山 行 記 録

【平成17年9月19日(月)/水晶山、雨呼山】



水晶山の山頂


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】船形山周辺
【山名と標高】 水晶山(すいしょうやま)668、雨呼山(あまよばりやま)906
【天候】晴れ
【行程と参考コースタイム】
水晶山)歩道起点(駐車地点)10:10〜水晶山登山口10:23〜水晶山山頂11:00-30〜登山口11:55〜歩道起点(駐車地点)12:05
(雨呼山)林道終点13:00〜雨呼山山頂13:30-40〜林道終点14:00

【概要】
(水晶山)
水晶山は標高700mにも満たない低山であるが、それだけに暑い夏の盛りには登りたくない山である。しかし、今の体調ではこれでも十分な覚悟のようなものが必要であった。水晶山は天童市と東根市との境にあり、山頂には雷神を祭るといわれる水晶山神社が建っているという。いわゆる昔から山岳信仰の対象の山になっているようであった。登山口は天童ゴルフCCのすぐ近くにあり、ガイドブックによると林道終点から登るよう記載がされている。しかし、その730m手前に歩道起点という標識があり、そこに駐車スペースもあったので、今日はそこを起点に歩き始めることにした。それでも山頂までは1830mとたいした距離ではなかった。

付近は鬱蒼とした杉林となっていて薄暗く、心配したほどには暑くないのがありがたかった。登山口の林道終点までは旧参道の散策道となっていて、舗装された林道を5ヶ所ほど横切りながら直進してゆく。たどりついた林道終点には広い駐車場や東屋があり、周辺の案内板も立っていて、通常はここから登り始めるようであった。案内板には「うがい清水」もあるとあったが場所がよくわからない。東屋を直進するとそこからは七曲がりと呼ばれる急坂が続いた。予想に反して、汗が全身から噴き出す。苔の生えた石の目立つ道となると山頂まではまもなくであった。山頂の神社はりっぱで、今日も登って来れたことに感謝し、両手を合わせて参拝する。山頂神社は樹林に囲まれていて、ちょうど白鷹山の虚空蔵神社の雰囲気とよく似ている。裏手には奥ノ院があるというので回ってみると、そこには三角点と立派な標柱があり、ここが本当の水晶山山頂であった。山頂からは前方に視界が開けていて、下界の集落や面白山の展望を楽しむことができた。

時間はまだ11時だったが、山頂の日陰の部分に腰を下ろして、少し早めの昼食をとる。例によって冷えた漬け物と果物が美味しい。誰もいない静かな山頂は、それだけで心が落ちついてくるようであった。山頂からは元の道を忠実に戻るだけである。急坂の登りはつらい思いをしたが、その分下りは楽で、30分ほどで駐車地点に戻った。


案内板のある雨呼山の登山口
(私はこの1km先の林道終点から登り始めた)

(雨呼山)
雨呼山は山名のごとく昔から雨乞いの山として信仰の対象の山であった。水晶山を午前中に登り終えて、少し余力があったのでガイドブックに従って、近くにあるこの雨呼山も登ってみることにした。標高は906mと水晶山よりはずっと高いものの、登山口の標高も高く、これも1時間程度で登れるようであった。

天童貫津南から「ジャガラモガラ」をめざした。案内板のある舗装路の終点には駐車場もあって、通常はここから歩き出すようであったが、その先にも砂利道の林道が伸びているので車を進めてみた。やはり二つ目の山ともなるといくらでも林道歩きは少ない方へと、少々弱気になっている。しかし、1km程進むと行き止まりとなり、歩いてきてもたいした距離ではなかったようである。

「ジャガラモガラ」とは流紋岩の凹地状になっているところで、冷たい風が地下から湧き上がってくるため、高度が低いほど高山植物が咲いているという不思議な場所であった。今日は山菜採りを兼ねながらこの「ジャガラモガラ」を散策している人も目立ったが、登山者となると一人もいないようであった。駐車地点からは草が生い茂り、登山道をわからなくしていたが、かすかな草の踏跡をたどりながら直進する。別に登山口を示す標識もないので半分不安を抱きながら登って行くと、やがて階段状に作られた急坂が現れ、途中の木立には「雨呼山へ」と書かれた標識も現れて何となく安心する。階段状の登山道は登りやすいといえば確かに登りやすいのだが、ここの急坂は怒涛ともいえるほどの斜度があって、私は休み休み登らなければならなかった。やがて登路は尾根上をゆくようになり、稜線に出ると木の間からはようやく視界が効くようになった。しかし左手からは黒伏山や船形山らしい山並みが見えるのだが、薄い靄があってその姿形ははっきりとはわからなかった。少しのアップダウンを経て、いよいよ最後の急坂となる。急坂の手前には龍神の池があって、立ち寄ってみると傍らにはひっそりと小さな祠が祭られてあり、ここで昔の農民達が雨乞いの祈りをした場所だということが案内板に書かれていた。そこからは山頂までひと登りであったが、さすがに短いとはいえ、二つ目の山とあって汗が止めどなく流れ続けた。両足も異様なほど重く、ときどき体がふらついたりした。

雨呼山の山頂には駐車地点から30分で到着した。この山も水晶山のような展望を期待していたのだが、雨呼山の山頂は樹林に囲まれていて見晴らしはなかった。しかし、林間には爽やかな風も流れていて汗をかいた体には心地よく、ブナの木立からは午後の柔らかい木漏れ日が降り注ぎ、その明るい雰囲気は気分までリフレッシュしてくれそうであった。ここで疲れた両足を休ませながら、水晶山で残して置いた漬け物などを食べていると、いつしか充足した思いに満たされていた。


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