山 行 記 録

【平成21年11月23日/半田山】



半田山山頂



【メンバー】単独
【山行形態】冬山装備、日帰り
【山域】奥羽山脈南部
【山名と標高】半田山 863.1m
【地形図】(2.5万)中茂庭、桑折(20万)福島
【天候】晴れ
【参考タイム】
半田沼管理事務所10:00〜キャンプ場〜山上駐車場10:35〜半田山11:00-10〜北登山口11:45〜半田沼11:55〜半田沼管理事務所12:10

【概要】
 半田山は福島県桑折町、国見町、それに宮城県白石市に接しており、標高は863mと低山の域を出ないが、山頂には一等三角点が設置されているだけに展望が抜群の山として知られている。周辺は半田山自然公園となっていてすぐ近くの大きな半田沼が公園の中心をなしている。ここには林間歩道や遊歩道、休憩施設、広場なども整備され、年間を通じて多くの観光客や登山者が訪れている。

 山形県内は前日、雲ひとつ見られないような快晴に恵まれたが、今日は一転して雨模様の天候となってしまった。場所によっては雷雨や突風などの大荒れも予想されている。そんなことから今日は少しでも晴れそうな福島の山を登ることにした。国道113号の二井宿峠を越えるとそれまでの曇り空がウソのように晴れ渡った。桑折町に入ると林道となり曲がりくねったカーブ道をしばらく走ると半田沼管理事務所に着いた。半田山にはここから登り始めるようだった。

 管理事務所や駐車場はよく整備されていて別世界に飛びこんだような感じだった。山形ではすでに初雪もあってすでに初冬だが半田山周辺はまだ晩秋と呼ぶにも早いような明るい雰囲気に満ちている。紅葉もまだ多く残っていてしばらくぶりの秋山ハイキングのようでもあった。

 半田沼の標高は410m。半田山までは450mほどで所要時間は2時間もかからないだろうと思った。南登山口から山道にはいると杉林内にはいたるところに山頂をしめす標識がある。始めはわかりづらいような不安感もあったのだがその心配は杞憂だった。まもなく七曲がりのような急坂に取り付くとしばらくジグザグに登ってゆく。久しぶりの山歩きのせいもあって気持ちの良い汗が流れた。見晴らしも徐々によくなると眼下には管理事務所らしいものも見えてくる。いったん舗装道路の林道に飛び出したがすぐに山道へと入ってゆく。そこもまた急坂が続くところで結構侮れない山だと気づかされる。やがて明瞭な尾根道となり右手下方には半田沼が見え始める。山頂までの距離をしめす標識が100mごとにあってコースもわかりやすい。山頂直下には「ハートレイクビューポイント」という標識があってここからは名前のごとく半田沼を眼下にはっきりと見渡すことができた。

 半田山山頂にはちょうど1時間で到着した。山頂には一等三角点と立派な標柱が立ち、傍らには祠が3基ひっそりとたたずんでいた。山頂にはベンチもあってしばらく小休止だ。あまりに暑いので冬山用の下着をここで脱いでゆくことにした。上空は青空が広がり雲ひとつ見あたらない。山頂からは阿賀野川のゆったりとした流れが市街地を横切っており、眺めの良さは予想どおり格別であった。阿武隈山地の中にあって遠方の特徴あるスカイラインは霊山のようだった。林間は落葉を終えて遮るものがない展望が広がっていた。

 ひととおり展望を楽しんだら北に続く道を下ってゆく。つまり往路を戻らずに周回コースをとるのである。このあたりは県別のガイドブックにも記載されているとおりにたどることにした。今日出会った登山者もほとんど周回コースで楽しんでいるようだった。音をあげるほどではないものの、山頂からは結構勾配があって少しも気を抜けない下り坂が続く。ほとんどひと休みをする余裕もないほど、急斜面をどんどんと下ってゆくようだった。周囲はいつのまにか松林となり、松葉や松ぽっくりの降り積もった登山道をのんびりと歩いてゆく。これから山頂をめざす人も多く、途中では何人かの登山者とであった。

 往路と同様に斜面をジグザグに下る頃には高度もかなり下がっていた。途中には四阿があって休憩ポイントとなっている。しばらくすると半田沼の湖畔に出た。ここからは駐車場も近い。沼は結構大きくて周囲はいろんな散策コースがとれるようになっていた。エメラルドグリーンの湖面は波もなく不思議なくらいに穏やかだ。散策している人はまばらで、のんびりと小春日和の一日を楽しんでいるようであった。私は右から回り込むようにしながら半周して途中から管理事務所に出た。久しぶりのハイキングは結構登り甲斐があり、背中は知らず知らずのうちに汗でしっとりと濡れている。この山ならば真冬でも登山者で結構にぎわうだろうなあと思いながら駐車場に戻った。


半田沼


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