山 行 記 録

【平成20年11月24日/蔵王連峰 坊平高原〜お田ノ神避難小屋】



中丸山



【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】刈田岳1,758m(※お田ノ神避難小屋まで)
【地形図】(2.5万)蔵王山、(20万)仙台
【天候】晴れのち曇り
【参考タイム】
スキー場駐車場9:00〜第2リフト終点10:40〜お田ノ神避難小屋11:40-12:10〜駐車場12:40

【概要】
 約5ヶ月ぶりにスキーを車に詰め込んで蔵王へと出かけてみた。体調がいまひとつのため今日はあくまで足慣らしである。高気圧に覆われた県内は朝から青空が広がっていた。早くも平地では初雪があり、昨年以上ともいえるようなドカ雪が一気に降ってきた感じである。この降雪をみて蔵王温泉スキー場はこの連休からプレオープンしているが、ライザスキー場はというと車も人の姿も見当たらない。リフト取付もなされていないところをみるとオープンはかなり先のようであった。しかし、トレースもない手つかずのバージンスノーが一面に広がっているのだから山スキーヤーとしてはこんなにありがたい所はなかった。

 駐車場からシールを貼って登り始める。歩くと10〜20センチほどスキーが沈んだ。この久しぶりの雪の感触がうれしい。平地では昨日一日雨が降り続いたが山では雪になっていたらしかった。ペンションのものと思われる車には30〜40センチほどの新雪が積もっている。自宅を出るまではまだまだスキーの気分にはなれなかったものの、雪景色を見ただけで何の違和感もなくスキーモードに切り替わった。

 このライザスキー場からは手軽に蔵王の山スキーを楽しめるのだが、リフトを使った場合は滑りそのものはあまり楽しめない。山頂からは平坦部が多くてほとんど滑りにはならず、さらにゲレンデを滑るのでは山スキーの雰囲気とはほど遠いからである。その点、今日のようにリフトがまだ営業していない場合は、この一面のゲレンデがオフピステの斜面となるのだからうれしいものだ。急斜面に汗が流れたが下りの滑りを考えるとワクワクしてくるような期待感があった。

 まだ慣れないせいなのだろう。今日は少し登っただけで息が切れそうだった。いろいろと詰め込んできたザックが妙に重いせいなのかもしれない。それに今日は暑い陽射しが降り注いでいた。まるで春山か初夏のような陽射しなのだ。慣れない冬装備に身を固めたこともあって、汗がしたたかに流れると、かえって疲れるような感じがした。ついに我慢しきれなくなると、次々と衣服を脱ぎしまいには手袋も帽子もとってしまった。いつも思うことだが初滑りの時は結構レイヤリングひとつ取っても苦労しているような気がした。

 第2リフト終点を過ぎると笹薮が少し頭を出していた。いくら積雪は豊富でもヤブをすっかり覆い隠すまでには至っていないようだった。それでも昨年よりも積雪があるのが救いだ。それほど苦労せずに登って行くことが出来たのは幸いだった。振り返ると飯豊連峰や朝日連峰、そして月山や湯殿山などの山並みが一望だった。まもなくすると前方に熊野岳や刈田岳が現れるとお田ノ神避難小屋に到着する。ここまですでに3時間近い時間がかかっている。ラッセルをするわけでもなかったのに時間がかかっているのはやはり体調が思わしくないからだろう。途中では何回も立ち止まりながら呼吸を整えなければならなかった。

 小屋に入って早速ストーブに火を入れる。いつのまにか新しいストーブに更新されていた。もしかしたら私が初使いなのかもしれない、と思うほど少しも汚れを感じさせないものであった。汗でぬれてしまったものもこのストーブのおかげで休んでいる間に乾いてしまいそうである。こんなに山日和の天候なのに他には誰一人登ってくる人はいないようだった。

 30分ほどの休憩を終えて外に出てみると、先ほどまでの澄んだ青空はすでに消えてしまい、薄雲が空一面を覆っていた。午後から下り坂、という天気予報はやはり本当のようだった。いつのまにか陽射しまでもがなくなっている。刈田岳まで往復できれば、という当初の計画もこの天候の変化をみてあっさりと諦めることにした。3時間弱の登りで弱音を吐いてしまうのも情けなかったが、今日は足慣らしなのだと割り切ればいい。なによりも今日は手つかずのパウダーゲレンデを駐車場まで楽しめるのだ。スキーで滑る分は自分の足でしっかりと今日は稼いだのだと思うことにした。


ペンションと森


トレースを振り返る


輝く樹林帯


お田ノ神避難小屋と熊野岳


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