山 行 記 録

【平成20年10月18日/朝日連峰 祝瓶山荘〜祝瓶山



山頂直下を登る



【メンバー】6名(田中、伊藤、渡辺、清水、蒲生)+ゲスト1名
【山行形態】秋山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】祝瓶山 1417m
【地形図】(2.5万)祝瓶山、(20万)村上
【天候】快晴
【参考タイム】
祝瓶山荘7:50〜赤鼻尾根分岐〜祝瓶山山頂1130-1300〜祝瓶山荘1530

【概要】
 置賜地方は朝から濃霧に覆われていたが、長井ダムの工事現場付近で雲から抜け出してしまうと、上空は信じられないほどの快晴の空が広がった。山の会では毎回のように雨に祟られた一年だったが、こんな好天に恵まれるのは久しぶりである。三体山が前方に見えてくると新しい道路へと導かれる。この新しい道路は今月7日に開通したばかりだという付替道路で、急カーブの連続だった狭い道路も、合地沢までは快適な舗装道路へと生まれ変わっていた。さらにこのルート途上からは祝瓶山が見えるのである。従来は木地山ダムまで行かないと見えなかったのだから、これは非常に魅力的なドライブコースともいえそうである。

 祝瓶山荘周辺にはすっかり秋の風情が漂っていた。車は2、3台しかないのであまり混み合う様子は見られない。準備を整えて早速桑住平をめざして歩き出した。カクナラ沢の吊橋には11月8日に板が取り外されるとの警告文が貼られていた。ブナ林には朝の光が降り注ぎ、それはそれは目映いものであった。

 今日は雲ひとつ無い快晴。これまでの鬱憤を晴らしてくれて、なおも釣り銭がきそうなほどの好天であった。途中でキノコを拾いながらのんびりと最後尾を歩いて行く。カクナラ沢とヌルミ沢の渡渉点を過ぎると急坂の始まりだ。登るほどに際だつような紅葉となり、写真撮影も忙しくなる。またこの尾根道は急勾配が続くかわりに、ぐんぐんと高度を稼げるのが大きな魅力であり、まさに「天空を駆け登る」といった表現がぴったりの登路なのだ。標高が1000mを越えると右手後方に大朝日岳が忽然と見えてくる。前衛の大玉山もどっしりとしていて実に魅力的だ。急坂の連続に汗が流れたが、吹く風は爽やかで、眩しいほどの紅葉を愛でながらの山歩きは、これ以上はないほどの快適さを感じさせた。潅木帯を過ぎ草付きの岩場となると山頂はもう目前だ。岩場のトラバースを終えて岩稜帯を直登するとひょっこりと祝瓶山山頂に飛びだした。

 山頂からは見渡す限りの展望が広がっていた。少しぐらい雲が欲しいような、そんな贅沢な声も聞こえそうなほどの好天には文句の付けようもない。山頂には2、3人が休んでいるだけで、かなりの混雑振りを想定していた私達はすこし拍子抜けしたような気持ちであった。ちょうど昼時間でもありさっそく車座になっで大休止となる。途中で現地調達したキノコの味噌汁を作りながら、楽しい昼食時間の始まりだった。食後はそれぞれに昼寝を決め込んだ。こんなに山頂でのんびりとするのは久しぶりのような気がした。休んでいる間も登山者は入れ替わり立ち替わりでやってきたが、騒々しいほどの混み具合とはほど遠く、静かな山の時間が流れていた。

 帰路はめずらしく往路をそのまま下ることになった。体調が優れないメンバーもいて急いで下る必要があった。この直登コースは赤鼻尾根経由よりも1時間は早く山荘へと戻ることができるのだが、山頂直下の岩場だけは危険個所なので要注意だ。ここは潅木とロープを頼りにしながら慎重に降りて行く。往路は眩しい紅葉を楽しめたが、下りも同様であった。さらに陽が少し傾いたおかげで、山肌の陰影がさらに深みを増している。急いで下るのがもったいないほどの光景が続くのだから今日はこの好天に感謝しなければいけないようである。今年一番といえるような天候に恵まれて、さらに紅葉を目一杯楽しんだ一日がゆっくりと過ぎようとしていた。


登山口付近から


快適な尾根


御影森山を振り返る


山頂目前!


大朝日岳(山頂から)


山頂から急坂を下る


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