ほとんどが古寺山経由で大朝日岳へと向かったのだろう。鳥原山への踏跡はなかった。前後にも人は見あたらないのでのんびりと登ってゆく。といってもここは畑場峰まで急登が連続する。それだけに無駄のない登りが続き、1時間ほどで畑場峰へと到着した。この辺りまでくると頭上からは強い日射しが降り注いだ。熱射病の予防には帽子は必携であろう。久しぶりに気温は上昇しているらしく、登山道には眩しいほどの木漏れ日が降り注いだ。緩やかに登ってゆくと田代清水に着く。流れは細いが水は冷たい。ここでのんびりと休憩をとってから再び登りはじめた。
平坦部分が終わると再び急坂となる。登り切ったところは鳥原湿原だ。湿原は半分以上草紅葉が始まっていた。キンコウカ、イワショウブ、ウメバチソウなどの高山植物が湿原に彩りを添えている。湿原から鳥原山まではひと登りだ。登山道では早朝、朝日鉱泉を登ってきた人たちや小朝日岳から下ってくる人たちが盛んに行き交っていた。
鳥原山山頂では涼しい風が吹いていた。半袖シャツでは寒くて長袖を羽織った。正面には小朝日岳、そして左奥には大朝日岳がそびえ立つ。雲は多いものの、澄んだ青空も広がっていて、風景はすでに秋山そのものである。大朝日岳の山頂には雲がかかっていたが避難小屋ははっきりと見える。澄んだ空気に澄み切った青空と涼しい風。紅葉にはまだまだ早いものの、山歩きには最適な季節を迎えたようである。今日は日曜日だがこれから大朝日岳の避難小屋泊だという女性パーティも多いようだ。大きなザックを背負った若い女性が目の前を通り過ぎてゆく。今年は梅雨が長かっただけに、朝日連峰ではこれから山の本番が始まるような雰囲気が漂っていた。
古寺鉱泉 |
鳥原湿原 |
ウメバチソウ |
イワショウブ |
オヤマリンドウ |
キンコウカ |