山 行 記 録

【平成20年1月14日(月)/吾妻連峰 デコ平〜二十日平】



西吾妻山を滑る筆者(上野氏撮影)



【メンバー】2名(上野、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】西大巓1981m、西吾妻山2035m
【地形図 1/25000】天元台、吾妻山
【天候】曇り時々晴れ
【行程と参考コースタイム】
グランデコスキー場リフト終点9:40〜西大巓11:10〜東斜面滑降〜中ノ沢源頭部〜西吾妻小屋〜西吾妻山13:00〜二十日平14:30〜渡渉点14:50〜グランデコスキー場15:30

【概要】
 この週末は厳しい冷え込みが続いた。昨日は平地でも猛吹雪のため、山ではさらに積雪が増したことだろう。一週間前はまだどこにも氷がみられなかった裏磐梯の檜原湖も一気に氷結してしまい、今日は湖のあちらこちらでワカサギ釣りが始まっていた。連休最終日の今日は、今シーズン3回目となるデコ平からの西大顛である。今回は積雪も十分なので二十日平のツアーコースを滑る予定で上野さんとグランデコスキー場に向かった。上野さんは前日にも二岐山で山スキーだったというから、並大抵の体力の持ち主ではない。私は少し風邪をひいてしまい2日間寝てばかりいたので少々運動不足気味であった。

 今日は猛吹雪の翌日とあって眺める風景がとても美しい。樹氷の成長具合はほぼ完璧といっていいほどで、久しぶりの厳冬期らしい景観に感激する。グランデコスキー場からは、例によってゴンドラとリフトを乗り継ぎ、リフトトップからはシール登高となる。リフト終点からはすでに二人分のトレースがあり今日は楽勝のようであった。

 西大巓の山頂へは1時間30分ほどで到着した。山頂には2人の先客が休憩中だった。今日は私達とこのグループだけの貸し切りと思えるくらい静かな山頂である。なにはとりあえず楽しみにしていた東斜面を覗き込むと、そこは以前よりもさらに積雪は増しており、強風に均されたスロープはまさしく垂涎ものである。先客の二人は、初め滑るのを躊躇っていたようだが、ラッセルのお礼も込めて先を譲った。そして誰もいない東斜面のスロープに飛び込むと、二人は快哉をあげながら瞬く間に見えなくなってしまった。我々も早々にシールをはがして斜面へと飛び込んで行く。この浮遊感みなぎる快感をどう表現すればいいのだろうか。吹けば飛ぶような軽いパウダーにはスキーの滑降技術もなにもいらないほどだ。私たちは先日と同様に中ノ沢源頭部まで一気に下りてゆき、そこで昼食兼の大休止をとった。上空は薄雲に覆われていたが、ときどきまぶしいほどの陽射しが降り注いだ。今日もこの西大顛の東面には期待を裏切られることがなかったことに感謝した。

 休憩後は源頭部から少し登り、西吾妻小屋へトラバース気味に西吾妻山へと向かった。このころになると濃霧に視界が効かなくなっていたが、それでも悪天候というほどではない。風はいたって穏やかであり、斜度が落ちると左手にはうっすらと西吾妻小屋が見えた。しかし、さすがにこの天候では人の気配はなかった。

 西吾妻山の山頂で記念の写真を撮り、ここからはいよいよ二十日平へのツアーコースだ。山頂からは東斜面の快適パウダーをしばらく堪能する。ほどなく中津川源頭部の急斜面となり、そこからはすごいラッセルとなる。沢底へと滑り降りて行きたい誘惑を抑えつつ、無理はせずに樹林帯へと方向転換だ。前日の猛吹雪によって大量の積雪に覆われた南斜面は、快適な樹氷のツリーランの始まりであった。滑降し始めると立ち止まるのを躊躇うほどの快適さに酔いしれる。スプレーが舞い上がっては粉雪が全身に降りかかった。普段ならばところどころで休むところも、疲れも感じないほどの雪質に、私達は一気に平坦部まで下った。

 しばらく深雪をラッセルしてゆけば、眼下には早くも二十日平が見えてくる。この区間も斜度が緩やかなのにスキーはよく走り、右へ左へと自由自在だった。その快適な滑降も二十日平までくればもう終点が近い。時間は山頂からまだ1時間半しか経っていない。こんなに短時間に下った二十日平は記憶になかった。このコースの最後は中ノ沢を横断してツアーが完了する。心配していた渡渉箇所はまだ完全には埋まりきっていなかったものの、スキーを使えば何の問題もなかった。対岸はすでにデコ平スキー場の一角である。ゲレンデに飛び出すとあとはスキーセンターめざして下るだけだった。



樹氷群を登る(上野さん撮影)


コースマップ


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