山 行 記 録

【平成17年9月23日(金)/朝日連峰 高玉口から長井葉山】



やっと姿を現した大朝日岳と小朝日岳(右)
(葉山湿原付近から)


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】長井葉山1,237m
【天候】曇りのち晴れ
【温泉】長井市あやめ温泉「桜湯」300円
【行程と参考コースタイム】
(登山口)TV塔駐車地点(555m)11:10〜高玉愛染峠分岐12:30〜大朝日岳分岐12:57〜葉山山荘13:00-13:20〜高玉愛染峠分岐13:55〜TV塔15:10
 
【概要】
長井葉山には様々な登山口があるのは知っていたが、白鷹町の高玉口からは初めてであった。まだ登っていないコースとしては他に勧進代尾根がある。以前から高玉コースは短時間で登れるから楽だとは聞いていても、地元の山となるとやはり長井市のオケサ堀コースと白兎尾根からしか考えたことがなかった。しかし、体調を考えると遠出はできないし、飯豊朝日は自信がないので、また近くの山を登ることにしたのだが、地図を眺めているうちに、まだ登っていないコースがあることを思い出し、今回はこの高玉口から登ってみることにした。

西根山麓を通る農道から林道に入り、約3km近く走るとテレビ塔の建っているところで行き止まりになった。この林道終点には5、6台ほどの駐車スペースがあったが、車は1台もなくひっそりとしていた。テレビ塔から林道を100mほど戻り右手の林道へと進むと、ここも四輪駆動車であれば先に進めそうな道路幅はあったが、泥濘地とヤブに苦労するよりも潔く歩いた方が無難である。10分ほど歩くと左手に雨量観測所があり、ここからは本格的な山道となった。初めは草丈が伸び放題となっていて、ヤブを漕がなければならなかったが、それもまもなくしっかりとした登山道となった。やがて急坂となると七曲がりのようなジグザグ道が続いた。途中で水の取れそうな小沢を通過し、しばらく急坂に喘いでいると、葉山連峰の稜線に出た。右に進めば愛染峠で、左手に進めば葉山と書かれた標識が横たわっている。ここからは小さなアップダウンはあるもののなだらかな稜線歩きとなり、途中の林間からは白鷹町や長井市の集落が望めるようになる。ダラダラとした平坦歩きが続き、小湿原を2ヶ所通過すると、もうそこは葉山湿原の一角で、葉山の山頂が近づいていた。枯葉色の道端にはアキノキリンソウがわずかに目立つ程度であった。途中、大朝日岳への縦走路との分岐を通過する。そこは数年前、大朝日岳から縦走してきたのを思い出す地点でもある。まもなく奥ノ院への道を右に見送ると、葉山神社はもう目前であった。

天候が今一つだったためか、それとも時間が遅かったのか、山荘には登山者の姿はなく、ひっそりとした葉山の山頂であった。薄雲が朝から空全体を覆っていたものの、結局雨が降り出すことはなく、神社の裏手に腰を下ろして遅い昼食とする。楽しみにしていた大朝日岳の展望がないので、少し寂しさを感じながらの昼食であった。晴れる気配がないので早々に山頂を後にすると、奥ノ院は立ち寄らずに元の道を引き返すことにした。しかし、湿原を通過するあたりから天候が一変する。それはまるで砂浜から潮が一斉に引くようにとでもいうのか、急に空から薄雲が消え始め、空全体に青空が広がると周囲は眩しいほどの明るさに包まれた。そして一時はあきらめていた大朝日岳の姿が左手奥から現れだしたのだ。私は少し木に攀じ登って大朝日岳の写真を一枚おさめた。そこはコース上で大朝日岳が望める最後の地点でもあった。こんなことなら奥ノ院まで足を伸ばすべきだったなと思っても、今さら引き返す元気はもうなかったが、今まで色彩を失っていた草紅葉の湿原がまるで別の風景のように輝き始めたのをみて私は満足であった。ブナ林からは初秋を感じさせる
木洩れ日が登山道に降り注いでいた。見上げると色づき始めたブナの葉が逆光に煌めいていて、陰影がより深くなっているのを感じた。


登山口のテレビ塔


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