山 行 記 録

【平成20年4月26日/祓川〜七高山〜鳥越川コース〜獅子ケ鼻




快晴の鳥海山(上野氏撮影)



【メンバー】西川山岳会7名(柴田、菊池、上野、荒谷、工藤、大場、蒲生)+ゲスト(神田)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、春山装備、日帰り
【山域】鳥海山
【山名と標高】鳥海山(七高山2,230m)
【地形図】(2.5万)鳥海山、(20万)村上
【天候】晴れ
【参考コースタイム】
祓川11:00〜七ツ釜避難小屋12:00〜七高山14:00〜獅子ケ鼻駐車場17:00

【概要】
 今年のGW前半は昨年に続き、鳥海山の麓に幕営しての定着型山行を楽しむことになった。祓川集合は午前8時。集まってみればいつものメンバーで、今回も楽しい鳥海山になりそうだった。当初は何の予定もなく、祓川に集合したのだが、突然、祓川から鳥海山を抜けて千蛇谷を滑り獅子ケ鼻に下ろうと云う計画が決定する。今日の好天をみて急遽持ち上がったものだ。車を鳥海山の反対側に回して再び祓川に戻るにはかなりの時間を要しそうだったが、こんな晴天を見逃す手はないだろうということである。鳥越川は4月はじめに滑っているので3週間振りの千蛇谷滑降となる。

 中島台までは結構な距離があって車を回すのに手間取ってしまったが、林道の雪はほとんどなくなっており、難なく獅子ケ鼻駐車場まで入って行けた。周囲のブナ林は輝くような新緑に満ち溢れすっかり春爛漫といった風情を漂わせていた。

 祓川出発は午前11時。ロングコースを考えれば遅すぎるような時間帯だったが、七高山さえ超えればあとは快適な千蛇谷が待っている。幸いに今日はピーカンともいえる快晴の空模様で、夕方まで天候の心配はなさそうだった。ジリジリとした陽射しが降り注ぐ中、日焼け止めをしっかりと塗って出発する。祓川ヒュッテから七ツ釜避難小屋までは約1時間ほどの行程だ。この時間帯ではさすがに我々が最後尾らしく、山頂からは次々とスキーヤーが滑り降りてくる。3月から好天が続いていたが、見渡す限りの豊富な積雪には見ているだけでうれしくなる。山頂直下は結構な急坂だがザラメ雪にシールもしっかりと効き、歩き出しからおよそ3時間で七高山に到着した。すでに多くのスキーヤーは滑り降りて行き、山頂には十人程度休んでいるだけだった。メンバー中では並外れた体力の持ち主であるはずの工藤氏が、今日は少し体調が悪いのか、驚いたことに山頂を目前にして引き返すなどといいだしたりした。しかし少し遅れ気味ながらなんとか登ってくるのを見てみんな一安心だった。

 千蛇谷に降りて行くには急斜面の岩場の通過がある。岩と氷のミックスなので慎重に一人づつ渡り、新山の直下へと進んで行けばそこはすでに千蛇谷の源頭部。一面に広がる大雪原は感激ものだ。時間はすでに午後2時を大きく回っているので長居は無用だった。全員がそろったところで一気に千蛇谷の滑降となる。時間が遅いためにモナカになるのを心配していたのだがそれも今回は無用である。ザラメ雪は至極快適このうえなく、気温が低くなった分だけ雪が腐っていないのだからスキーは飛ぶように走った。まるで糸が切れた凧のように、7人はそれぞれに広大なゲレンデに散って行った。

 心配していた工藤氏がやはり遅れ気味でときどき待たなければならなかったがどうにかこらえている様子だ。1カ月のブランクがあったとかで、久しぶりの強行コースに難儀しているのかもしれなかった。鳥越川コースは標高差が約1800mもある。これは想像以上の距離と高度感があって、いくら滑ってもまだまだ先が見えないというのがたまらない。天候は下り坂なのだがまだまだ崩れる兆しは見えなかった。稲倉岳が大きく正面に見えてくるとほぼ中間地点である。

 樹林帯に入るとさすがに3週間前とは様子が様変わりしていた。それでも雪が残っているだけで十分だろうと、ブナ林をあちらこちらへと滑りながら高度を下げて行く。獅子ケ鼻が近くなったところでついに雪が途切れ、そこからはスキーを引っ張ったり担いだりしなければならなかった。右往左往しながら夏道を探したがなかなかみつからなかった。ようやく急斜面に飛びだしたと思ったところが、そこは沢を二つほど先に進んだ地点だと知ってがっかりする。ここで本来のコースに戻るために時間を要してしまった。

 中島台の夏道を歩くのは初めてだった。木道がしっかりと整備されていて、またところどころには標識もある。まもなく日没が近づいているのか木道にはみんなの長い影が伸びているのが印象的だった。疲れた両足をひきづるようにしながら林道を歩いて行くと前方にようやく獅子ケ鼻駐車場が見えた。


今回のコース


七高山から千蛇谷へ


千蛇谷上部


千蛇谷


稲倉岳


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