山 行 記 録

【平成20年11月8日/朝日連峰 山毛欅峠から鳥原山



雲が覆う大朝日岳(鳥原山から)



【メンバー】2名(伊藤、蒲生)
【山行形態】冬山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】鳥原山、1430m 
【地形図】(2.5万)太郎、朝日岳(20万)仙台、村上
【天候】晴れ時々曇り
【温泉】西村山郡朝日町 五百川温泉 150円
【参考タイム】
山毛欅峠8::30(標高700m)〜畑場峰9::30〜田代清水〜鳥原湿原10::30〜鳥原山山頂10::40〜鳥原小屋11::30-12::30〜畑場峰〜山毛欅峠14::00
  
【概要】
 山毛欅峠は、朝日町木川地区と大江町の古寺地区を結ぶ大規模林道の途中にある登山口である。コースは畑場峰で古寺鉱泉からの道と合流する。距離は山毛欅峠からのほうが30分ほどよけいに登らなければならないが、コースは変化に富んでいて結構楽しめるコースだ。今日は貴重な晴れ模様の予報が出ていて、山毛欅峠には朝から燦々と秋の日射しが降り注いでいた。反対側の尾根には陽光に輝くカラマツ林がひときわ目立ち、その鮮やかさにはびっくりするほどだ。周囲にはすっかり晩秋の雰囲気が漂っていたが、今日はこの貴重な晴れ間を利用して、久しぶりに友人と二人で鳥原山をめざすことにした。

 沢沿いの平坦な山道をしばらく進むと尾根への取り付きとなる。これまでの稼げなかった高度差を一気に取り戻すかのような急坂だ。ここからは見事なブナ林が続くところで夏場には見通しがほとんどないが、この時期となもなると全て落葉を終えていて、スカスカとなった登山道からは対岸の尾根さえもはっきりと見渡すことができる。夏山とは違いこの時期ならでは楽しみでもある。林間には晩秋とは思えないほどの眩しい陽射しが降り注いだが、吹き渡ってくる風は結構冷たい。友人の早いペースのおかげで1時間足らずで畑場峰に到着した。

 畑場峰からは再びなだらかな山道となりしばらくトラバース道が続く。途中の田代清水で喉を潤しひと登りすると鳥原湿原だ。夏には高山植物が咲き乱れる湿原もこの時期では枯れた草地と池塘だけがあるといった感じで、寂しい雰囲気だけが流れていた。

 鳥原山にはちょうど2時間で着いた。ここは小朝日岳や大朝日岳の大展望台だが、肝心の大朝日岳はというと、山頂付近だけが雲に隠れていてすっきりと姿を見せてはくれなかった。一週間前には全山真っ白だった大朝日岳も最近の好天続きで大分雪は融けてしまったようである。紅葉の時期はとっくに過ぎ去り、朝日連峰は冬を目前に控えた荒涼とした風景だけが際だち、まるで生気を失っているかのようでもある。せっかくの展望台だったが山頂を吹く風は冷たく、晴れるのを待つのも辛いので昼食は鳥原小屋でとることにした。

 ここまで誰とも出会わなかったが、鳥原小屋にも人の気配はなかった。しかし、2階に上がって二人でのんびりと昼食をとっていると、階下から人が入ってきた気配がした。まもなくすると大勢の話し声が聞こえ始め、静かな山小屋が急に賑わい始めたようだった。その人達は朝日山岳会の人達で、山小屋の冬支度のために大勢集まってきたようであった。広間には大きな鍋や大量の食器などを広げ、さっそく缶ビールを開けている人もいる。おそらく今年最後の山小屋で今夜は大いに盛り上がるのだろう。私達は少し羨ましさを感じながら1時間ほどで鳥原小屋を後にした。



晩秋の鳥原湿原


鳥原山山頂と小朝日岳


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