山 行 記 録

【平成17年5月14日(土)/ネイチャーセンター〜湯殿山〜ブシ沼】



湯殿山の南東尾根を登る


【メンバー】2名(妻)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、春山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】湯殿山 1500m
【天候】曇り後晴れ
【温泉】西川町 水沢温泉館 300円
【行程と参考コースタイム】
ネイチャーセンター(820m)10:00〜石跳川横断11:00(1020m)〜湯殿山13:25-13:50〜ブシ沼14:15〜皮松谷地14:40〜ネイチャーセンター15:30
  
【概要】
今シーズンの山スキーも終盤が近づいている。予定では鳥海山だったが車のトラブルなどで、急遽、湯殿山に変更となった。ネイチャーセンターには散策が目的の家族連れや、大型バスでやってきたトレッキングの人達で賑わっていた。湯殿山にはまだまだ積雪がありそうだが、この時期ではさすがにスキーで下から登る人は見あたらない。ネイチャーセンターは濃霧に包まれていて、時々小雨までが降る始末。しばらく様子を伺い、曇り空になったところで歩き出した。霧が流れる中、例によって石跳川に沿って行く。雪解けが進んでいる石跳川は、至るところで大きな口をあけているものの、コースにはまだまだ雪が多く、ツアーには支障がない。約1時間ほどで石跳川を渡って湯殿山の南東尾根に取り付くと、天候はこの辺りから晴れる兆しが見えはじめ、姥ケ岳も姿を現した。姥ケ岳からは早くもリフトを使ったスキーヤーが滑り降りてくるのが見えた。

雲はまだ多いものの、ブナの疎林帯を登って行くあいだに青空が広がり、次第に清々しい春山の雰囲気が広がってゆく。森林限界を越えると遮るものがなくなって、周囲の展望が一気に開けてくる。途中で正午を過ぎたため、斜面の中腹に腰を下ろして昼食をとる。石跳川の向こう側には遠いながらも姥沢の駐車場やリフトが見えている。寒河江ダムや朝日連峰の大展望を楽しみながらの昼食は至福の時間。20分ほどで昼食を切り上げて再びシール登高を再開する。急斜面を登って行くにしたがって徐々に高度感が増してゆくところ。途中からトラバースしてゆくと正面に湯殿山の山頂が見えてくる。姥ケ岳の西斜面は地肌があらわになっている所も多く、雪はかろうじて残っているという感じだ。姥ケ岳の左奥にはなつかしい品倉尾根が見えた。昨日、降ったと思われる新雪が、ところどころに残っている。新雪は10〜20cm程度だが、すでに湿気を多く含んでおり、滑降の際のブレーキになりそうであった。

天候が良いだけに右手に落ち込む湯殿山の東斜面は、見ていて高度感があるところ。クラックが何カ所もあるので、滑るにはちょっと危険な状態だ。カミさんにとっては少しきつい斜面だったが、こんなところでアイゼンを装着するわけにはゆかないので、トラバースをそうそうに切り上げて尾根に上がった。尾根は一部、笹薮が出ているものの、まだまだ多くの積雪が残っていた。ネイチャーセンターから正味約3時間。最後の急斜面を登ってようやく山頂に到着した。一休みする前にヤブの中の三角点を確認する。小広い山頂は風もなく穏やかで、しばらく360度の展望を楽しみながら小休止をとった。月山の山頂付近に居座っていた厚い雲もまもなく晴れそうであった。まわりには坪足の踏跡は多かったが、スキーのトレースはなかった。その後も誰も登ってくる人は見あたらず、今日の山頂は二人だけの貸切であった。

陽射しが強まるに連れて気温がどんどん上昇していた。南側に回り込むと広大な斜面が一面に展開する。斜度も適度で残雪もかなり多いのに誰もいないというのが不思議であった。ここから裾野まではそれこそ自由気ままに滑降して行く。斜度があるので心配していた新雪もターンにはそれほど支障がなかった。下りきるとブシ沼に着く。沼の一部は大きく口を開けており、沼の淵は雪が沈み、一段低く落ち込んでいた。ここからは広大な湯殿山の裾野が広がる。斜度もほとんどなくなり、スキーが極端に滑らなくなったが、天候もよいので気持ちをネイチャースキーに切り替える。途中、皮松谷地を経由。皮松谷地のミズバショウはこれからが本番といった感じで、湿地帯には透明な雪解け水が流れていた。なおも少しずつ滑って行くと前方にネイチャーセンターの屋根が見えてくる。適当な地点から石跳川に降りてゆき、比較的、安全と思われるスノーブリッジを渡って石跳川のツアーコースに戻った。スキーはほとんど走らなくなっていたが、ストックを頼りに推進滑降を続けてゆくと、ネイチャーセンターまではまもなくだった。


装束場付近と品倉尾根(山頂直下から)


雪が少なくなった姥ケ岳
ようやく月山の雲も晴れる(山頂直下から)


湯殿山山頂に到着


月山と姥ケ岳をバックに(山頂から)


南斜面を滑降する(1)


南斜面を滑降する(2)


南斜面を滑降する(3)


ブシ沼から湯殿山を仰ぐ


雪解けの皮松谷地


皮松谷地付近の雪原を歩く


湯殿山を振り返る
(ネイチャーセンター近く)


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