山 行 記 録

【平成20年1月19日(土)/吾妻連峰 土湯〜高山下り】



今日はここまで



【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】高山1804m
【地形図】(2.5万)土湯温泉、(20万)福島
【天候】晴れ後小雪
【参考タイム】
土湯温泉男沼駐車スペース8:30〜栂森〜高山登山口10:30〜1025mピーク〜1250m尾根12:50-13:10〜登山口13:30〜栂森〜男沼駐車場15:00
  
【概要】
 高山下りは高湯温泉からの縦走が定番のルートだったが、あづまスキー場が閉鎖された今では少々困難なツアーコースとなってしまっている。今日は山形県内の天候が思わしくないので、以前からの懸案だった高山下りを目的に土湯温泉に向かった。

 男沼駐車スペースには8時過ぎに到着した。ここから先も林道が続いていたのだが、積雪もあるので無理はしないことにした。林道を進むとゲートがあり、ここから直進すれば高山の登山口だろうと何の疑問もなく歩いて行く。しかし見慣れない山並みが前方に現れてきて少し不安感が頭をよぎった。その陽光に白く輝く山巓はどうやら箕輪山のようだった。はて?このコース上からは見えないはずだが、と思いながらもしばらく歩き続けた。今日の春を思わせるような天候に心が少し浮き足立っていたのかもしれない。いくら歩き続けても当然ながら登山口には少しも近づくことはなかった。ルートが間違っていることは明らかだった。地形図を取り出してみると、林道の右手に聳えるピークはどうやら栂森のようだった。そこはもう引き返すのも億劫になるほどの地点であった。このまま林道を歩き続けてもどこに出るかわからないので方角を定め、栂森を越えてゆくことにして樹林帯に入った。積雪は結構あるのでヤブを漕ぐほどではなかったが、このルート修正のために結構な時間を要してしまった。

 見覚えのある高山の登山口まではちょうど2時間を要した。辺りはトレースもなくひっそりとしている。ここ数日、誰も入山した様子はないようだった。しかしこの短期間のあいだにもかなりの積雪があったようである。ここまでもラッセルの連続だったが、登山口からはさらにつらくなってゆくようだった。雲ひとつ無いような好天にもかかわらず、誰も追ってくる人はいないようだ。このコースはそうそう人が入ることはないのかも知れなかった。ルートミスに加え、予定外の山越えラッセルでいささか気持ちが萎えていたが、登山口から歩き出すと塞いでいた気持ちが徐々に持ち直してくるようだった。

 ルートさえ間違わなければあとは時間だけの問題だった。今日はちょうど靴高ぐらいのラッセルで、雪が軽いこともあってそう難儀なほどではない。しかし単独でのラッセルは、次第に運動不足の両足に負担がかかってゆくようだった。1025mピークの直下からはトラバース気味に次のピークをめざした。この付近ではさらに積雪が増したが、一方ではそれだけ下りの滑降が楽しみでもあって、むしろ喜びがどんどんと増して行くようでもある。やがて疎林帯となると傾斜がきつくなり、しばらくジグを切って行く。

 コースは尾根をたどるだけなので不安なところはない。何度も見慣れた風景はみんな懐かしいばかりである。しかし予想以上の積雪に時間をとられてしまい、ヤセ尾根もまだなのにまもなく正午になろうとしていた。登山口からは3時間程度で高山の山頂を踏める予定ではいたのだが、予想外に時間を要している。復路も同じルートを戻るつもりなので、タイムリミットを午後1時くらいと考えていた。今日は下りといっても安心はできないのだ。2時間半でどこまでゆけるか。ほとんど休まずに歩き続け、午後1時近くになって、ようやく1250mのヤセ尾根に登り着いた。

 ここからは割合平坦な尾根歩きを経て麦平。そして急斜面を登って高山の山頂のはずだったが、雲行きも怪しくなっているのをいいことに、今日はここまでとした。高山の山頂付近や箕輪山はすでに雪雲に覆われていて稜線さえもわからなくなっている。天候がまだもっている間に昼食を済ませて、ここからは早々に引き返したほうが良さそうだった。4時間半もかかったのだと思うと最初のルートミスが今更ながら痛かったが、ラッセルしてきた区間も結構な距離があって、下りの滑降が楽しみであった。

 下りは予想通りの快適な滑降が続いた。雪が軽いために深雪でもスキーは信じられないほど良く走った。樹林が混んでいるところも、自由自在にスキーが回転するので、技術が上がったような錯覚さえ感じるほどだった。しかし、登りで2時間半かかったところも、スキーで下れば20分しかかからなかった。あっというまに高山の登山口に戻ってしまい、今更ながらスキーの機動力には感心するばかりだった。

 登山口からはしばらく林道をたどった。林道のトップ付近からは下りとなり、途中から自分のトレースに接続するとスキーもよく走った。こうしてみるとルートミスもそんなに悪いものではない。よくいえばバリエーションルートを開拓したのだと考えればいいのである。いつのまにか降り出していた小雪は、男沼駐車スペースに付く頃には本格的な雪模様となっていた。


気持ちの良いラッセルが続く


ヤセ尾根に到着


快適、快適


自在なツリーランが続く


GPS軌跡

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