湯殿山を正面に滑降する
【概要】
これはおまけのツアーである。湯殿山ツアーを終えて姥沢に戻ったのは午後の３時になっていた。ツアーをするにはもう遅い時間帯だったが、日差しはまだまだ強く、午前中の悪天候がまるでウソのように快晴の空が広がっているのを見て、予定通りに再度日焼け止めクリームを塗り直して第２ラウンドを開始する。再びリフトに乗り上駅につくと姥ケ岳まではスキーをロープで引っ張り、坪足で登った。この時間帯になると当然ながらスキーヤーはほとんどいなくなり、まわりを見渡しても我々の他に２、３人ほどしか見当たらなくなっていた。
山頂からは少しヤブ漕ぎをしながら西側の大斜面に回り込むと、正面には西日を背にした湯殿山の雄大な姿が目前となる。この湯殿山を眺めながらの大滑降はなかなか快適だったが、気温が下がり始めたために下るほど雪面は堅く凍り始めていた。本来は快適なはずの石跳沢もスキーが走りすぎてしまい、途中何回か転けたりした。ネイチャーセンター到着はすでに５時を過ぎてしまっていて、この時間に降りてきたのは私達だけのようであった。疲れはピークに達していたが、しかし、２年前と同様に１日に２本のツアーを終えて、私は充実した思いに心が満たされていた。