山 行 記 録

【平成18年4月28日(金)〜30日(日)/八甲田山 フォレストコースと大岳環状コース



山頂のガスからようやく抜け出した頃(一日目)


【メンバー】2名(妻)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、酸ヶ湯温泉駐車場に幕営(山行は日帰り)
【山域】北八甲田連峰
【山名と標高】田茂萢岳、大岳1585m
【天候】(28日)曇りのち晴れ、(29日)晴れ、(30日)雨
【温泉】八甲田温泉「遊仙」500円
【行程と参考コースタイム】
(27日)自宅20:30=(山形道、東北道)※(途中仮眠)黒石IC=酸ヶ湯温泉駐車場9:00
(28日)八甲田ロープウェイ山頂駅1030〜(フォレストコース)〜八甲田ロープウェイ12:00(テント泊)
(29日)酸ヶ湯温泉駐車場8:00〜仙人岱ヒュッテ10:15〜大岳山頂11:20〜大岳避難小屋11:45-12:00〜酸ヶ湯温泉13:10〜駐車場13:20(テント泊)
(30日)酸ヶ湯温泉駐車場6:30=(R7,105,13,347,287)=自宅20:30
  
【概要】
(4月28日)
毎年恒例となっているカミさんとの八甲田山。今年は混雑する前にと1日早めに現地入りした。天気予報では今日は好天の予報がでていたが、南八甲田は晴れているものの、北八甲田一帯は厚い雲に覆われていて、ロープウェイの山頂付近はガスに隠れて全く見えなかった。

連休の1日前のためか酸ヶ湯温泉の駐車場には車が数台あるだけで、傍らでは除雪機械が作業を行っている最中であった。周囲には例年にないほどの積雪があり、トイレ付近は見上げるほどの高い雪の壁になっている。とりあえず酸ヶ湯温泉の駐車場にテント設営を終えると早速八甲田ロープウェイに向かった。

ロープウェイは強風のため減速運転を行っており、倍近くの時間をかけて山頂駅に着いた。山頂付近は猛烈な風とガスで視界はほとんどなかった。雪こそ降ってはいないものの、厳冬期さながらの状況に大勢の観光客はがっかりしている。それに八甲田山の裾野を走る循環バスが翌日から営業開始とかで、今日は循環バスが走っていないことを知ってがっかりした。できれば今日はツアーコースの中でも一番長い箒場岱コースを楽しみたいというのがカミさんの希望だった。

少し天候待ちをしたが、いくら待っても快復する兆しはなく、しょうがないのでフォレストコースをのんびりと下ることにした。少し下れば晴れているのはわかっているのでしばしの辛抱だろうと思った。目出帽で顔を覆い、ネックウォーマーやゴーグルで身を固め、意を決して外に出た。体毎吹き飛ばされそうな程の強風に少しビビったが、コースそのものは竹竿のポールが狭すぎると思われるほどの間隔で立っているのでそれほどの不安はない。私は厳冬期にこのフォレストコースを下っているが、新雪の中、ブナ林の間を縫って行くのがすごく快適だったのを思い出した。春の残雪期は初めだがコースはすでに大勢の人が滑っているのでゲレンデと同様であった。ガスの中から抜けだし、前山が正面に現れると急に視界が開け、一安心となる。あとはのんびりと案内標識に従って下って行くだけなので、コースの中間地点まできたところで軽い昼食兼休憩時間とした。ザックから食糧を取り出し、しばらく横になってみる。山頂付近と中腹ではこんなに天候が違うものなのかとあらためて好天のありがたさが身に沁みる思いがした。こんな天候でも他に滑るところもないためか、ときどきスキーヤーがグループで下って行く。ブナ林の片隅で春の日差しを浴びていると、自宅からここまでの長かった車の運転の疲れも癒えてくるようであった。今日は早めに下界に下れそうなので、下山後は八甲田温泉まで足をのぼし、その後は愛犬の散歩をしたりしながら、温泉三昧に浸ろうと考えていた。

(4月29日)
二日目は朝から眩しい日差しが頭上から降り注いだ。朝方には寒さを感じていたテント内も陽が昇ると同時に急激に温かくなってくる。折角の好天なので今日はここから歩き出して、大岳循環コースを取ることにした。カミさんは2回目のルートとなるのだが、ほとんど記憶に残っていないらしくどこへ向かうのかさえよくわからないようだったが、あの大岳へ登るのだと言うと、少し後込みをしている。カミさんに取っては今回が今シーズン初めての山スキーなのであまり無理は出来ないようであった。

歩き出しは遅かったのだがそれでも登山者が三々五々と前後して地獄沢を登ってくる。2時間ほどで仙人岱ヒュッテ付近に登り着くと大岳はもう目前となり、ここまで来てカミさんは数年前に来たことをようやく思い出したようだった。カミさんはここまででさえもかなり疲れたらしく、ここからは大岳の裾野を回る循環コースを行くことにした。私はそれだけでは物足りなく、カミさんとは大岳ヒュッテで合流することにして、途中から一人で大岳の山頂へと直登して行くことにした。標高差を考えると15分程度で登れるだろうと安易に考えていたのだが、途中からいざ登り始めてみると疲れのためか、度々立ち止まっては呼吸を整えなければならなかった。結局山頂へは40分ほどもかかって到着した。真下をみると大岳ヒュッテが見えたがカミさんの姿がないので、急いでシールをはがして滑降を開始する。小屋までの標高差150mなどスキーではあっと言う間だったが、大岳ヒュッテ近くまで降りてきたところで、カミさんが井戸岳方向から歩いてくるのが見えた。大岳ヒュッテは一度来ているのでわかっていると思っていたのだが、竹竿がなくなると皆の歩いている方向についていったらしく、途中で人に尋ねて引き返してきたようだった。天候もよいのでアクシデントというほどでもないが、もしこれがガスにでも卷かれたらと思うと容易に離れるものではないなとあらためて考えさせられてしまった。

ヒュッテの近くで昼食後は大岳を回り込むようにして酸ヶ湯温泉に向かった。今年は残雪が多いので最初のブッシュも気になるほどではなく、大岳の中腹からは木立も疎らな斜面が広がっていて、快適に滑走してゆく事ができた。このルートは適度な登りと意外と長い滑走距離があり、ツアースキーとしては穴場なのかもしれない。多くの人はみんなロープウェイで行くので、今日は私達の他には見当たらず、静かなツアーコースだった。最後は酸ヶ湯温泉への急斜面を一気に滑り降りて、下でカミさんを待っていると、カミさんは右手を迂回しながら下ってきた。無事に二日目を終えて今日も下山後は八甲田温泉へと向かった。最後の夜となるので今日は生ビールとラーメンで取りあえず休憩室で一休み。テントにもどってからは、再び残っていた食材とアルコールで八甲田の二日目の夜を過ごした。

(4月30日)
今日は朝から雨模様だった。幸いに移動日の予定なので、さっさと早朝にテント撤収を済ませてしまい、帰路はいつものように一般道を走りながら、「道の駅めぐり」と称し、のんびりと山形への自宅へと向かった。


地獄沢を登る(二日目)


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