山 行 記 録

【平成21年1月8日/南蔵王連峰 えぼしスキー場から後烏帽子岳



後烏帽子岳山頂(背景は屏風岳)



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】山スキー、冬山装備、日帰り
【山域】南蔵王連峰
【山名と標高】後烏帽子岳 1681m
【地形図】(2.5万)遠刈田、蔵王山、(20万)仙台
【天候】晴れ
【行程と参考タイム】
えぼしスキー場(1170m地点)10:30〜リフトトップ11:30(1350m)〜後烏帽子岳13:00-13:30〜えぼしスキー場15:50

【概要】
 今日はめずらしく高気圧に覆われると聞き、南蔵王の後烏帽子岳に登ってみることにした。冬の後烏帽子岳は初めてなのであくまで偵察を兼ねた山行である。 えぼしスキー場を利用すれば2時間もかからずに山頂を踏むことができるというので、好天にさえ恵まれればスノーハイキングの延長と考えられ無くもない。心 配は積雪だけだがこれだけは登ってみなければわからない。うまくスキーができれば良いのだが・・・。

 先日の前山ツアーで視界はほとんどなかったが、今日はその心配は無用だった。晴れたときの蔵王連峰は美し い。澄んだ冬の青空が広がっていて、まさしくスノーハイキングにふさわしい天候だ。リフト券売場で登山計画書を提出し、さっそくゴンドラとリフトに乗り込 んだ。しかし、初めてのところはいつも何かしら失敗というかアクシデントがつきものの僕。最後のリフトに乗ったつもりが途中でおろされてしまい唖然とす る。リフトトップに向かうのは左側のリフトで、右側のリフトは中間地点でおしまいだったのだ。つまりリフトは並んで2本あったのである。単なる乗り間違い なのだがよく確認もしなかった僕の完全なミス。結局40度もありそうな急勾配のコブ斜面をシールで登る羽目になり、当然ながらカミさんからはさんざんにぼ やかれてしまった。この余計な1時間の登りでカミさんはかなり疲れ果ててしまったようだ。山頂への意欲も萎えてしまったのはもっともだったが、そこをなん とか励ましながら気持ちを切り替えて山頂をめざすことにした。

 樹林帯に入ると登りのトレースとスキーのシュプールが一人分残っていた。その状況からするとその人は山頂か らすでに下山してきた後だった。ゲレンデとは違い樹林帯は気持ちの良いものだった。針葉樹に降り積もった新雪と抜けるような青空のコントラストが美しく、 日射しが降り注ぐと新雪がキラキラと輝いた。右手北側を見渡せば熊野岳や刈田岳、そして先週往復した聖山平が一望だった。そして雁戸山や大東岳などの山並 みが重畳と連なっている。熊野岳付近には雲が少しかかっていたが、刈田岳は山頂神社もはっきり見えるほどだった。聖山平に広がる樹海はまるで黒い絨毯のよ うにも見えた。通常、高度が上がれば立木は少なくなるものである。しかし山頂直下では逆に潅木類が混んできてしまい、登るにも一苦労しなければならなかっ た。

 ようやく山頂に到着したのは午後1時。山頂からは迫力ある屏風岳が正面に飛び込んでくる。その大雄々しく立 ちはだかるような様には圧倒されるようだ。カミさんはここまでの登りでかなり疲れたのか、食欲もあまりなさそうだった。それでも少し休んでいると元気を取 り戻したらしく、そんな様子をみて急いで下ることにした。西側からは薄雲が広がりだし、天候は早くも下り坂のようだった。

 さて楽しみにしていたスキー滑走だが、登りでさえその歩行に難儀したぐらいだから、下りの苦労は並大抵ではなかった。僕は少し広めの斜面を探そうと左へ 右へと移動するのだが、すぐにブッシュに行く手を遮られてしまい、二進も三進も立ち行かなくなる。おかげで何度も途中で立ち往生する羽目になってしまっ た。しょうがないのでスキーを担ぐことにした。最後の手段というわけだが、これは全く想定外の行動だった。

 斜度が緩み途中から積雪が増してくると、そこからはなんとかスキー滑走が可能となり、ここでようやく胸をなでおろすことができた。しかし、全般的に積雪 の少なさは否めなく消化不良の感じがつきまとう。難渋しながらもゲレンデに抜け出したときにはスキーヤーもまばらで、スキー場では早くも閉店時間が近づい ていた。


ゲレンデを登る


樹林帯を登る


山頂直下から望む刈田岳(左)と熊野岳(雲の中)


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