山 行 記 録

【平成20年4月27日/猿倉〜七ツ釜避難小屋直下※悪天候撤退



猿倉コースを登る



【メンバー】西川山岳会6名(柴田、菊池、上野、荒谷、工藤、蒲生)+ゲスト(神田)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、春山装備、日帰り
【山域】鳥海山
【山名と標高】鳥海山(七高山2,230m)
【地形図】(2.5万)鳥海山、(20万)新庄
【天候】晴れのち雨、あられ
【参考コースタイム】
猿倉口駐車場10:20〜七ツ釜避難小屋手前撤退11:50〜猿倉口14:00
  
【概要】
 GW二日目。昨夜は猿倉口の駐車場にテントを設営し、宴会も遅くまで盛り上がった。下り坂だった空模様は、予報通り一晩中雨が降り続き、朝になっても止まなかった。昨日の千蛇谷で大分疲れたこともあり、当然ながら今日は停滞だろう思っていると、しばらくして雨は小降りとなり、ついには青空が広がりはじめてしまった。天気予報ではちょうど上空を低気圧が通過中らしかったが、低気圧の目玉に鳥海山が入ったようである。見上げる青空は疑似晴天のようにも見えたものの、晴れてさえいれば自然と体が動き出すのも道理である。雲の動きは早いので天候の悪化は早めにやってくるかも知れなかったが、今日はとりあえず行けるところまでとして慌ただしくもテン場を出発した。

 道端から路肩に上がり、シールを貼って猿倉コースに沿って登り始める。それにしても初めてのルートとはいいものだ。眺める風景が新鮮でワクワクするような期待感がある。小一時間もすると祓川駐車場と同じ高さまで上がり、右手を見渡すと祓川ヒュッテが遠方に小さく見えた。この頃からだろうか。徐々に風が強まり、知らず知らずのうちに小雨が体をたたきつけるようになっていた。登るに従って小雨は徐々に霙(みぞれ)に変わり、さらに霰(あられ)まで降ってくる始末だった。低気圧が通過して上空には確実に寒気が流入していることを示しているようだった。それでもしばらくは七ツ釜避難小屋までがんばろうとか、早めの撤退をしようとか意見が飛び交った。

 風雪はさらに激しさを増したために、まもなく撤退を決めた。そこは七ツ釜避難小屋まで残り700mもない地点だった。ほとんどホワイトアウト状態となっていて、体にはびっしりと氷が張り付いていた。それも霙混じりのために雨は体まで浸透してきていた。立ち止まっていると体がブルブルと震えがきそうだった。撤退と決まれば早い。シールをザックにしまい、一気に猿倉口をめざしての滑降となる。写真を撮ろうと一足先に上野氏が下って行ったが、その上野氏を振り切るかのように、みんな我先にと追い越してゆく。下るに従って雪は雨に変わってくるのでますます立ち止まってなどいられないといった様子だった。霰混じりの風雨が正面からぶつかってきて目も開けていられないほどなのだ。昨日はあまりに楽み過ぎたため、神様が嫉妬でもしているのだろうか。さながら厳冬期のような厳しい洗礼を受けているような気分だった。それでも短いながら、登ってきた分だけは滑ることができるのはうれしいものだ。広々とした猿倉コースはどこでも自由自在といった感じで、できれば晴れた日にこのコースを存分に楽しみたいものだと思った。まもなく登ってきた猿倉口が眼下に見えてくると今日の行程は終了となる。

 早めに下山したおかげでテント内では2時頃から宴会の始まりとなった。一方ではびしょ濡れとなったことから希望者だけが猿倉温泉まで下り汗を流してくるものもいた。そして温泉帰りのメンバーが大きな岩魚を携えて戻ってきた。それは先ほど下山していった上野氏が近くの沢で釣り上げたという40センチもあろうかという岩魚だった。わざわざ温泉まで届けてくれたとかで、さらには一升瓶の日本酒とセットであった。その岩魚はみんなで御馳走になり、最後は骨酒にして頂いたのはいうまでもない。それにしてもほんの4、5分の間に尺岩魚を釣り上げる上野氏はさすがプロの釣り師である。その夜は翌日の好天を期待しながらの宴会が時間を忘れ遅くまで続いた。


二日目の行程

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