山 行 記 録

【平成17年5月28日/祓川〜鳥海山



七ツ釜避難小屋の上部付近を登る


【メンバー】2名(妻)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、春山装備、日帰り
【山域】出羽山地
【山名と標高】鳥海山(七高山2,230m)
【天候】晴れ時々曇り
【温泉】秋田県由利郡鳥海町「ホテルフォレスタ鳥海」500円
【行程と参考コースタイム】
 長井4:20=(R287・R347・R13・R108)=秋田県矢島町祓川7:40
 祓川駐車場8:20〜七ツ釜避難小屋9:40〜鳥海山(七高山)11:50-12:50〜七ツ釜避難小屋13:10〜祓川駐車場13:40
  
【概要】
今シーズンの鳥海山はこれで6回目となる。いままで単独行動が続いてきたので、今回はその罪滅ぼしも兼ねて、急遽、カミさんと祓川に向かった。祓川の駐車場に着くと、久しぶりに長野在住の大川夫妻一行5人と出会った。みんなは今日からの3日間、鳥海山のツアー巡りとのことで、昨夜はテントで一夜を明かしたようであった。今日はほかにも郡山の小林さんが祓川の予定と聞いていたが、車だけが駐車場にあり姿は見あたらない。小林さんは予定通り百宅コースに向けてすでに出かけた様子であった。

雪は1週間前に比べてかなり少なくなっていて、すでに先週の面影とはだいぶ様相が変わっていた。一日一日すごい勢いで融雪が進んでいるようであった。今日は好天の予報だったのだが、ガスが次々と湧いては消え、その度毎に陽が陰ったりした。それでも気温はだいぶ高くなっていて、登りはじめると汗が流れ出したため、二人ともすぐにTシャツ一枚となる。鳥海山までの標高差は約1000m。この数字を聞いてカミさんは少し不安げな顔色をみせている。そういえば一昨年は七高山まで登っているが、昨年は体調不良もあって山頂直下でリタイヤしている。今日の体調には問題なさそうだったが、続けてのリタイヤは避けたいので、なるべく休憩を多めに取りながら山頂をめざした。

七ツ釜避難小屋ではツボ足の登山者が10人近く休んでいた。この付近から風が少しでてきたものの、穏やかな日差しが降り注いでいる。私たちものんびりと行動食を食べながら足を休めることにした。小屋を過ぎるとしばらく平坦な雪原が続いた。山頂までの最短距離を直登している人たちが多かったが、私達は左手から大きく回り込み、山頂直下の舎利坂はなおも左手にトラバース気味に登ってゆく。このコース取りをすることでシール登高が幾分楽になった。カミさんはかなり疲れている様子だったが、以前に難儀した急斜面がなかなか現れないので、拍子抜けしたような顔をしていた。ともあれ、無事に七高山の山一角にたどり着いた。所要時間は3時間30分であった。さっそく大展望を楽しむためにスキーを岩場にデポし、三角点までツボ足で登る。山頂では大勢の人たちが休憩中で、あいかわらずの混み具合には驚くばかりだった。記念の写真を撮ればあとは雄大な景色を眺めながらの昼食大休止。汗をかきかき、つらい登りに耐えてきた人だけが味わえる至福の時間だ。私たちはお湯を沸かしてラーメンを作ったりしながら1時間ほどのんびりと過ごした。山頂はガスに覆われたりしたが、しばらく待っていると青空が広がったりしている。今日はどうもこんな落ち着きのない空模様で満足するしかないようである。陽射しが弱いせいか濡れたシールも完全には乾きそうもなかった。先行していた大川さん達一行が見えなかったが、まもなくすると外輪山の稜線を登ってくるのが見えた。一行は早々と新山を往復してきたというから、さすがに体力があるなあと感心するばかりであった。

休憩を終えればいよいよ滑降だったが、シールをはずしているうちに本格的なホワイトアウトになってしまい、下るまではしばらく様子をみなければならなかった。しかし、高度が下がるに従い雲が次第に切れて行き、舎利坂の末端付近まで来ると山頂付近までが見事に晴れ渡った。こうなると滑走するにはなんの問題もなくなり、それからは快適に滑ってゆくばかりであった。単独だと駐車場までは30分もかからないのだが、相方がいるだけで今日は下りでもゆったりとできるのが楽しい。私たちはコースを大きくとりながら祓川をめざしてのんびりと下った。コースにはブッシュがかなり目立ってはきたものの、まだまだ多くの雪が残っていて、ツアーはしばらく可能な状況に見える。ザラメ雪は何のスキー技術もいらないほど快適だったが、今回のカミさんとの鳥海山でやり残したものは何もないような感覚になり、テレマークスキーのシーズンの終わりを感じていた。祓川の駐車場には山頂から50分ほどで降り立った。朝方には半分ほどだった駐車場も、午後になるとすでに満杯となっていて、大型バスによる観光客も増え始めていた。


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