山 行 記 録

【平成20年10月19日/針生平〜蛇引尾根〜北大玉山



大朝日岳と平岩山(北大玉山から)



【メンバー】単独
【山行形態】秋山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】北大玉山1469m
【地形図】(2.5万)、(20万)
【天候】晴れ
【温泉】西置賜郡小国町五味沢 白い森交流センター「りふれ」500円
【参考タイム】
大石橋700〜角楢小屋830〜大玉沢出合吊橋940〜森林限界1100〜大玉山分岐1130〜北大玉山1140-1200〜大玉沢出合吊橋1300〜角楢小屋1340〜大石橋1430

【概要】
 今年はめずらしく秋晴れが続いている。前日の祝瓶山で疲れていたのだが、今日も快晴の予報が出ているので久しぶりに針生平に向かった。昨日の祝瓶山を反対側の小国から眺めてみようというわけである。体力が万全であれば日帰りで大朝日岳も可能なのだろうが、いまはとてもそんな気力はないので北大玉山まで行ければと決めている。紅葉の時期はどこを登っても楽しく、山を選ぶにも迷いそうである。

 針生平から蛇引尾根に登るのは何年振りなのだろう。ほとんど記憶にないほどだからかなり昔のような気がした。おかげで新鮮な感動を覚えながらの歩きが続いた。いつのまにか荒川にかかる白布橋の吊橋の下にはコンクリート製のブロックが川を横切る形で設置されていた。「潜り橋」と名付けられたこのブロックを利用すれば、危ないような一本吊橋を通らなくても対岸に渡れるようになっていた。

 しばらく懐かしさを味わいながら河岸段丘を歩いて行く。快適な山道なのだが一方では昨日の疲れが残っていて異様に足が重い。なかば両足を引きずるようにしながら荒川を横切って行く。カクナラ小屋付近で人の声が聞こえた。しかし登山者の姿は見当たらなく、もしかしたらキノコ採りの人達が山に入っているのかも知れなかった。3時間弱でようやく大玉沢出合の吊橋につく。ここまでで結構両足は疲れを感じていた。吊橋から対岸に渡れば急坂の始まりだ。ここは昨日の祝瓶山にも劣らないほどの勾配が連続する尾根である。登りはじめてすぐに止めようか、どうしようかと悩み始める。最近はだいぶ体力が落ちているのを思わないではいられない。

 ダマシダマシ高度をゆっくりと上げて行くと今まで緑が多かった樹木が急に色付き始めてくる。こうなると現金なもので足腰が少し楽になるようだった。紅葉に励まされながらやがて蛇引の清水に着く。紅葉はこの付近が今盛りを迎えているようである。水場を過ぎると枯れ葉が目立つようになった。樹林の間からは桧岩屋山や袖朝日岳がちらちらと見える。3月に山スキーで登ったルートなのだが、もうかなり昔のことのように思えてくるようだ。

 森林限界を抜け出すと急に風が強まった。気圧の谷でも通過しているような強風である。汗でビッショリだった体が一気に冷えてくるようだ。それでも疲れた体には心地よい秋の風である。見上げると目的の北大玉山が大きく前方にそびえ立っていた。しばらく小さなアップダウンを繰り返すと一気に北大玉山へと登り出す。途中で大玉山分岐点を通過。ここは野川の源流地点であり、すぐ向こう側は昨日登った登山口の祝瓶山荘である。

 北大玉山には吊橋からちょうど2時間で登りついた。ようやくたどり着いたといった疲れを全身に感じていた。それでもやはり山頂はいいものだ。眺める光景はやはりここに来てみないとわからない。祝瓶山は逆行気味でシルエットのようにしか見えなかったが、反対側を見れば平岩山が目前で、そのすぐ奥には大朝日岳から中岳、西朝日岳、袖朝日岳の稜線が連なっている。さらに西側には下越地方の山並みが重畳と広がっていて興味は尽きることがなかった。2週間も前にくれば燃えるような大玉山が楽しめたのだろうが、今はすっかり晩秋の雰囲気に包まれていた。もちろん人の姿は全くなく、心なしか少し寂しい風情も漂っているようである。私はこの静かな北大玉山の山頂で、今年最後になるかも知れない朝日連峰の山並みををしばらく眺めてから下界に戻ろうと考えていた。


大玉沢の吊橋


紅葉の山道


袖朝日岳


蛇引の清水


北大玉山目前


山頂から望む大玉山と祝瓶山


カクナラ小屋


大石橋


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