山 行 記 録

【平成19年10月20日(土)/青麻山】



青麻山に向かう



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】青麻山(あおそやま)799.9m、あけら山(あけらやま)810m
【地形図】(2.5万)遠刈田、(20万)仙台
【天候】晴れ
【参考タイム】
無線中継所9:00〜青麻山10:20〜あけら山往復〜青麻山11:20〜無線中継所12:10 

【概要】
 蔵王連峰の東方に位置する青麻山は、西方に並ぶあけら山とともに双耳峰をなしている秀麗なピークである。あけら山は青麻山よりも10mほど高い。青麻山は堂々としており、その山容は蔵王連峰と見まがうほどで、蔵王の刈田岳の名称がおこる以前は、大刈田山とも呼ばれていたという。昔から信仰の対象とされ、東西に長く裾野をひいたこの秀麗な山は、文化2年、江戸で発刊された「名山図譜」にも谷文晃によって描かれているという。もちろん山頂には三等三角点が設置されている山である。

 青麻山は4年ぶりに登る。山形では荒れ模様のため、今回はカミさんと晴れそうな青麻山を登ることにして一路、白石市に向かった。二井宿峠を抜けると澄んだ青空が広がり、山形との天候の違いには今更ながらあきれるほどだった。白石市から国道4号線を北上し、蔵王町の宮中学校から細い農道を進む。曲がり角には「青麻山遊歩道」の標識があるものの、林道が入り乱れているので登山口までは少々わかりずらい。林道の終点付近まで進んだ小高いところに立つ無線中継所が登山口であった。

 車は一台もないのでこの無線中継所に車を停めた。一時的な冬型のためにある程度の寒さを覚悟してきたのだが、意外と気温は高くて上空は快晴だった。正面には青麻山がそびえ立ち、左手にも小高い山がいくつか見える。無線中継所からはいったん鞍部まで下って、雑木林の中を登り返す。夏場には様々な花が咲き乱れるところらしいのだが、この時期ではオヤマリンドウがわずかに咲いているだけである。左手は雑木林が伐採され、見晴らしは最高に良い。気持ちの良い里山という雰囲気だが、徐々に勾配がきつくなるとため息がもれてくるようになり、全身から汗が噴き出していた。

 青麻山の山腹を左から回り込みながら雑木林の中を登って行くと急に視界が開けてくる。ここには大きな岩があり見晴台となっているところだ。前回は薄曇りで見えなかった山々も、岩の上からは南蔵王が一望であった。青麻山の山頂はそこからまもなくだった。青麻山は東側からの展望が開けていて、白石市の街並みや仙台湾まで見渡せた。石の祠と狛犬があるだけの広々とした山頂は、なんとなく公園の高台という感じがしないでもない。まだ時間が早いせいなのか、山頂には誰も見当たらなかった。いくぶん早い昼食を澄ませると、私だけ西方に聳えるあけら山まで急いで往復してくることにした。

 青麻山から鞍部までは110mほど下り、同じだけの登り返しもあるのだが、その距離は思ったほどではない。ほとんど小走りだったためか15分ほどであけら山に着いてしまった。展望がないのはわかっているので、ここでは石の祠と標識を確認しただけで元の道を引き返した。

 青麻山に戻ると妻は一人の登山者と話をしているところだった。その人は地元の人らしく、タオルだけをもって他には何も持っていない。なんとなくちょっと散歩にきたという出で立ちであった。下山を始めるとまもなく2人、3人と登山者が登ってくる。中には明らかに山の恵みを戴きに登ってきたと思われる人達もいた。キノコはほとんど無い山だと聞いているのでたぶんアケビなどが目的なのかもしれなかった。周りを見渡すとアケビのツルがいたるところにはびこっていた。

 登りでは散々汗を搾り取られた急坂も下りとなると早い。ブナやナラの樹林帯から赤松が目立つようになると無線中継所はまもなくだ。振り返ると往路よりも澄んだ青空が一面に広がっていた。まだ紅葉には早いこの青麻山もどちらかというち冬枯れの風景が似合いそうな山である。これからの季節にはお気軽な冬山ハイキングが楽しめる山として、大いに賑わうだろうと思いながら登山口をめざして下った。


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