山 行 記 録

【平成21年7月11日/十部一峠〜村山葉山



トンボ沼と葉山本峰



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】葉山1,461.7m、奥ノ院1446m(※奥ノ院まで)
【地形図】(2.5万)、(20万)
【天候】曇り
【参考タイム】
十部一登山口10:20(1087m)〜奥ノ院(昼食)11:45-12:30〜十部一登山口13:40

【概要】
 飯豊町や長井市は朝から雨模様であった。天候があまりよくないため今日も短時間の山の計画である。4年ぶりに訪れた十部一峠は今にも雨が降り出しそうなどんよりとした曇り空に覆われていた。

 十部一峠から登山口までの林道はおよそ9kmもある。車は葉山の稜線付近を走っているわけで、高曇りながら見晴らしは結構よかった。林道終点には多くの軽トラックが停まっていた。数えてみると全部で20台近くはありそうだ。近くにいる人に聞いてみたら、今日は登山道の整備なのだという。僕たちはお礼を言いながら登山道を歩き出した。

 登山道にはだいぶ笹が覆い茂っていたらしくいたるところに背丈ほどもありそうな笹がなぎ倒されていた。おかげで刈り払いされたばかりの整備の行き届いた山道を歩くことができたのは幸いであった。すぐに沢を横断してゆくと少し急坂がつづくようになる。途中から笹竹が目立つようになり、時期遅れのタケノコを探してみるとわずかばかり見つけることができた。これはさっそく今日の昼食に彩りを添えてくれそうである。まもなくすると平坦地となり、まっと沼やシャクナゲ平といった標柱が次々と現れてくる。シャクナゲ平は標高1355m。ここはすでに高層湿原の一角のようであった。しかし花の時期は過ぎてしまい、盛りを過ぎたわずかばかりのシャクナゲが一握り咲いているだけだった。前方には奥ノ院の高みが正面に見えた。もうひと登りするとトンボ沼だ。ここは肘折温泉からのコースとの合流地点でもある。池塘に花は見られなかったが、周りを取り囲んでいる木道を眺めていると、まるで山上の楽園を思わせるようでもある。右手に見える高みは葉山本峰で正面が奥ノ院であった。

 奥ノ院では昼食中の作業員が大勢場所を陣取っていた。その作業員に混じって登山者も数名休憩中であった。辺りはすっかり雲の中にはいってしまったらしく、山頂からの展望は残念ながらなかった。展望がなければ山頂の楽しみも半減である。僕たちは葉山神社の陰で風を避けながら昼食とする。山頂は予想外の寒さに防寒着を羽織らなければならなかった。さっそく収穫したばかりのタケノコを入れたラーメンを作る。寒いときには暖かい食べ物が何よりで、萎えていた気持ちに生気がみなぎってくるようだった。近くに聳える葉山もガスに見えたり隠れたりを繰り返していた。

 山頂からはいつのまにかみんな下ってしまったらしく、気づいた時には僕たちだけが残っていた。視界がないのであれば葉山本峰へ足を運んでもしょうがない。葉山は次回に立ち寄ることにして下山を開始した。まもなくするとガスが急速に晴れだしてゆく兆しが窺えた。ちょうど稜線を境に肘折側がガスに覆われ、寒河江側が晴れているといった感じである。葉山の稜線が天候を明瞭に分けているようだった。正面の月山を覆っていたガスは徐々にだが晴れ出す気配が感じられる。僕たちはしばらくたたずみながらそんな光景を眺めていた。月山の残雪もかなり少なくなっていたが、それでも周りの山々から比べれば比較にならないほどの雪が残っている。雲は時間とともに消えていったが、山頂付近の分厚い雲は一向に晴れる気配はなかった。


シャクナゲ平


奥ノ院


月山


登山口の標識


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