山 行 記 録

【平成21年3月28日/志津温泉〜湯殿山】



登りはじめ



【メンバー】西川山岳会22名
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】月山
【山名と標高】 湯殿山 1500m
【地形図】(2.5万)月山、(20万)村上
【天候】晴れ時々雪
【温泉】西川町大井沢「湯ったり館」300円
【参考タイム】
 志津温泉8:00〜湯殿山12:10〜山麓(休憩)12:50-13:30〜石跳川14:00〜ネイチャーセンター14:10〜志津温泉14:45

【概要】
 この2、3日の山形県内は時期はずれのような寒気が入ったため、3月下旬とは思えないほどの雪が降り続いていた。平地でさえも積雪があったくらいだから山では相当のはずだろうとすでにお蔵入りにしていた太めの板を車に積み込んだ。志津温泉周辺に来てみると予想通り多くの積雪に加え、フカフカの新雪が30センチ以上も降り積もっていた。

 今日は山岳会主催による「大井沢湯豆腐を食べる会」があり、その腹減らしのために企画されたスキーツアーである。このツアーに朝から大勢の人が集まった。志津温泉の駐車スペースはたちまち満杯となり、温泉街までの道路上には山岳会の車だけが延々と並んだ。集まったのはスノーシューやカンジキの歩き2名を含めて総勢22名。さながら山開きを思わせるほどの盛況ぶりであった。

 コースはいつものとおり石跳川の右岸台地を登って行く。登りはじめは気持ちの良い青空が広がっていて今日はなんの問題もないツアー日和を思わせた。しかし皮松谷地を過ぎる辺りから風雪模様となり、一時は石跳川への退却まで考えたほどの荒れ模様となった。それでも時々晴れ間がのぞいたりするので今日は判断に迷うところだ。今日は作戦会議がいつになく忙しいようだ。僕たちは結局山頂をめざすことになるのだが、しばらくこの不安定な天候に翻弄された。ブシ沼を横切って南東尾根から山頂をめざすと時々陽光がブナ林に降り注いだ。

 森林限界を過ぎると積雪量はかなりのものとなった。シールトラブルでスキーをはずしたメンバーが腰まで埋まってしまい、あわててスキーにしがみつく始末である。強風は次第に激しさを増していた。急坂に喘いでいると山頂はまもなくだ。しかし視界がはっきりしないことからピークを登り切った地点で今日の行動は打ち切りとなった。あと100mも登れば山頂という地点だったが、今日の大所帯と天候を考えれば当然の判断かも知れなかった。

 予定では南斜面の滑降だったのだが今日はいさぎよく南東尾根を下ることになった。南東尾根とはいってもここ湯殿山のブナ林は南斜面に匹敵するような疎林帯が広がっているのである。準備が整えばみんなブナ林をめざして大滑降のはじまりだ。山頂から22名の滑降となるとそれはそれは壮観という以外にない。一人二人いなくなってもわからないほどの人数なのである。一斉に斜面を下る光景はさながらスキー場のゲレンデであった。今日は40〜50センチはあるだろう新雪の斜面をみんな狂ったようにすべりおりていった。

 ひと滑りが終わればブナ林の中でも風の弱い地点を選んで大休止だ。すでに午後1時近いということもあってみんなシャリバテのようであった。昼食後はビーコンによる捜索訓練などで楽しいひとときを過ごした。山麓からは石跳川を横断して一路ネイチャーセンターへと一直線だ。それほど気温が上がらなかったこともあって雪質は良好。おかげで緩斜面の石跳川沿いもスキーは飛ぶように走った。ネイチャーセンターまで来れば志津温泉は目前である。今日は宝くじにでも当たったような時期はずれのパウダーを満喫した一日だった。短いツアーコースながらもこの湯殿山は決して期待を裏切られることはないのがうれしい。みんなの顔からは満ち足りた表情がのぞいていた。


出発のとき


一時風雪となる


滑降


滑降


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