山 行 記 録

【平成19年4月30日(月)/姥沢〜月山〜弥陀ヶ原〜北月山スキー場



北月山コース途上で



【日程】平成19年4月30日(月)
【メンバー】西川山岳会4名(柴田、山中、安達、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、春山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】月山 1984m
【地形図】(2.5万)月山、立谷沢、(20万)仙台
【天候】快晴
【温泉】北月山荘 350円
【行程と参考コースタイム】
北月山荘(車)=姥沢駐車場
 姥沢(リフト)月山リフト終点840〜牛首10:50-11:00〜月山頂上小屋1020-1100〜仏生池小屋1105〜月山八合目1120-1210〜1111m峰〜コル〜983m峰〜三角峰〜鶴巻池1420〜北月山荘1500
  
【概要】
 久しぶりの北月山コースである。この北月山コースはロングコースだが、ほとんど平地まで降りて行くだけに、快適に滑ることが出来るのは、例年だと4月の第1週が適期とされている。ところがすでに明日はもう5月というこの時期に、いったい北月山荘付近はどんな状況だろうかという不安を抱きながらの決行となった。いわば半分、ヤブ漕ぎを覚悟の北月山である。

 国道112号から志津温泉を過ぎると、まもなく山岳会の安達氏を拾い、今日のメンバーは結局4名となった。こんな好天の時は一人でも多い方が楽しい。今日も昨日にも増して楽しい一日になりそうだった。GW前半戦の最終日ということもあって、姥沢駐車場はいたって静かだった。リフト終点を見渡してもスキーヤーが意外と少なく、もう遠方からの来客はすでにUターンに入っているのかも知れなかった。

 昨日の鳥海山からみれば強風は治まっていたのだが、それでも金姥からは風が強くアウターは必携だった。牛首で小休止をとり、山頂への急斜面を一気に登って行くと月山山頂に到着となる。GWの月山は久しぶりだったが、積雪は例年よりもかなり多いのに驚く。普段であれば神社付近には雪はとっくにないのだが、その月山神社もまだ雪に埋もれていて、屋根もほんの一部しか出ていなかった。

 月山神社の屋根の上から滑走開始となるのがこの北月山コースである。軽く行動食をとり、さっそくコースを見渡せば、まだまだ多くの積雪に覆われた月山の北斜面が眼下に広がっていた。シールをはずせば後は用はない。ザックにしっかりとしまおう。そして思い思いに広大な北斜面に飛び込めば、ウソのように風はなくなってゆく。雪質は程良く柔らかくなっていて、テレマークスキーにも快適な斜面が延々と続いた。後ろを振り返っても下ってくる人は他には見当たらず、今日の北月山コースは我々だけの貸し切りのようだった。

 今日のあまりの快適さには言葉も出てこない。たちまち仏生池小屋に着いてしまい、スキーの機動力をあらためて思った。かなりの距離を滑ってきたにもかかわらず、山頂からはまだ5分しか経っていないのだ。山頂はすでに遥かかなたに遠ざかり、姿、形も見えなくなっていた。このままではあまりに早く着いてしまいそうな心配もでてきたため、
月山八合目では時間調整と称して、昼寝をしたり軟水を呑んだりしながらのんびりと大休止となった。

 月山八合目からも積雪は豊富で、さすが豪雪の月山、といえるほどの光景が続いた。やがて少しずつだが尾根は狭くなって行く。途中で大きなクラックがあり、柴田氏と山中氏はジャンプして乗り越えて行く。しかし、ヤセ尾根上に加えて、クラックが1m以上もあるのを見てしまった私は気持ちが一気に萎えてしまって、ここは安全にとばかり、安達氏とともに坪足で迂回してゆく。ところがスキーを対岸に突き刺そうと投げてやったところ、狙ったようにクラックの中へ落ちてゆく。それを拾うためにもまたたいへんだった。ザイルで安達氏に確保してもらいながら、クラックから拾ったりして、ここでは思わぬ無駄な時間を浪費した。安達氏は安達氏でスキー一本が情け容赦なく一人旅を続けて行き、斜面を駆け下りていった。幸いに降りていって見ると崖地の一歩手前で雪面に突き刺さっていたため、かろうじて難を逃れた形となり、二人で胸をなでおろした。

 4人が再び合流してからはしばらく快適に滑っていったのだが、鶴巻池が近づくにつれて周りの木々も徐々に混んで行く。しかし、思いのほか、雪がつながっていたのは幸いというべきだろう。鶴巻池のほとんど終点まで雪面は残っていたのだ。里の雪はほとんど消えたとはいえ、山にはまだまだ大量の積雪が残っていたためである。もう翌日か翌々日には解け出すような量の雪面だったが、これだけでも下って行けるのだからスキーはありがたい。鶴巻池の数メートル上部でスキーを担ぎ、少し下ればそこは鶴巻池のキャンプ場だった。キャンプ場の一角にはミズバショウが咲きはじめていて、すっかり春景色となっていたが、人の姿はまださっぱりで、ここにはようやく春が訪れたような雰囲気が漂っていた。

 北月山荘スキー場の上部からはショートカットしながら北月山荘をめざしてゆく。しかし、ここは最後のヤブ漕ぎを強いられてしまい、担いだスキーが障害となって、派手に宙返りをしたりしてしまった。それでも無事に北月山荘に到着すれば、GW3日間の楽しい締めくくりとなった。北月山荘では豊富に溢れ出る掛け流しの温泉に浸り、この三日間の汗を流してから西川町へと向かった。


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