山 行 記 録

【平成18年4月22日(土)/月山スキー場〜品倉尾根〜湯殿山スキー場



大斜面を前にして晴れ渡る(雲の下は日本海 ※左下は1302m峰)


【メンバー】西川山岳会(佐藤(辰)、柴田、菊池、蒲生)ゲスト上野、計5名
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】紫灯森1700m、1619m峰
【天候】晴れ
【行程と参考コースタイム】
西川町開発センター7:00集合〜姥沢8:00
姥沢駐車場発〜リフト上駅8:50-10:00〜紫灯森10:40-10:50〜1619m峰11:50〜1302m峰12:20-13:15〜濁沢渡渉点〜湯殿山スキー場駐車場14:15
 
【概要】
今日は西川山岳会によるスキーツアー。姥沢から月山への稜線上のピークである紫灯森から品倉尾根に入り、湯殿山スキー場へと下るコースで、天候さえよければ割合短時間で楽しめるワンディツアーコースでもある。今日の天気予報は快晴のはずだったが、月山界隈は広く雲に覆われていた。西川町の開発センターに集合後、車を1台湯殿山スキー場へデポし、またネイチャーセンターにもデポして姥沢へと向かった。月山道路は吹雪だったというから天気予報はあてにはならないものだとつくづくと思った。

リフト上駅でもひどいガス状態で、大勢の人達が休憩所で天候の回復待ちをしている。ただ滑降するのでさえ困難な状況を見て、我々も同様にしばらく休憩所で一時待避とする。しかし、晴れる兆しは一向にないので我々は少し明るくなった頃合を見て強引に出発することにした。視界はほとんどなく、まわりは真っ白のホワイトアウト。この状況で山頂へ向かう人は誰もいなかった。先頭をゆくリーダー柴田氏はさすがで、何も見えない中でもピッタリと稜線上の金姥に到着するのだから驚く。まるで人間GPSのようなものである。そこから紫灯森までは悪天候ながらもひと登りであった。紫灯森のピークも荒れ狂うような風の中で、シールをはがして早々に滑降に入る。2年前の経験がなかったらいくらGPSがあるとはいえ、今日のような悪天候時には無理して強引には向かわないだろう。

下り始めると記憶をたよりに1619m峰をめざすが、その手前にも小さなピークがあり、北側に大きく雪庇が張り出しているから、視界がない状況では冷や汗が出るところだ。さらに下がスッパリと切れ落ちているから要注意の箇所だった。柴田氏は一ヶ所で雪庇を踏み抜き危うく滑落するところだったが、スキーごと飛び跳ねてからくも難をのがれた。

天候はそれでも少しずつ快復しそうな気配があって、それだけを期待しながらの行動がしばらく続いた。1619m峰にようやく登りつくとそこは広い山頂になっていてもう滑落するような危険はなくなる。このピークは品倉尾根の盟主ともいえるところで、大展望が楽しめるところだが、天候は相変わらずで視界はまだなかった。1619mピークから下るときにはGPSを頼りに下ったのだが、それでも正反対の方角に下ってしまうのだからホワイトアウトというのは恐い。慌てて気がついて本来のコースに下り始めたとき、ようやくガスが切れて視界が戻ってきた。そして日本海までが見えるほどになると、眼下には大斜面が広がっており、今までの悪天候がウソのように晴れ渡って行く。今回このコースが初めてのメンバーにとっては、半分以上あきらめていた天候だけに、感激もひとしおといってもいいのかもしれなかった。1302m峰まで快適に滑降してゆくと、ようやくここにきて全体が見渡せるようになり、雄大な景色を楽しめるまでに視界が快復した。

大休止を終えるとそこからは青空が広がる一方だった。途中で濁沢を横断し、湯殿山スキー場へと一直線に下って行く。品倉山の直下からは緩斜面が続くところで腐り始めた雪のためスキーはあまり走らなくなっていたが、心地よい爽やかな春風を体いっぱいに受けながら滑走してゆく楽しさは春山の醍醐味でもある。スキー場ではリフト1基だけが稼働していたが、開店休業のような状態でゲレンデは閑散としていた。もう湯殿山スキー場のように標高の低いところでは、とうにシーズンの終わりを告げているようであった。


品倉山をバックに緩斜面を滑走する


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