山 行 記 録

【平成17年5月5日(木)/吹浦口から鳥海山(※御浜小屋まで)



御浜小屋からの鳥海湖と月山


【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、春山装備、日帰り(前日、鳥海ブルーライン路上にて車中泊)
【山域】出羽山地
【山名と標高】鳥海山 2336m(※御浜小屋まで)
【天候】曇りのち晴れ
【行程と参考コースタイム】
大平5:30〜御浜小屋8:10-910〜〜大平9:40
  
【概要】

今日はいわゆる吹浦口といわれる大平からである。昨年はこのコースから登っていないので2年ぶりという事になる。昨日まで鳥越川、祓川、湯ノ台とそれぞれのコースから登り、すでに鳥海山を十分に満喫していたのだが、久しぶりに御浜小屋から鳥海湖をながめてみたいと思い、昨夜のうちに鳥海ブルーラインにあがってきていた。今日は最初から山頂を踏む気持ちは無く、御浜小屋までの行程と決めている。いわば骨休めのようなスノーハイキングではあるが、それでも御浜小屋までの標高差は700m近く登らなければならない。大平山荘から少しあがったいつもの路肩に車を止めて昨夜は車中泊をした。他に車が3台あったが、山中に泊まりなのか、車の中に人の姿はなかった。

朝は4時に起床した。夕べからの冷え込みが厳しく、朝から空気が張りつめている。天気予報とは裏腹に今日の天候は良さそうで、視界も良く、徐々に東の空が明るくなるところであった。朝食の準備をしていると、大平山荘に駐車していたという群馬からの3人組がやってきて、5時前には坪足で登っていった。雪面は堅いアイスバーンとなっているらしく、3人とも初めからアイゼンを装着していった。

「赤いキツネ」と熱いコーヒーで簡単に朝食を済ませると早速シールで登り出す。雪面は堅く凍っているがなんとかシールは効きそうである。朝方照っていた太陽はいつのまにか雲の中に隠れてしまいがっかりだったが、これから天気がよくなることを期待しながら登り続ける。徐々に日本海が低くなって行き、左手からは鉾立の駐車場や山荘が見えてくる。しかしまだ時間が早いのか、登山者の姿はなく、久しぶりの静かな鳥海山だ。朝の空気はひんやりとして気持ちが良く、たまには早立ちをするのもいいものであった。急斜面を登ると大雪原が開けてくるところだ。ここには大きな反射板があったはずだったが、いつのまにかなくなっている。視界が無いときにはちょうどよい目標物になっていただけに少々がっかりする。しかし、どこまでも広がる雪原にはただただ圧倒されるばかりだった。

途中、カメラザックを背負った人とすれ違った。午前4時に鉾立山荘を出たという人だったが、晴れそうもないのを見て、早々と御浜小屋から引き返してきたようであった。小屋までならば急斜面などほとんどないのだが、さすがに昨日までの疲れが溜まっているのか、ペースがなかなか上がらなかった。それでも8時ちょっと過ぎには御浜小屋に到着することができた。駐車場から2時間40分。あまり休憩はとらなかったのだが、結構時間がかかっている。まだ時間も早いためだろう。小屋の周りには誰も見あたらず、群馬の3人組は山頂をめざして先にいったようであった。風が強いので小屋の裏側に回り、鳥海湖をながめながら大休止をすることにする。雪に覆われている鳥海湖は久しぶりだった。休んでいると、先ほどまで上空を覆っていた雲が消えて、青空が広がり始めていた。太陽が顔を出してしまうと、春の陽射しが心地よく、しばらくの間、横になって眠った。時間が経つにつれ、静かだった御浜小屋も、次々とやってくる登山者やスキーヤーで、いつのまにか賑やかさを増していった。

下りはアイスバーンが少しだけ解けだしている状態で、スキーがよく走った。斜度がないだけに雪が腐るとほとんどスキーが走らなくなりそうだったが、時間がまだ早いので恐ろしいくらいにスキーが滑ってゆく。途中ではこれから登ってゆく大勢の人たちと行き交った。ブルーラインまで降りてきてみると車が10数台も止まっており、駐車場が急に賑わいを見せている。天候はますますよくなる気配を見せており、今日も山日和の一日になりそうであった。私は目の前の斜面を登ってゆく大勢の人たちを見送りながら、混雑しはじめた鳥海ブルーラインを後にした。


御浜小屋から仰ぐ鳥海山(新山)


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