山 行 記 録

【平成17年5月29日/朝日連峰 鈴振尾根〜祝瓶山



祝瓶山から大朝日岳を望む


【メンバー】単独
【山行形態】春山装備(アイゼン、ピッケル)、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】祝瓶山 1,417m
【天候】晴れ
【行程と参考コースタイム】
大石橋6:30(440m)〜鈴出の水7:00〜一ノ戸8:40〜祝瓶山9:10-9:45〜大石橋12:00
  
【概要】
1年ぶりの祝瓶山である。昨日の疲れが抜けきらず、今日はのんびりと登りたくて朝早く自宅を出た。大石橋の駐車場には車が10数台あったがほとんど山菜取りのようであった。地元の人が一人ほぼ同時に登りはじめる。大石橋の吊橋にはまだ板が一枚あるだけだったが、もちろんその板があるだけで十分であった。30分ほどで「鈴出の水」を通過する。大きな沢の流れが水場の方から聞こえていた。付近はタムシバが盛りでムラサキヤシオも鮮やかだ。その花々の背後にはまだまだ残雪の豊富な朝日連峰が見えている。この景観を眺めながら登れるのがこの鈴振尾根の楽しさだろうか。今日はまるで熱中症になるほどの気温の上昇であった。まもなく暑くて汗が全身から吹き出し、下着一枚になった。

山菜を見つけてはところどころで立ち止まるのでなかなか標高が上がらない。地元の単独者もゆったりとしたペースなのだが、それでも追い越されたり追い越したりを繰り返した。817m峰からは一ノ戸のピークを仰げる場所だ。雲一つないような快晴の空模様だったが、同時に稜線を渡る涼風が流れてきて、思いっきり息を吸い込むと何ともいえぬほどの心地よさに包まれる。この付近ではミツバオウレン、ショウジョウバカマ、カタクリ、イワカガミ、イワウチワなどの高山植物が盛りであった。稜線ではミネザクラが咲き、この時期ならではの雰囲気に気持ちが癒されるようであった。登り返しではさらに汗が流れたが、一ノ戸の岩場からは森林限界となり、爽やかな風を味わいながらの快適な登りが続いた。岩場付近ではアヅマシャクナゲが鮮やかだったが、すでに半分以上は枯れ始めている。森林限界を超えるとさすがに山菜はなくなり、あとは周囲の景観を楽しみながら山頂をめざした。赤鼻分岐ではいつものように大量の吹き溜まりが残っていたが、雪上歩きはほんの数メートルだけ。結局、残雪は全くないといっていい状況で、アイゼンとピッケルは不要であった。

祝瓶山の山頂には9時過ぎに到着した。誰もいない山頂だったが、久しぶりに眺める雄大な景観に満足する。春霞のために飯豊連峰は見えなかったものの、朝日連峰はすっきり晴れ渡っている。鷲ガ巣山や光兎山などの下越の山並みも一望のもとであった。しばらく休んでいると単独行氏が登ってきて、まもなくするとさらに別の単独氏が登ってきた。私は30分ほどの休憩を終えると一足先に下ることにした。一ノ戸付近では女性の3人組と行き交った。まだまだ大勢の人が登ってくると思われたが、今日の登山者は結局、この6名だけだったようである。山日和の天候にしては意外と少ない登山者であった。大石橋に降り立つと、いつのまにか吊橋の板が2枚に増えている。6月を目前にして、朝日連峰の山開きの準備がすでに始まっているようであった。



タムシバと朝日連峰(山頂直下付近)


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