山 行 記 録

【平成21年4月19日/姥沢〜月山〜北月山荘】



月山山頂から鳥海山めざして



【メンバー】西川山岳会8名(柴田、菊池、荒谷、安達、大江、大場、上野、蒲生)+ゲスト阿部兄、大滝
【山行形態】山スキー、春山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】月山 1984m
【地形図】(2.5万)月山、立谷沢、(20万)仙台
【天候】快晴
【温泉】北月山荘 350円
【参考タイム】
北月山荘=(車)=姥沢駐車場
 リフト終点9:20〜牛首10:00〜月山頂上小屋11:00-11:20〜仏生小屋11:40-12:20〜月山八合目12:30〜983m峰13:30〜三角峰13:55〜鶴巻池14:15〜北月山荘14:40
 
【概要】
 北月山は数ある月山のツアーコースでもロングコースにはいる。月山山頂から庄内町(旧立川町)の北月山荘までは単純な標高差だけでも1665mある。またコース全体の距離も長く、登り3.5kmに対して滑走距離はなんと13kmにもなる。それもほとんど登り返しがないので、いわば鳥海山における鳥越川と双璧をなすコースでもある。

 僕たちは前日から北月山荘近くの川原に泊まっていた。今日の集合場所はこの北月山荘である。集まったのは9名。さらに姥沢で合流する人もいて今日のメンバーは総勢10名となり2台の車で西川町姥沢に向かった。この奥深い山里でもブナの一部は新緑に染まり始めていて、桜も今が盛りである。しばらくこの春景色を眺めながらのドライブとなった。

 姥沢駐車場は今週から駐車料金の徴収が始まっていた。今日も昨日に続いて快晴のような空模様にみんなも笑顔があふれている。駐車場は県内外からのナンバーが多く、立錐の余地もないような混み具合をみせている。牛首までは快適なシール登高が続いた。振り返ると朝日連峰の背後に横たわる飯豊連峰までがくっきりと見えている。今日はいつになく空気が澄んでいるようであった。休んでいると久しぶりに山中氏から無線が入った。山中氏はなんと大朝日岳山頂というから驚きだ。まだ10時そこそこの時間である。古寺鉱泉のはるか手前から歩き始めてすでに山頂というのだから超人というか若さだなあと思わずにはいられない。

 月山の山頂も今日は穏やかであった。積雪は一週間前よりもさらに少なくなっている。北方をみれば雲ひとつない快晴の空に白い鳥海山が浮かんでいた。今日の北月山コースはこの鳥海山をめざして下るだけである。記念写真を撮り終えればなにはともあれ滑降だ。トップが走り出せば次々と雪崩をうつように北月山荘へと滑走していった。

 昨年は洗濯板のようなアイスバーンに難儀した斜面も今年はなんの問題もないような極上のザラメ雪。メンバーの足並みも揃っているのでたちまち仏生小屋へとたどり着く。今年のペースは異常なくらいの早さであった。仏生小屋を後にするとさらにスピードが増して行く。広大な弥陀ヶ原はまさしく自然が作り出したゲレンデのようなもの。心地よい薫風を体全体に感じながらの大滑走は至福という言葉しか見当たらない。八合目の小屋へもほとんど時間がかからなかった。

 北月山コースは北に向かうばかりとはいえ、ルート取りは初めてでは結構難しい。尾根をひとつ間違えると決して北月山荘には向かわなくなるから要注意だ。それだけに地形は変化に富んでいるので、スキーで飛ばす快適さは数ある月山のツアーコースでもでも随一である。今回はメンバーの足並みも揃っていることもあって早い早い。たちまち三角峰が近づいていた。983m峰ではいつものように最後の大休止となる。気温も高く休んでいるとうたた寝をしたくなるような気持ちよさであった。

 983m峰からは最後の斜面が待っている。ブナ林を縫いながらの滑走は快適の一言である。ツリーランの醍醐味がここにはあるようだ。三角峰のすぐ先で雪が切れてしまったが、ここはいつものように杉林を抜けて鶴巻池側に下った。残雪の多い斜面を少し下ればそこは鶴巻池キャンプ場だ。キャンプ場の一角にはミズバショウが咲きはじめていて辺りはすっかり春一色となっていた。人の姿はまださっぱりでここには遅い春がようやく訪れたような雰囲気が漂っていた。

 鶴巻池からはいったんスキーを担いだ。しかし、林道には雪がまだかなり残っていて、北月山スキー場の直下まではスキー滑走が可能であった。あとは人里離れた秘湯のような月の沢温泉に浸って帰るとしよう。そんなことを考えていると北月山荘は目前であった。


リフト終点から


品倉尾根


月山山頂


八合目付近


983m峰でのんびりと


無事北月山荘に降り立つ


ルート


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