山 行 記 録

【平成21年8月22日/朝日連峰 ナカツル尾根〜大朝日岳】



大朝日岳直下から避難小屋と中岳



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】大朝日岳1,870m
【地形図】(2.5万)羽前葉山、朝日岳(20万)村上
【天候】曇り時々晴れ
【温泉】西村山郡朝日町「いもがわ温泉」150円
【参考タイム】
朝日鉱泉8:00〜出合9:30〜長命水10:45〜大朝日岳13:00-3:20〜長命水〜出合14:50〜朝日鉱泉16:15

【概要】
 久しぶりの大朝日岳。今年は山の会での小屋泊計画があったのだが全て雨で流れていた。このままでは秋になってしまうのではないかという思いから急遽ナカツル尾根を登ることにした。今年の梅雨はいつのまにかなくなってしまい、朝日鉱泉では夏も過ぎ去ったかのような涼しさであった。

 晴れの予報が出ていたのに朝から曇り空であった。気温は低く涼しさを通り越して寒いほどだ。今日は長袖シャツを着て歩き始めた。しばらく朝日川の沢沿いの山道を歩く。以前と少しも変わらない風景にたまらない懐かしさを感じる。1時間半ほどで二俣の出合につくと、ここからは急坂の始まりだ。二俣はちょうど2合目であり、ここから合目の標識が山頂までずっと続くことになる。肌寒いほどの気温は登りやすかったものの、それでも汗はしたたかに流れた。

 涼しいせいなのか水筒の水はそれほど減らず、長命水の水場はそのまま通過した。標高が1100メートルを越えると前方に大朝日岳の一角がみえてくる。すると少しずつ気力が湧いてくるようだった。右手には深い朝日川を挟んで小朝日岳や鳥原山のスカイラインが見えた。

 6合目を越えると森林限界となり風はさらに激しさを増した。すでに肌寒いといった感じを通り越しており、晩秋を思わせるほどの冷たい風が吹く。僕は長袖シャツでも寒くて途中からウインドフレーカーを着た。狭い稜線では強風で吹き飛ばされそうなほどである。途中で下山する何組かの団体とすれ違った。大きなザックを背負い、みんな小屋泊まりの人たちのように見えた。

 山頂が近くなると登山道には高山植物がちらほら目立つようになった。マツムシソウやミヤマトリカブト、ハクサンイチゲ、ミヤマリンドウなど、花の種類は少ないが早くもオヤマリンドウが咲いていたのには驚いた。この花が咲き始めたということはすっかり秋の気候になったということかもしれなかった。

 山頂には5時間かかって到着した。今日は疲労感が強くようやくたどり着いたという感じであった。先週の祝瓶山は薄雲に隠れてわからない。あの暑くてどうしようも無かった強い日射しが今では信じられないほどだ。熱中症にかかってからまだ1週間も経っていないのである。季節の早すぎるような移ろいを思わずにはいられなかった。

 大朝日岳からは避難小屋が見えた。今夜の宿泊者なのだろう。入り口付近で何人かのんびりしているのが見えた。時間はすでに午後の1時。日射しもあれば別なのだろうが気温はだいぶ低く、とてものんびりするような天候ではなかった。手短にコンビニの弁当を食べて下山にとりかかった。今日は出だしも遅かったせいもあるのだが、午後遅い山頂到着だったため妙に寂しさを感じてしまった。こんなことなら泊まりの装備で登ってくればよかったと思っても後の祭りであった。

 体が一気に冷えてしまったためか汗も流れない。1時間ほど下ったところで、今度は登りですれ違ったはずの下りの団体に追いついてしまった。聞くとみんなもナカツル尾根の日帰りらしかった。早朝5時に出発したらしいのだが結構時間がかかっている。他人のことはいえないが県外から初めてこの大朝日岳にきて、日帰りするのもなんかもったいない感じがすると思うのは私だけであろうか。中には息も絶え絶えになりながら歩いている人もいるようであった。この様子だと下山は夕方6時を過ぎるのではないかと他人事ながら心配になってしまった。

 時間が気になり二俣までは一気に下った。二俣到着は山頂からちょうど1時間30分だった。こんなに早く下ったのは初めてかもしれない。しかし、体調が思わしくないのにかなり無理をしたせいだろうか。体は異常なほどの疲れを感じていた。途中の水場で沢水をがぶ飲みし、汗を拭いてすっきりしようとしたが、気分は一向に上向いてはこなかった。二俣から沢沿いの道も約4キロメートルと結構長い。僕は疲れ切った足を引きずるようしながら朝日鉱泉への道を急いだ。


長命水


ナカツル尾根途上から大朝日岳が見える


ナカツル尾根を振り返る


大朝日岳山頂


お花畑と大朝日岳


吊橋から見上げる朝日鉱泉


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