山 行 記 録

【平成20年10月5日/朝日連峰 ナカツル尾根〜大朝日岳



山頂直下から望む平岩山



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】大朝日岳1,870m
【地形図】(2.5万)、(20万)
【天候】晴れ
【温泉】西村山郡朝日町「いもがわ温泉」150円
【参考タイム】
 朝日鉱泉5:50〜出合8::00〜長命水9:20〜大朝日岳11:30-12:00〜長命水13:30〜出合〜朝日鉱泉16:00

【概要】
 今日は骨休めをする予定だったが、高気圧に覆われる予報を聞いて急遽朝日鉱泉へと向かった。ナカツル尾根は3年ぶりだった。そして大朝日岳は今年4回目となる。足の具合や体力を考えると途中敗退も覚悟しての朝日連峰だった。

 今日は朝日鉱泉には上がらずに林道途中から第一吊橋を渡った。昨日に続いて秋晴れを期待していたのだが、朝から山全体が濃霧につつまれていて日射しはなかった。そんな天候からか人の気配も感じられない。私は昨日の疲れが残っていて足どりが異様に重かった。意識してスローペースを維持することに専念する。時間と共に霧も晴れるだろうと、好天を期待しながら沢沿いの道を進んだ。予想外の曇天に気分は沈みがちだったが、陽射しがないぶんだけ涼しく、今日のような長丁場の場合にはちょうど良い天候ともいえそうであった。

 吊橋を4ヶ所渡ればそこは一合目、二俣の出合である。ここまで2時間10分。いつもよりもだいぶ時間がかかっている。出合からは急登の始まりとなる。ナカツル尾根は登り返しがないので好きなコースなのだが、それだけに山頂まで一直線に突き上げるような急勾配が続く。たちまちTシャツが汗でビッショリとなった。まもなく3合目850mの標識が道端に現れた。今日は高度計を忘れていて、かなり登ったはずだろうと思っていただけに、まだ1000mも登らなければならないのだと知り愕然とする。もうこの辺で今日の山は止めようかとさえ思う。しかし4合目である水場付近から紅葉の鮮やかさが際だってくると、少しずつ元気がでてくるようだった。

 この頃から薄日が射すようになり、湿度も低く山歩きには最適なコンディションともいえるほどだった。合目標識はその後もずっと続いた。6合目は1350m地点。ここは大朝日岳が望める格好の場所なのだが、あいにくガスに覆われていて展望はない。ガスが流れると美しい西側斜面がときどき眺められた。前方の色付いたカエデは目が覚めるほどの鮮やかさだ。この紅葉の美しさには体の疲れや膝の痛みも一瞬忘れるほどであった。特に霧に見え隠れする平岩山と紅葉の取り合わせは幻想的でさえあった。こんな光景にみとれながらゆっくりと登っていると大朝日岳はまもなくとなる。ガレ場ではマツムシソウ、イワウメが少しだけ残っていた。

 山頂には6時間近くかかってようやくたどり着いた。ガスの濃さは相変わらずだった。ときどき日射しがのぞく程度で視界はあまりないが、それでも平岩山から御影森山付近までは見渡すことができるので文句は言えない。雨が降らないだけ感謝しなければならないようだった。山頂では秋田からきたという、古寺鉱泉から登ってきた二人連れが休憩をとっているところだった。昨日の初冬を思わせるような南雁戸山とは違って、今日の大朝日岳山頂は過ごしやすい気温だった。私はしばらくおにぎりを食べながら一休みすることにした。

 休んでいる間にも天候は回復するだろうと思っていたのだが、期待に反して天候は悪くなる一方だった。ガスはますます濃さを増し、視界は山頂に到着したときよりもかえって無くなっていた。しょうがないので正午になったのを機に下山を開始することにした。秋田の二人連れは一足早めに下っていたが、その後もこの山頂へと登ってくる人は見当たらなかった。今日は不思議と登山者と出会わない日であった。紅葉の朝日連峰もナカツル尾根はあまり歩かれないのかも知れなかった。私はこんな静かな山歩きが出来るコースがやはり好きである。今度は快晴の日を狙って再び登れたらと思いながら山頂を後にした。


6合目(1350m地点)


長命水


水場から上部付近


山頂直下


山頂からの平岩山


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