山 行 記 録

【平成17年6月18日/朝日連峰 山毛欅峠から鳥原山



大朝日岳(左)と小朝日岳(右)
鳥原山の山頂から


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】鳥原山 標高1430m 
【天候】晴れ
【温泉】朝日町 西五百川温泉150円
【行程と参考コースタイム】
山毛欅峠駐車場出発10:15(標高700m)〜尾根取付10:50〜畑場峰(標高1130m )11:35〜鳥原小屋分岐12:35〜鳥原山山頂12:50-13:30(標高1430m)〜畑場峰〜山毛欅峠15:40
  
【概要】
山毛欅峠
は、朝日町木川ダムから大江町の古寺地区に抜ける途中にある登山口である。ここは畑場峰で古寺鉱泉からのコースと合流するのだが、距離は山毛欅峠からのほうが少し長くなる。しかし、ルートが違うだけで楽しみが全然違うので久しぶりに歩いてみることにした。相変わらず体力と気力にハリがないのであくまで鳥原山までの予定である。大規模林道の傍らには珍しく車が4台も留まっていた。しかし、全部山菜採りの人達だったようで、まもなく収穫を背にした人が何人も下ってくるところに出会った。

沢沿いの平坦な山道をしばらく進む。大きなミズバショウの葉が道の両側を覆っている。何度も小沢を横切ってようやく尾根の取付に出ると、そこからはまるで飯豊の梶川尾根を思わせるような、胸突き八丁の急登がしばらく続いた。今までの高度差を一気に取り戻すような急坂であった。道の傍らには珍しくギンリョウソウを見つけた。別名幽霊草ともいわれるが、見慣れるとなかなか味わいのある高山植物だ。汗を搾り取られながら1時間半ほどで畑場峰の分岐点に到着する。畑場峰からは左へと続く鳥原山へ向かう。なだらかな上り下りがしばらく続いた。右手からはときどき朝日の主稜や小朝日岳がチラホラと見えてくるところだ。途中の「田代清水」で少し休憩をとり、小雪渓を通過すると僅かな登りで鳥原湿原に出た。湿原に沿って鳥原小屋へと木道が伸びており、ここはいつ訪れても心が癒されるような長閑な場所である。石段の坂道を上り、残雪をひと登りすると鳥原山の山頂であった。

鳥原山には3人の登山者がいた。ここで先日に続いて再び鶴岡の佐藤さんと出会い、おもわずお互いに苦笑いする。ここでもまた出会うとは心底思っても見なかったのだ。佐藤さんは朝日鉱泉〜御影森山〜大朝日岳〜鳥原山と日帰りの周回というから相変わずの健脚に圧倒される。その3人もまもなく去ってしまうと、一人だけ山頂へ取り残された形となった。吹き渡る涼風が登りの疲れを忘れさせてくれる。ここから眺める大朝日岳や小朝日岳はまさに雄大の一言で、ただ眺めているだけで心が癒されるようであった。

休憩を終えて下ろうとすると、小朝日岳に向かったはずの二人組が引き返してきた。途中の雪渓のトラバースが渡れず戻ってきたようであった。この時期はやはりアイゼンやピッケル、若しくはストックは必携だなあとあらためて思う。鳥原小屋の周辺ではタムシバが盛りで、他にはツマトリソウ、イワカガミ、ミツバオウレン、チングルマなどが一斉に咲き競っていた。畑場峰からは一気の下りとなったが、体はいつになく疲れ切っていた。急坂の途中ではこれから鳥原小屋泊まりと思われる4人の家族連れと出会った。二人の子供はまだ小学4、5年生ぐらいだと思うのだが、大きなザックを背負いながらも、いきいきしている表情がいつまでも心に残った。


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