山 行 記 録

【平成17年7月30日(土)/賽ノ碩〜追分〜熊野岳〜刈田岳〜大黒天(周回)】



賽ノ碩から熊野岳を仰ぐ


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰 
【山名と標高】 熊野岳1,841m刈田岳1,758m
【天候】晴れ時々曇り
【行程と参考コースタイム】
賽ノ碩9:40濁川10:45かもしか温泉跡10:55〜追分11:55-12:00〜熊野岳13:05-13:20〜刈田岳13:50〜大黒天14:20〜賽ノ碩15:00
  
【概要】
梅雨明けは間近らしいのだが、連日平地では酷暑ともいえるような真夏日が続いている。ジリジリとした陽射しを浴びながらの登りではすぐにばててしまいそうなので、今回も蔵王のエコーラインから登るコースをとる。最近、午前中の体調が特に悪く、早立ちができないのがつらい。しかし登山口の標高は1000mを越えているので、今日もなんとか歩けそうな気力がある。賽ノ碩からは初めてのコースで、いったん濁川へ降り立ってからの登り返しが少しつらそうだったが、標高差はそれほどないようであった。

途中までは観光客のための遊歩道となっていたが、しばらくすると本格的な山道となった。濁川までジグザグに下りて行き、濁川は木橋を渡って対岸に渡った。見上げると熊野岳や刈田岳の荒々しい迫力ある東面が迫る。対岸からは再びジグザグの登山道となり、途中、石垣が積まれたカモシカ温泉跡を通過する。ここはちょうど四辻となっているところだったが、ロバの耳コースは落石のために通行禁止となっていて、また右手に進めば峩々温泉へも下れるようであったが、こちらの登山道は密生したヤブに覆われているようで、入ってゆくのが少々躊躇われる感じであった。追分への道も草丈が伸び放題になっていて、両側から登山道に覆い被さっていたが、途中からは刈り払いの道となり、かなり歩きやすくなった。予想したほどの風がなくて体中から汗が噴き出している。高度が上がるに連れて道は歩きやすくなったものの、うだるような暑さに気持ちまでが滅入ってくるようであった。カモシカ温泉跡からは意外と距離があってなかなか稜線に着かなかった。

喘ぎながら稜線に登り着くとそこには追分の標識が立っていた。尾根の向こう側は蔵王ダムを経て宝沢へ続いており、右に進めば先日登った名号峰だ。熊野岳へは左へ折れて行く。熊野岳への区間は以前にテレマークスキーで歩いているはずだったが、すでに10数年経っており、記憶はかなり薄れていた。途中、庭園を思わせるような自然園を通過すると熊野岳への登りとなる。両側の潅木が徐々に少なくなるとようやく風に晒されるようになった。大きな石がゴロゴロする斜面を登って行き、山頂が近づく頃にはあちらこちらにコマクサが目立つようになった。しかし、この時期はコマクサの最盛期の筈なのだが数は意外と少なかった。雲が湧いたり消えたりを繰り返していたが、振り返るとうっすらと雁戸山が見えるほどに天候は回復してきたようであった。避難小屋を通過すると蔵王温泉側から登ってくる人達も目立つようになった。さすがに熊野岳は賑やかだ。吹き渡る風は涼しく、死んでいた細胞が次々と生き返るようであった。まもなく熊野岳の山頂に到着した。夏山の熊野岳は10年ぶりだろうか。ようやく到着した山頂からは360度の展望が広がっていた。ここまで登れば後はほとんど下りとなるので、腰をおろしてしばし大休止をとることにした。アイスボックスで冷やしてきたコーラが美味しい。山頂には数え切れない数の赤トンボが無数に飛び交っており、早くも季節の移り変わりを感じさせるようであった。

熊野岳を後にすると刈田岳に向かった。馬ノ背は登山リフトや、観光バスで訪れた多くの人達が往来していた。体調を考えて刈田岳からは定期バスを利用して賽ノ碩まで戻ってもよかったのだが、そうそう都合良くはゆかず、次のバス時刻までは30分以上も待たなければならなかった。それならばと大黒天コースを下り、エコーラインを歩いて賽ノ碩まで戻ることにした。エコーラインを歩くといっても大黒天からだと賽ノ碩までの距離は3kmぐらいのはずで、最近の弛みはじめた体力を補うにはちょうどよいハイキングといえそうであった。


熊野岳のコマクサ


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