山 行 記 録

【平成18年10月14日(土)/針生平〜祝瓶山



祝瓶山頂で



【日程】平成18年10月14日(土)
【メンバー】7名(新野、伊藤(孝)、伊藤(賢)、清水、田中、東海林、蒲生)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】祝瓶山 1,417m
【地形図 1/25000】祝瓶山
【温泉】西置賜郡小国町「白い森交流センターりふれ」500円
【行程と参考コースタイム】
大石橋7:50(430m)〜一ノ塔10:30〜祝瓶山11:20-1240〜大石橋15:20
  
【概要】
 今週末は久しぶりに好天の予報が出ていた。今回はいつもの私的な山の会の山行で、メンバー7人による恒例の秋の祝瓶山である。例年だと木地山ダムからのコースなのだが、翌日の徳網山も考えて今年は針生平のコースとなったようである。また当
会としては珍しく「白い森交流センターりふれ」に宿泊しての、例年にはないちょっぴり豪華な計画となった。

 大石橋手前の広い駐車場はすでに満車状態で、驚いたことに県外ナンバーのマイクロバスも停まっていた。もちろん林道終点の駐車スペースも河原の淵ぎりぎりまでいっぱいで立錐の余地もないほどだった。今日は先日の連休が荒れたこともあって、大勢の登山者が紅葉目的にこの祝瓶山にも繰り出してきたようであった。

 紅葉前線はすでに標高1000m付近まで降りてきていて、登り出すとまもなく周辺の木々の鮮やかさに目を奪われるようになる。急勾配の登りには汗も流れたが、鈴振尾根にはさわやかな風が流れていて、山登りには一番いい季節を迎えているようであった。急坂が終わると左手には朝日の主稜線が見えてくる。この鈴振尾根はこの大朝日岳などの山並みを眺めながら登れるのが最大の楽しみだろうか。近景には鮮やかに色付いた潅木と、中景には淡く色付き始めた山肌があり、そして遠方には褐色の稜線と、どこを眺めても見事なコントラストを見せている。私はこの時期の山歩きの楽しさをあらためて思った。

 森林限界を過ぎると岩場が現れ、まもなく一の塔に到着した。ここには以前まで何も標識などはなかったのだが、いつのまにか新しい標柱が立っていた。ここは針生平や荒川対岸の山々も見渡せる絶好の展望台のようなところである。振り返って見る尾根沿いの紅葉の美しさにはあらためて目を見張り、写真を片っ端から撮ったりしながら一休みとする。紅葉は特に西側の斜面が色鮮やかで、稜線を境にして気温の違いが一目瞭然のようだった。赤鼻尾根分岐からは祝瓶山の山頂が目前となる。登山道には多くの登山者が鈴なりに続いていて、山頂にも大勢の人達が立っているのが見えた。

 祝瓶山の山頂は多くの登山者達で溢れていた。私達の休憩場所を確保するのも大変なほどの混みようである。団体の人達も多く、やはり駐車場のマイクロバスは、この祝瓶山を目的にしてきた人達のバスのようであった。私達は山頂の片隅に場所をみつけて車座になり、さっそく昼食となった。あいかわらず風は強かったが、腰を下ろすと幾分風が和らぐようで、大朝日岳の展望を眺めながらの楽しい食事が始まった。

 山頂からはこれ以上ないほどの展望が広がっていた。飯豊連峰や朝日連峰、さらにその奥には日本海まで今日は見えている。最近、私は初冬や春先に歩くことが多かっただけに、この錦秋に彩られた祝瓶山は久しぶりであった。大勢の登山者達も雲ひとつない快晴の空と紅葉の山並みを眺めながら感激に浸っているようだった。私は食事が終わるとしばらく昼寝をすることにした。風のない南斜面に回ると風がほとんどなくなり、その温い日差しを浴びながら私はいつのまにか眠っていた。

 みんなからの声掛けで目を覚ました私は、本格的に眠っていたのを知った。山頂に到着してからすでに1時間半近い時間が経っている。こんなに山頂でのんびりしたのは久しぶりの様な気がした。山頂にはまだまだ登山者が多く、また私達が下る頃になっても、祝瓶山荘側から新たに登ってくる人も多く見られた。

 山頂を後にして下り始めると、さらに鮮やかさを増したような眼下の光景に息を呑む。たった数時間のあいだにも紅葉は朝方よりさらに進んでいるようだった。振り返ると燃えるような祝瓶山が大きく聳え立っているのが見えた。

 展望を楽しみながらの稜線歩きが終わると今度は樹林帯に入って行く。ここからはブナの黄葉が楽しめる区間で、日差しが降り注ぐ林間は明るく、眩しいほどにキラキラと煌めいていたのが印象的だった。私達は今夜の宿泊先である「白い森交流センターりふれ」のお風呂や料理を楽しみに、足どりも軽く大石橋の登山口をめざして下っていった。


一の塔を振り返る


一の塔から祝瓶山に向かう(山頂は左奥)


大勢の登山者で賑わう山頂


山頂で


登山道から仰ぐ大朝日岳


山頂から下る


一の塔から山頂を振り返る


一の塔


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