山 行 記 録

【平成21年2月1日/蔵王連峰 地蔵岳〜蔵王ダム



登山道もラッセルが続く



【メンバー】7名(柴田、山中、荒谷、神田、阿部わ、阿部兄、蒲生)
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】地蔵岳1,736m
【地形図】(2.5万)笹谷峠、蔵王山(20万)仙台
【天候】風雪のち曇り
【参考タイム】
黒姫ゲレンデトップ9:00〜ゴンドラ終点9:40〜ロボット小屋(雨量計)(1045m)12:30-13:00〜鍋倉不動〜登山口(林道)14:10〜蔵王ダム15:20〜駐車地点15:40(500m)

【概要】
 今回は坊平高原のライザスキー場を利用して熊野岳へ登り、山頂からは地蔵岳を経由して蔵王ダムへと下る予定だった。ところが予想外の風雪のため熊野越えはあきらめるしかなく、地蔵岳へはゴンドラを利用することになった。山形県庁前で合流後、下山口に車をデポするために蔵王ダムに向かった。宝沢集落を過ぎると急に雪が多くなる。朝早いためにまだ除雪がされていないようだった。この積雪のため不動沢から先には車が進めなかった。駐車地点からは一路、蔵王温泉スキー場の黒姫ゲレンデに向かった。今日はリフトとゴンドラを乗り継ぎ、お地蔵様から蔵王ダムへと滑り込む安直ツアーである。

 黒姫ゲレンデは風雪のためリフトが1基しか動いていなかった。それも動いているのは短い方で、このリフトトップからゴンドラ乗り場へはリフト一本分を歩いて登らなければならなかった。久しぶりの柴田氏は、このゲレンデをシールも貼らずに猛然といったスピードで登って行く。2カ月のブランクなどどこにも感じさせない柴田氏の様子をみてみな唖然としている。

 ゴンドラを降りると地蔵山頂は風雪であった。山頂駅で登山届けを提出し、僕たちは十分に身を固めて外に飛び出した。お地蔵様に安全祈願を終えれば長居は無用である。すぐにお地蔵様の裏手から東斜面へと降りて行く。ここは沢状のため風が幾分和らいだものの、今日の風雪は並みではなかった。ときどき視界を遮るほどの風が舞う。天候は大荒れだった。さらに昨日の積雪は最近にない豪雪といってもよいほどで、久しぶりの下りラッセルの始まりだった。場所によっては膝上ラッセルだ。視界もないものだから凹凸がわからずところどころで転倒するものが続出した。

 下りラッセルは延々と続いた。積雪が例年よりも多いために周りの景観さえ違うように見える。地形図入りの高価なGPSを持参するメンバーもいたのだが、それにもかかわらずいつのまにかルートをはずしてしまう始末だった。まるで迷い尾根である。右へ左へとトラバースが忙しい。普段ならば歓喜に涙するほどのパウダーなのだが多すぎるというのも全く困りものである。快適なブナ林もなかなかスピードに乗ることができず、結局消化不良気味のまま雨量計へと到着した。

 すでに正午をおおきく回っていてみなシャリバテ気味のようだった。風はかなり治まってきていたものの、今度は雪が降りだし始めている。稜線は真っ黒い雲に覆われていて大荒れは一向に治まる気配はなさそうだった。みんなロボット小屋の軒下に潜り込み大休止となる。穏やかな空模様となるはずだったが、天候が快復する兆しはみられない。風を凌ぎながらの昼食は結構寒くて、楽しみの休憩も30分ほどで切り上げなければならなかった。

 鍋倉不動を過ぎるとルートはほとんど登山道沿いとなる。コースは迷いようがないのだが、勾配があまりないだけに、ここからも積雪が多すぎてスキーは一向に走らなかった。トップは終始ラッセルを続け、その出来上がった深溝をまるでボブスレーコースのように後続たちはスキーで走るといったあんばいである。尾根の右手に移る辺りからようやくスキーが走り出したが、残念ながらそこから登山口まではまもなくだった。

 雁戸山の登山口へと降り立つとそこからは蔵王ダムを半周するように林道が続いている。ダム手前のトンネルまではしばらくシール登行だ。蔵王ダムから振り返るといつも山並みの奥にそびえる雁戸山も今日は雲に隠れて見えなかった。

 蔵王ダムの管理所から駐車地点までの距離は約4km。幸いにここは除雪がされていたためラッセルの必要はなかった。皮肉にも今日一番スキーが走ったのはこの最後の区間である。今日はショートカットとなったため、ツアーは短時間で終了するだろうと予想していたのだが、冬山はそんなに甘くはないものである。駐車地点に到着する頃には午後も4時近くとなっていて、はやくも夕暮れが目前に迫っていた。

 


コース概要と軌跡


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