山 行 記 録

平成19年3月4日(日)船形連峰 升沢口〜船形山〜蛇ケ岳



三光ノ宮を過ぎると船形山が正面に


【日程】平成19年3月4日(日)
【メンバー】6名(柴田、荒谷、丹野、山中、上野、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】船形連峰
【山名と標高】船形山 1500m、蛇ケ岳 1400m
【地形図】(2万五千)船形山、升沢 (二十万)仙台
【天候】曇り
【温泉】宮城県泉区根白石新坂上 「明日の湯温泉」500円
【行程と参考コースタイム】
自宅5:00=関沢IC=(東北道)=大和IC=升沢=宮城県内水面水産試験場7:15

宮城県内水面水産試験場(升沢口)7:40〜三光ノ宮9:25〜升沢小屋10:10〜船形山11:10(昼食)12:10発〜蛇ケ岳13:00〜三光ノ宮〜内水面水産試験場14:30

【概要】
 船形山は山形県では御所山とも呼ばれている大きな山塊で、前船形山、蛇ケ岳、三峰山などと共に連峰を形成している。升沢口からの船形山は5年ぶりになる。天候は事前の予報に反して曇り空が広がっていたが、それでも降水確率はゼロなので雨の心配はなさそうだった。除雪終了地点となっている内水面試験場前にはすでに多くの車がとまっていて、メンバーも全員到着して私が来るのを待っていたようだった。我々が準備している間にも次々と車はやってきていて、今日は曇天にもかかわらず山は大にぎわいになりそうな気配だった。

 30番のプレートから急坂を上ってゆくのがこのコースの取付となる。ここは山頂の1番を終点にしてこの番号プレートがルートに沿って設置されているので、コース的にはわかりやすいのだが、昨年は道迷いによる女性の遭難死亡事故も発生しているから悪天候時には要注意のルートでもある。

 今日は地元の荒谷氏が案内役だが、最初からペースがかなり速く、寝不足気味の私は後ろをついて行くのがやっとだった。後続もみな息を弾ませながらのシール登高が続いた。18番前後は美しいブナ林が続くところで、やがて三光ノ宮が近くなると前方には真っ白い雪に覆われた船形山が現れる。その神々しさには以前にも感動したのだが、今回もそれは変わりがなかった。惜しむらくはもう少し晴れていればと思わないでもなかったが、雨が降られないだけ感謝しなければならないようだった。遠方にどっしりと構えている白い船形山はどこか異質の空間に横たわっているような不思議な景観をみているようでもある。しかし、一方ではこの船形山まではまだまだ遠いなあとも思わずにはいられなかった。

 三光ノ宮からはいったん下って蛇ケ岳の裾野をトラバース気味に巻いてゆくとやがて前方に升沢避難小屋が現れる。この升沢小屋はいつのまにか新しくなっていて、一見ログハウスのような雰囲気をもった山小屋へと生まれ変わっていた。前回は多くの雪に埋もれて屋根の一部分だけが出ているだけだったのだが、今年は基礎の部分まではっきりとわかるほどまでに雪解けが進んでいる。それほど今年は雪が少ないのだろうとあらためて驚くばかりだった。

 升沢小屋からは右手の尾根沿いに山頂をめざしてゆく。登るほどに少し風がでてきたものの、ほとんど無風といってもよいような天候で、アウターを羽織ったせいもあって、私は再び汗が噴き出してきた。急坂を登り切るとそこからはもう無木立の荒涼とした大斜面となり、船形山の避難小屋まではもうまもなくとなる。

 船形山までの所要時間は3時間30分。夏道の所要時間よりも早い到着にみんなが驚いている。メンバーの体調が良好だったということもあるのだろうが、何しろ今日はペースメーカーのガイドが早すぎたようだった。山頂に立つと、西側には山形県の黒伏山、白森山、柴倉山などの見慣れた山並みが連なり、蔵王連峰や村山葉山、そして、東には遠く栗駒山などの大展望が広がっている。しかし、鳥海山は残念ながらガスに隠れていてわからなかった。

 避難小屋の中は全部で16名ほどにもなり、ほぼ満員という状況となった。何はなくともとりあえず乾杯となり、私はコーラで乾いた喉を潤した。昼食はいつものカップラーメンだったが、疲れた体にはとても美味しい。山小屋では地元の人達と他愛のない山話で盛り上がり、1時間ほどの時間もあっというまに過ぎていった。

 山頂の小屋からは蛇ケ岳への稜線沿いに進んでゆく。ひときわ高いピークからはみんな思い思いに滑降を楽しんだ。鞍部からは蛇ケ岳への登り返しとなり、そこからはシールを貼らずにロープで引っ張ってゆく。鞍部から蛇ケ岳まではわずかな標高差だが、スキーを担いだり、シールを張り直したりするよりははるかに楽なのである。

 鞍部からはひと登りで蛇ケ岳の山頂へと登り着く。ここの標高は1400mと船形山よりはちょうど100m低いだけだが、初めて踏む山頂だけに、ここからの展望は素晴らしかった。後白髭山から定義温泉へと連なる山々は奥が深く、未知の領域がどこまでも広がっているようにも見える。ここもいつかは歩いてみたいと考えてからもう何年も経っているところだった。

 蛇ケ岳からはもう登り返しはほとんどないので、晴れ晴れとした気分で滑降を楽しんでゆく。しかし、雪はすでに腐れ雪となっていて、その重さに足を取られて何回か転倒したりするのも続出した。まもなく先行していたグループに追いついて、そこからは抜きつ抜かれつしながら、それでいて和やかな雰囲気のまま三光ノ宮へと下りていった。

 三光ノ宮からもほとんど尾根伝いにコースをとる。登りで苦労したところもスキーならばあっという間に高度が下がってゆく。途中でワカンの団体達を追い越してゆき、快適に滑ってゆくとまもなく30番の最後のプレートが近づいていた。蛇ケ岳を回る大きな周回コースを無事に終えて春のような一日が終わろうとしていた。


升沢小屋と船形山


船形山から蛇ケ岳へと向かう


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