山 行 記 録

【平成17年7月17日(日)/吾妻連峰 早稲沢口〜西大巓】



早稲沢登山口


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】西大巓1981.8m
【天候】曇りのち雨 
【行程と参考コースタイム】
7:30自宅−8:50早稲沢口駐車場
9:00早稲沢口(1050m)〜布滝9:35〜三合目9:40〜四合目10:00〜七合目11:00〜西大顛12:00-12:40〜布滝14:00〜早稲沢口14:20

【概要】
白布温泉から西吾妻スカイバレーに進み、白布峠を越えて福島県側に下りて行くと早稲沢集落につく。集落からは林道に入るのだが、分岐点には案内板があって、
早稲沢の登山口までは約2.5kmとあった。細い林道を走り、終点まで進むと舗装された駐車場につく。ここには案内図やベンチ、またきれいな水洗トイレもあってなかなかいい環境だが、10台程度の駐車場には車が1台もなかった。登山口からは布滝を経由してデコ平への遊歩道として整備されているようであった。

天気予報は悪くはなかったが、空全体に薄雲が広がっており、今にも雨が降り出しそうな薄暗さに包まれていた。早稲沢登山口から西大巓の山頂までは約900mほどの高度差があり、あまり体調もよくないのに今日は2時間以上も歩けるだろうかという不安感がある。しかし、無理なときにはいつでも引き返してもいいのだと思いながら歩き出した。遊歩道は吾妻川に沿って続いていた。30分ほどでデコ平への分岐標識があり、まもなく布滝に着いた。遊歩道は布滝で終わり、ここからは急坂の山道となった。途中、トラバースがあったり沢沿いに下ったりしてなかなか高度が上がらない。梅雨特有のムッとした熱気が樹林帯に満ちていて汗が止まらない。首に卷いたタオルやTシャツはすっかり汗で濡れてしまっていた。かなり登ったと思ったと思って、何気なく太いブナ林を見上げると、三合目を示す板の標識が打ちつけられてあった。こんなに登ったのにまだ三合目だと知って愕然とする。踏跡もなくほとんど歩いている人はなさそうであった。

草木が登山道に被さり気味で少々ヤブっぽい道が続いた。また倒木が登山道をところどころで塞いでいて通過に難儀しなければならなかった。20分ほどの急登で一段落するとやっと四合目の標識が現れる。この分では山頂まではかなり時間を要しそうで、コースは予想外に長いようであった。登山道の傍らにはギンリョウソウ、ゴゼンタチバナなどがめだったが、それほど種類は多くなかった。次の五合目の標識をめざしていると、またまた大きな倒木が幾重にも現れて、うろうろとしている内に登山道を一時見失った。いくら見渡しても道が見当たらないので、もうここで引き返そうかとあきらめかけていたところ、偶然にも登山道を見つけることができて、安堵の胸をなでおろしたりした。登りを再開して間もなくすると、登山道の傍らに七合目の標識が横たわっていた。五合目の標識をめざしていただけにこれは嬉しい誤算であった。五合目と六合目の標識は見落としたか、すでに朽ちてしまい、なくなっていたのかもしれなかった。ここまででもかなり疲れ切っており、よほど引き返そうかとも考えていたが、行動食を口にいれ、ポカリスエットを飲みながら休んでいると少し元気が出てくる。七合目までくれば山頂はまもなくだろうと思うと、自然と力が沸いてくるようであった。草木が伸び放題で道を塞いだりしていたが、登るに連れて大きな石も目立ちはじめてきた。この頃になると雲の中に入ってしまったのか、ガスが樹林帯をすっぽりと包んだようになってしまい、視界がほとんどなくなりかけていた。九合目の標識を確認すると西大巓の山頂まではまもなくであった。

登山口から山頂まではちょうど3時間かかかった。タオルは汗でぐっしょりと濡れていて、絞れるほどであった。道中は誰とも出会わなかったが、山頂は白布峠や天元台から登ってきた多くの登山者で賑わっていた。山頂には10人以上はいるだろうか。ちょうど昼時間ということもあって昼食を兼ねて休憩中であった。視界はほとんどなく、展望は楽しめなかったが、私はなんとか登り切った満足感で一杯であった。疲れ切っていたので山頂の端に場所を確保して取りあえずスポーツドリンクを飲み干すと一息をつくことができた。山頂にはコバイケイソウが目立ったものの、名物のアヅマシャクナゲはすでに盛りを過ぎたのか僅かしか残っていないようであった。軽い昼食を食べ終えるとザックを背にしてしばらく横になった。

山頂では一面ガスに包まれたままで、視界は相変わらずなかった。うつらうつらしていると、いつのまにか霧雨を伴った風が流れ始めている。天候の回復は望めそうもないので、私は30分ほどで休憩を切り上げ、山頂を後にした。
下り始めると間もなくして小雨が降り出してしまい、しばらくすると本降りとなってしまった。たちまちびしょぬれになり、あわててザックカバーをかけ、雨具は上着だけを羽織った。ズボンはどうせ洗わなければならなかったので濡れるがままに下った。布滝では写真を撮影しながら散策を楽しんでいる夫婦連れが一組いた。結局、雨は駐車場に戻るまで降り続き、天候には恵まれなかったが、予想外に長い時間を歩けたことがうれしかった。結局、早稲沢からの登山者とは誰とも出会わなかった静かな1日であった。


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