山 行 記 録

【平成21年1月12日/吾妻連峰 土湯〜高山下り



快適なシール登高が続く



【メンバー】8名(上野、山中、菊池、工藤、大場、蒲生)※西川山岳会+ゲスト(阿部わ、花輪)
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】高山1804.8m
【地形図】(2.5万)土湯温泉、(20万)福島
【天候】晴れ後雪
【温泉】土湯温泉「錦滝旅館」500円
【参考タイム】
土湯温泉男沼駐車スペース8:00〜高山登山口9:00〜1250m尾根10:30〜高山13:00-13:20〜1250m尾根14:20〜高山登山口14:50〜男沼駐車スペース15:30

【概要】
 およそ1年ぶりの高山下り。以前だと高湯温泉から一切経山を越えての高山下りというのがクラシックルートなのだが、あづまスキー場が閉鎖された今では、 手っ取り早く土湯温泉から高山の上り下りがツアールートとしてすでに定着しているようにも見える。昨年の僕たちのツアーがあまりに快適だったため今年も同 様の計画となったものである。今回のコースは登山口までの林道歩きに加え、また登りの標高差が1200m近くあるため昨年は登りに6時間を要している。こ んなことから幹事役の2名だけで決行しようと思っていた。しかし、いざ集合してみたら総勢8名にもなってしまい、いささか動揺気味の上野氏と僕であった。 集合場所のコンビニからは3台に分乗して登山口に向かった。途中で大場さんの車が出だしからパンクするというアクシデントが発生したりしたものの、幸いに それほどの支障もなく全員無事に男沼への駐車場へと到着した。

 林道を歩き出してみると昨日のトレースが一人分残っていた。また今日の先行者も一人いるようであり、昨年のような猛ラッセルの必要はなさそうだった。林 道はいつものように適当にショートカットしながら、およそ1時間で夏道の登山口に到着する。ここからは結構積雪があって下りの楽しみが増すところだ。ト レースに沿って順調に高度を稼いでゆくと透き通るような青空が広がり、まるで春山を思わせるまぶしい日射しが降り注いだ。ついには暑さに耐えきれなくな り、ジャケットを早々と脱ぎ捨てなければならなかった。今日は予想以上の好天であった。

 1025mピークをいつものようにトラバースしてゆくとまもなく雑木林の疎林帯となる。ここはラッセルしていても実に気持ちの良い区間だ。林間に陽射しが降り注ぐとまぶしいほどに雪面が煌めいた。1250mのヤセ尾根には歩き出しから2時間30分で到着した。

 ヤセ尾根からも快適な登りが続いた。ラッセルといっても昨日の若女平のような猛ラッセルとはほど遠く、せい ぜい20センチ程度しか沈まない。まもなく山頂直下の急斜面となると徐々にみんなの足並みも不揃いになってくる。かくいう僕も両足が攣りそうなほど疲れを 感じていた。久しぶりの長丁場なのだからしかたがないが、登り甲斐のあるコースなのだとあらためて思う。まもなく二本松市内や箕輪山が眼下となると、かな り高度が上がってきたのを実感できるところだ。途中何回かの休憩をはさみながらいよいよ山頂が近づいていた。

 高山の山頂にはちょうど5時間で到着した。昨年よりも1時間早い計算だ。みんなの足並みがそろっていること と、深いラッセルがなかったことが大きい。山頂では強風が流れていたものの、この時期にしてみればまだ微風に近いはずである。山頂からは東吾妻山や一切経 山が見えた。せっかくなので三角点を踏んでこようと潅木帯に進んでみた。もちろん標柱は雪に埋もれているのでGPSによる確認だけである。記念撮影をすま せばお待ちかね。風の少ない場所を選んで昼食休憩となる。長丁場を耐えてきただけに今日の昼食はことのほか待ち遠しいものだった。

 崩れる気配など微塵もなかった空模様だったか、休んでいる間に少しずつ変化しはじめていた。山の天候はなか なか長続きしないようである。気温が急速に下がり始めると山頂は瞬く間に風雪模様につつまれてしまった。のんびりしている場合ではない。この天候の急変に より急いで下ることにした。幸いこのコースはほとんど樹林帯なのでそれほどの不安はない。多くの樹木はまさしく自然の防風林となって僕たちを守ってくれる のである。一方では8名もの人間がバラバラに散ってしまえばはぐれてしまう恐れもあって、途中からトップと最後尾に無線所持者を配置してところどころで落 ち合うことにした。晴れていれば右へ左へと自由自在に滑降を楽しめるツアーコースなのだが今回はやむを得ない。ヤセ尾根までは全体を把握しながら下らなけ ればならなかった。

 さてヤセ尾根からが本日のメインゲレンデ。適度な勾配と最高の雪質にスキーは飛ぶように走った。天候の悪化 がかえって雪質を保ってくれたらしく、1025mピーク付近までは快適なパウダーランが続いた。鞍部までくればあとはスキーを安全に流すだけとなる。夏山 の登山口に降り立てばあとは林道をたどりながら駐車地点までまっしぐらだった。


男沼駐車スペースでいざ出発!


長い林道歩きから


まもなく1250mヤセ尾根


気持ちの良い樹林帯の登り


まるで春山


山頂に到着してホッと一息


三角点でパチリ


風雪の中を滑り出す



コース概要


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