山 行 記 録

【平成18年10月15日(日)/徳網山



徳網山山頂(左奥は祝瓶山)



【日程】平成18年10月15日(日)
【メンバー】3名(清水、東海林、蒲生)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰周辺
【山名と標高】 徳網山(とくあみやま)787.5m
【地形図 1/25000】徳網
【天候】晴れ
【温泉】西置賜郡小国町「白い森交流センターりふれ」無料
【行程と参考コースタイム】
徳網山登山口8:45〜〜徳網山(昼食)10:30-11:50〜徳網山登山口12:50

【概要】
 徳網山は山形県の西置賜郡小国町の北西部に位置し、五味沢地区のさらに奥の集落である、樋倉地区のすぐ裏手に聳える山である。この徳網山とはちょうど荒川をはさんで白太郎山や祝瓶山が対峙しており、以前から「知る人ぞ知る眺望の素晴らしい山」として地元の住民には登られていた山だったが、昨年の9月に徳網山への登山道が新しく切り開かれたものである。昨年は妻と一緒に紅葉の徳網山を楽しんだが、今年は昨年からみると一ヶ月ほど早い再訪となった。

 今日は
朝から濃い霧に覆われていて、「白い森交流センターりふれ」から眺めても徳網山は全く見えなかった。しかし、宿を出る頃から雲が切れだしてきて、登山口に着いたときには、昨日の祝瓶山と同様に目の覚めるような青空が上空に広がっていた。こんな好天にもかかわらず、駐車場には車が一台も見当たらないのが不思議だった。この時間であれば私達の貸切になるのかも知れないなと思いながら、準備を済ませると私達は登山道に入って行く。登山口にはいつのまにか「徳網山歩道を守る会」によるりっぱな案内図の看板が立てられてあり、そこには簡単な略図とともに山の特徴が記載されてあって、コースの全体像がよくわかるようになっていた。

 杉林の急な山道を登ると斜度が緩くなり、周りはミズナラやブナの雑木林となる。雑木林は鬱蒼としているものの、強い日差しが林間に降り注いでいて、実に明るい雰囲気に満ちている。今日はほとんどハイキング気分なので、途中では栗拾いやキノコ探しをしながら登った。木々の色付きも濃くなってくるとやがて深い谷を挟んで右奥には徳網山が見えてくるところだ。

 この徳網山は標高が低いだけに紅葉にはまだまだ早いだろうと思っていたのだが、コースが右手に大きく回る頃から鮮やかに色付いた木々が目立ち始めた。低い枝はまだ緑色が濃かったが、見上げると木の梢などは紅葉の盛りを迎えていて、それはほとんど眩しいほどまでに輝いている。
 
 ヤセ尾根の稜線を進むと山頂がまもなくとなり、小さな急坂の上り下りが続くようになる。しかし、何度もニセのピークに騙され続けるので、なかなか山頂にはたどり着けない。昨年も歩いたばかりだというのに、私の記憶はほとんど薄れかかっているようだった。

 徳網山の山頂には約2時間弱で到着した。予想どおり他には登山者は見当たらず、今日は3人だけの貸切のようだった。山頂からは単なる標高だけでは想像出来ないほどの展望が広がっていた。眼下には樋倉集落が点在していて、視線を右に追って行くと、昨日宿泊した「りふれ」の屋根部分がみえている。さらに右奥を見渡すと五味沢地区の集落を望むことができた。肝心の山並みはというと、朝日連峰や昨日の祝瓶山ははっきりとその雄姿を見せているものの、反対側に連なっているはずの飯豊連峰は雲に隠れて見えなかった。今日も昨日と同様に爽やかな秋空が広がっていたが、雲は昨日よりも幾分多いようだった。

 三人とも宿で食べたばかりの朝食がまだ消化しきれていないのか、本格的な昼食をとろうという雰囲気ではなかった。それぞれ適当に行動食をたべたりしながら、しばらくのんびりとすることにして、私はいつものようにザックを枕にして横になった。昨日とは違って風はほとんどなく、頭上から降り注ぐ日差しだけがやけに暑く感じたが、それはすでに夏のものではなかった。小春日和のような陽光を浴びながら目を閉じていると、私はまもなく深い眠りに入っていった。

 しばらくすると首の辺りにかゆみを覚えて目を覚ました。そのかゆみはなかなか取れず、そのうち赤い斑点が首筋から広がり始めていた。どうも眠っている間に毛虫にでもやられてしまったようだった。そんな小さなアクシデントをきっかけに私達は下山を開始することにした。登りに2時間を要した行程も、下りでは半分ほどの時間で下れるから、この山は家族連れなどのハイキングにこそ相応しいようである。私達は小国町の蕎麦でこの2日間を締め括ろうと話しながら下って行く。下山を始めても誰も登ってくる気配はなく、林間には私達の足音だけが響きわたっていた。


明るいブナ林を歩く


徳網山山頂目前


山頂から望む朝日連峰や祝瓶山


お疲れさまでした(登山口)


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