山 行 記 録

【平成21年10月17日/古寺鉱泉〜小朝日岳〜鳥原山周回】



ハナヌキ峰分岐



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】古寺山1,501m、小朝日岳1,647m、鳥原山1,430m、
【天候】晴れ
【参考タイム】
古寺鉱泉6:30〜ハナヌキ分岐〜古寺山8:30〜小朝日岳10:00〜鳥原山11:00〜畑場峰12:30〜古寺鉱泉14:00。

【概要】
 東北地方は久しぶりに高気圧に覆われて今日は天候の心配は全くないといううれしい日だった。紅葉前線もだいぶ下がってきたので大朝日岳は割愛し、小朝日岳から鳥原山を周回コースをとることにした。といっても山頂までゆける自信がないということもあった。

 古寺鉱泉では時間も早いためかそれほど登山者は多くはなかった。朝陽館の裏手から尾根に上がるとさっそく目の覚めるような紅葉の鮮やかさに驚いた。朝日を浴びた様子は今年一番の輝きと言ってもよさそうである。日射しが高まるに従いさらに輝きをましてゆくようだった。そんな行程がずっと続くのだからこんな楽しい山歩きはなかった。

 遠方に古寺山が見えるとハナヌキ分岐がまもなくとなる。古寺山はすでに紅葉は散ってしまい早くもモノトーンの色彩に変わっている。ハナヌキ分岐はいつも薄暗い感じのするなんの取り柄もない場所だが今回だけは違う風景が展開する。笹薮の緑と黄色や橙に色付いたブナやカエデ。そして降り積もった落ち葉に日射しが木立の間から差し込んで、なにか夢を見ているような感じさえした。いくら見ていても飽きなかった。こうなると写真撮影も忙しい。実景どおりに撮影など出来ないのだがこの風景はいつまでも残しておきたい気持ちだった。

 古寺山からは小朝日岳が目前となる。雲ひとつ見当たらない頭上からは秋の柔らかい陽光が降り注ぎその穏やかさが心地よい。しかし、主稜線はすでに紅葉は盛りを過ぎて雪を待つだけのように見えた。乾いた空気だから良いものの、雨が降ればもう雪に変わるだろうと思われるような晩秋の山肌であった。

 小朝日岳で軽く行動食を食べて左手から鳥原山へと降りて行く。ここは結構急斜面のためたちまち高度が下がり、逆に小朝日岳は見上げるほどの高さとなる。そして最低鞍部へと降り立つとそこは小さな湿原だ。草紅葉はすでに枯れてしまったが、周りの潅木が真赤に色付いていてここだけが秋の残滓が残っている感じだ。鞍部から鳥原山まではひと登りとなる。願ってもない山日和の好天なのに不思議と誰とも出会わない。夏山の喧噪はとっくに過ぎ去っているようだった。

 鳥原山は大朝日岳と小朝日岳の絶好の展望台だ。左手には平岩山から御影森山への長い稜線が伸びていた。鳥原山を下ると眼下に鳥原小屋と湿原、木道などが一望となる。この時期は高木の葉が落ち尽くしたおかげでほぼ全景が見渡せるのである。いつもは見られない風景が見渡せるので楽しいばかりだ。

 鳥原湿原は花の時期を過ぎてしまい涸れた草紅葉だけが残っていた。古寺鉱泉への分岐点付近に色鮮やかな紅葉の名残が漂っているだけだった。鳥原湿原を下ればまもなくブナ林だ。ここでわずかばかりのクリタケを採取した。これはさっそく今日の味噌汁の具にしようかと二人で喜び合った。畑場峰までくだれば古寺鉱泉は近い。この付近は今が一番紅葉の盛りを迎えているようである。なんの変哲もない畑場峰が今日だけは飛びきり上等の風景を感じさせた。


古寺山への途上


小朝日岳からの展望


鳥原山からの展望


鳥原湿原の分岐


畑場峰

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