山 行 記 録

【平成21年5月6日/ネイチャーセンター〜湯殿山〜東斜面



湯殿山(森林限界付近から)



【メンバー】単独
【山行形態】山スキー、春山装備、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】 湯殿山 1500m
【地形図】(2.5万)月山、(20万)村上
【天候】曇り時々晴れ
【参考タイム】
 ネイチャーセンター10:00〜湯殿山12:00〜装束場12:15〜(途中昼食休憩)〜ネイチャーセンター14:00

【概要】
 八甲田山の長距離ドライブの疲れがまだまだ残っている。起き上がるのさえやっとという感じだったが連日の好天を見て近くに出かけることにした。といってもこの時期では山も限られてくる。ということから例によって困ったときの湯殿山である。

 ネイチャーセンター前には車も数台だけで閑散としていた。GWの連休最終日とあってほとんど登山者が見られない。みんな姥沢まで上がって月山スキー場を楽しんでいるのかも知れなかった。正面には青空と真っ白な湯殿山が見えている。この光景を目にするとがぜん登高意欲が湧いてくるようだ。取り急ぎ準備を整え石跳川にそって登り始めた。石跳川は3週間前もカミさんと下っている。しかしさすがにこの時期、雪の少なさは否めない。支流にかかる橋も2ヶ所ほど雪が無くなっていた。そこはもちろんスキーでは歩いて行けない。本流もほとんど雪が割れているのでどこから対岸に渡ろうかと悩むところだった。

 行き交う人も少なく登りで出会ったのは登山者の2名だけだった。おそらく県外からの人だろう。これから同じように湯殿山へとゆくようである。山頂までルートを尋ねられたので簡単に説明をした。対岸へはいつものように湯殿山の南東尾根直下付近で渡った。しかしスノーブリッジも薄くなっていて、この地点で渡渉できるのも時間の問題のようである。尾根に取り付けばまもなく森林限界だ。積雪量は前回よりもずっと減ってはいるがまだまだ大丈夫のようだ。しかしところどころでクラックがあるので要注意である。そのクラックを乗り越えての急斜面のトラバースがあるからである。山頂にはネイチャーセンターからちょうど2時間で到着した。天候は思ったほど良くはなかった。雲が時間と共に下がり始めてしまい、この湯殿山の山頂もまもなく視界がなくなりつつあった。

 当初、山頂からは南斜面を下る予定であった。しかし東斜面が例年になく美しい雪面なのをみて気が変わった。雪庇もほとんど落ち尽くして雪崩れる心配がない。なによりも山頂の一点から滑降できるというのがいい。さあ一気に滑ろうか。ここは飯豊の石転ビ沢を髣髴させるような急斜面だが快適なザラメに何の心配もないのだ。山頂から見下ろすと装束場から一人登ってくるのが見えた。今日のギャラリーは一人だけのようだった。

 東斜面にクラックは一ヶ所だけであった。それも短いので心配するほどではない。途中で写真を撮影するため立ち止まったらすでにギャラリーは稜線の陰に隠れて見えなくなっていた。しかしそれにしてもやはり東斜面である。最高のコンディションにも助けられて、心地よい春風を体全体に感じながら滑降する快適さは格別であった。そこからはひとすべりで石跳川へと降り立った。そこは装束場の直下。姥ケ岳が目の前ですでに先日までの豊富な積雪はなくなっていた。

 石跳川を下ればネイチャーセンターまではたちまちである。せっかく山に来ていながら早く下ってしまうほどつまらないものはない。ザックをおろして昼食をのんびりと取ろう。休んでいると山スキーの二人連れが近くを通り過ぎて行った。結局出会ったのはこの人達だけだった。月山スキー場からこのコースを利用する人はもういないのだろうか。GWとは思えないほどの静けさが辺り一帯に漂っていた。月山道路周辺では芽吹き始めたブナ林で早春らしい風景に満ち溢れていたが、この付近では残雪とブナのモノトーンの色彩しか見当たらず春の訪れもまだ先のようであった。


品倉尾根と姥ケ岳西斜面


ガスに覆われる湯殿山山頂


東斜面の中間付近から姥ケ岳


その反対側


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