山 行 記 録

【平成18年2月25日(土)〜26日(日)/吾妻連峰 高湯〜吾妻小舎〜高山〜土湯温泉



家形山をバックに(五色沼にて)



【メンバー】6名(小林@郡山、樺澤@千葉、佐藤@横浜、橋本@神奈川、福本@相模原、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、吾妻小舎 (泊)
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】一切経山1949m、高山1805m
【天候】(25日)快晴、(26日)雪のち雨
【温泉】高湯温泉 あったか湯 250円
【行程と参考コースタイム】
(25日)吾妻スキー場リフト終点10:40〜慶応山荘分岐11:45-12:00〜五色沼13:00〜蓬莱山14:30〜吾妻小舎15:00
(26日)吾妻小舎7:30〜高山9:10〜林道10:50〜土湯温泉11:30
     土湯温泉=(車)=吾妻スキー場

【概要】
毎年の恒例となっている吾妻連峰の高山下り。今年は郡山の小林さんのグループに加えさせてもらうこととなり、総勢6名でのスキーツアーとなった。先日は深雪のラッセルに大根森まででさえも苦労したが、今回の雪は固くしまっていて、それに強い日差しが朝から降り注ぎ、今日はまるで4月上旬のような春山を感じさせた。私をのぞくとみんな若い人ばかりで、中には20歳も年齢が下の人もいる。体調がいまひとつに加え、風邪気味の私にとっては、この若いグループに、はたしてついてゆけるだろうかという不安がなんとなくつきまとった。

今日の山小屋は私達の他に10人ほども宿泊者がいるらしく、リフト終点からはトレースもばっちりついている。しかしトレースなどなくともどこでも登ってゆけるほど雪は締まっていて、ラッセルの必要は少しもなかった。慶応山荘分岐まではいつものとおり1時間ほどで到着する。ここでは早めの昼食をとりながらエネルギーの補給をする。天候の心配がないというのはなんとありがたいことか。背後には一切経山や家形山が強い日差しを受けてまぶしく輝いている。休憩を終えて大根森、大石と進めば眼下に五色沼が見えてくる。久しぶりにみる氷結した五色沼は、午後の傾きかけた陽の光を反射して鉛色に鈍く光っていた。五色沼の縁をたどって前大顛と一切経山とのコルへと登ってゆく。ここはいつも強い寒気と強風に吹き荒れているところだが、今日は風もなく穏やかそのもので、2月の一切経山にきて、素手を出していても平気なのは初めてのような気がした。

一切経山までくれば吾妻小舎まではスキーで下ってゆくだけである。しかし、天候は問題なかったものの、雪質は最悪といってもよく、シュカブラの堅い雪面やモナカ雪の悪雪には苦労させられた。いつもならば酸ガ平避難小屋までは東斜面ということもあって、結構深雪の滑降が楽しめるのだが、今回は至る所で転びまくった。これはその先の蓬莱山でも同様であった。モナカ雪には後ろ足がひっかかってしまい、途中で何度も転けてしまい、あらためて技術の未熟さを思うばかりだった。それでも天候がよいのでここではみんなの滑降シーンをビデオに撮影しながら楽しんだ。

浄土平からは桶沼を巻きながら裏手の吾妻小舎に到着した。リフト終点から歩き始めて、小舎までは大休止を含めても4時間20分。4時間近くかかって大根森までラッセルした先日の雪が嘘のようであった。小舎にはいるとオーナーの遠藤さんが出迎えてくれた。遠藤さんは体調がそれほどよくなさそうだったが、私達のために山小屋まで登ってくれたらしかった。ストーブのある部屋にはいると、先客が2名窓際に座ってのんびりと休憩中であった。よくよく聞いてみると、この二人は以前からHPで知り合っている、千葉からきた山人さんとモコモコさんご夫婦であった。いつか出会うかも知れないね、などと先日BBSに書き込んだばかりだったので、私は本当に驚いてしまったが、意外と山スキーの世界は狭いものという証左だろうか。その後、予定していた登山者達がつぎつぎとやってきては小屋内がにぎやかさを増していった。私達はビールや焼酎で早速乾杯をし、しばらく山談義に花をさかせた。私はやはり風邪気味なのか体調が悪く、早めに布団に潜り込んで一休みすることにした。一眠りして起き出すと、もう外は陽が暮れてしょい、窓の外は暗くなっていた。そしてテーブルにはすてきなごちそうが所狭しと並んでいた。寝ている間にすでにみんなが夕食を作ってくれていたらしく、私は恐縮をしながら席についた。この夜は遠藤さんから日本酒や果物の差し入れがあったりして、さらに豪華な夕食に話が弾んだ。一眠りしたおかげで体調が少し戻った私は、その夜は快適な眠りにつくことができた。

翌日は強風とガスに吾妻小舎は包まれていた。風の目安となっている小舎前の白樺の梢が大きく揺れているのが気にかかる。予定では東吾妻山を経由して高山を下る予定だったが、遠藤さんに確認してみると、今日の天候は早めに悪化するだろうということで、すでに下界は雨が降っているらしかった。これではなんの楽しみもないだろうと、私達は朝食を終えると東吾妻山を割愛して、高山へまっすぐに向かうことにした。小舎を出る前に遠藤さんを真ん中にして記念撮影をする。来年からは吾妻スキー場がなくなる話しが伝わってあるだけに、貴重な記念写真になるような気がした。

高山を目指していると風雪に体が煽られた。寒さはそれほどではないが、視界はほとんどないのでやはり東吾妻を中止したのは正解のようであった。吾妻小舎からは1時間40分ほどで高山の山頂に到着した。数年前に味わったような風雪が終始吹き荒れていて、のんびりと休憩する気分にもなれない。休憩もそこそこに早速シールをはずして滑降を開始することにする。山頂から樹林帯に入るまでの区間は、いつもならば深雪の滑りを楽しめるのだが、今回は気温の上昇などがあって尾根上はほとんどアイスバーンとなっていて、悪雪の連続には何回も転びながら樹林帯に入った。樹林帯にはいれば勾配はなだらかになり、スキーは良く走った。しかし、下るに従ってみぞれ模様となり、やがて雨が混じるようになると体全体が濡れ始めてくる。気温が高いので寒くはないのだが、冬山にきて雨に当たられるほど寂しいものはない。ほとんど休憩をとることもなく、ただただ忠実にコースを下ってゆき、例年の滑走の楽しみをほとんど味わうこともなく、一気に林道へ飛び出した。そこからは雨模様にもかかわらず林道はスキーがよく走り、土湯温泉までは短時間で降りてくることができただけでもよしとしようか。みんなびしょぬれとなってしまい、私は下着まで濡れ始めていた。一刻も早く熱い温泉に浸りたくなっていた私は土湯温泉でみんなと別れ、デポしておいた小林さんの車で吾妻スキー場まで送っていただき、二日間の高山下りを終了した。


1年ぶりの吾妻小舎


アルコールが入ってみんなご機嫌


夕食風景


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