しかしそれも一瞬だった。ほどなくヤブが邪魔をするようになり、右往左往するうちに再びブシ沼に降りてしまったのだ。今日は方向転換ばかりしている。それもこれも雪の少なさのせいであった。

 南東尾根を降りてしまうと快適な滑降とはほど遠くなり、結局石跳川に降りることになった。石跳川を横断できるかどうかが心配だったがヤブ漕ぎはもう懲り懲りという気持ちだった。まあなんとかなるだろうといういつもの運まかせである。対岸に渡ってしまえば後はネィチャーセンターまでひと滑りだった。

 結果論ではあるのだが今回は最初から石跳川沿いに登ったほうがよかったのかもしれない。しかし、時間を要しただけにアドベンチャーに満ちた充実の一日が終わった。



石跳川を渡る

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