山 行 記 録

【平成17年4月29日(金)〜5月1日(日)/八甲田山】



八甲田温泉への途上で(29日)


【メンバー】2名(妻)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、酸ヶ湯温泉駐車場に幕営(山行は日帰り)
【山域】北八甲田連峰
【山名と標高】田茂萢岳1,324m、赤倉岳1,548m
【天候】(29日)晴れ、(30日)晴れ
【温泉】八甲田温泉「遊仙」500円
【行程と参考コースタイム】
4月28日
長井19:00=(R348・山形蔵王IC=※途中仮眠=黒石IC)=酸ヶ湯温泉(翌日6:30着)

4月29日
(田茂萢岳〜八甲田温泉コース)
ロープウェイ終点(田茂萢岳)10:00〜(昼食)10:45-11:15〜田代平バス停12:00
バス停(バス)八甲田ロープウェイ

(田茂萢岳〜銅像コース)
ロープウェイ終点(田茂萢岳)13:30〜銅像前バス停14:30
銅像前バス停(バス)八甲田ロープウェイ(車)八甲田温泉(車)酸ヶ湯温泉(テント泊)

4月30日
(田茂萢岳〜箒場岱コース)
ロープウェイ終点(田茂萢岳)9:15〜赤倉岳山頂-11:20〜昼食11:50-12:20〜箒場岱バス停13:00
 箒場岱バス停(バス)八甲田ロープウェイ(車)八甲田温泉(車)酸ヶ湯温泉(テント泊)
5月1日
(移動日)
酸ヶ湯温泉8:00=R394=東北道(黒石IC・碇ヶ関IC)=R7・R105・R285(鷹巣町・五城目町)=秋田道(秋田北IC・岩城IC)R7=山形道(酒田みなとIC・湯殿山IC)R112・R287=長井20:00

【概要】
GWの前半はカミさんとの山スキーで、恒例となっている八甲田山に向かった。我が家の愛犬も一緒なので泊まりは例によってテント泊である。今日は全国的に晴れの予報が出ていて、青森も朝から快晴の空が広がっていた。天候の心配が全くないというのは、まるで緊張の糸が切れたような感じさえするが、こんなのんびりとした、骨休めのような山スキーもたまにはよしとしようか。酸ヶ湯温泉の駐車場はかろうじて駐車スペースはあるものの、付近にはまだ大量の積雪があり、周囲はかなりの高さの雪壁となっていた。まだ連休初日ということもあって、マイカーはほとんどなく、がら空き状態であった。駐車場にテントの設営を終えると、早速八甲田ロープウェイに向かった。ロープウェイの駐車場は早くも満杯となっていてスペースを探すにも苦労した。ロープウェイの終点からは天候がよいだけに展望が素晴らしい。八甲田連峰の山々は全て見渡すことができ、振り返ると真っ白い岩木山がぽっかりと雲に浮かんでいた。

4月29日
(田茂萢岳〜八甲田温泉コース)
このコースは僅かの登りだけで、あとは快適に八甲田温泉まで下って行けるコース。田茂萢岳の山頂から見渡してみれば、昨年よりも豊富な残雪があり、八甲田山のツアーコースはまだまだ楽しめるようだ。今日は手始めに、この八甲田温泉コースを下ることにする。すでに多くの人達が下ったらしく、田茂萢岳の山頂にはトレースが入り乱れていた。気温も高く、雪面はすでにザラメとなっていて、この時期はスキーの技術も何もいらないほどだ。無木立の大斜面を下って行き、オオシラビソの林を抜けると、眼下には八甲田温泉の赤い屋根が見えてくる。この付近でしばし休憩をとり、時間調整をする。ほとんどの人達は下った後なのか、下ってくる人もまばらで、人気のコースとは裏腹に、いつになく静かな山の中腹で憩いの一時を過ごす。ダケカンバ林を滑走するようになるとバス停もまもなくだ。芽吹き始めた樹林の向こう側からは、走り去る車の音が聞こえ始めていた。

(田茂萢岳〜銅像コース)
八甲田温泉コースを終えて、八甲田ロープウェイに戻ると、時間はまだ1時前であった。これではいかにも時間がもったいないので、もう一本、ツアーコースを滑ろうということになり、銅像コースを下ることになった。このコースは八甲田温泉ルートよりもさらに登りが少なく、山スキーというよりも、限りなくゲレンデスキーに近いというのが山屋からすればちょっと物足りないところ。田茂萢岳からはすぐに前岳をめざして田茂萢沢に滑降する。ここの広々とした斜面も快適で、つくづく八甲田山は山スキーのためにあるような山だなあと思わずにはいられない。下りきった鞍部からはいくらか登りとなるものの、たいした登りではない。前岳に登って山頂から滑降するのが正規のルートだろうが、今回は割愛することにして前岳の裾野を卷くように下って行く。私達と同様に同じコース取りをする人も多いのか、午前中の八甲田温泉ルートでも一緒だった人が近くに何人か見られた。沢を横切ったりしながら裾野を滑走して行くと、斜度も緩やかになり、付近は美しいダケカンバ帯となった。この付近は眺めているだけで心が洗われるような雰囲気に満ち溢れているところだ。カミさんも周囲の景観を楽しみながら下っているようであった。ロープウェイ終点からはちょうど1時間で銅像前の道路に飛びだした。そして、飛びだしたところにちょうどよく循環バスがやってきて、銅像前のバス停からは時間のロスもなく再び八甲田ロープウェイに戻ることができた。八甲田温泉で汗を流したあと、銅像前の食堂で夕食をとっていると、宮城のチダさんという人に声を掛けられた。初めはなかなか思い出せなかったが、12月の湯殿山の時、志津温泉の駐車場で声をかけられた人であった。

4月30日
(田茂萢岳〜箒場岱コース)
箒場岱コースは今回のツアーでメインともいえるコース。赤倉岳へは約2時間弱の登りで、山頂からは6km以上の長い滑走が楽しめるのだ。今日は空全体に薄雲が広がり、昨日よりも陽射しが少なかった。冷たい風が吹いており、体感温度はかなり低く感じる朝方だった。土曜日ということもあって、八甲田ロープウェイは大混雑であった。駐車場には早くも長い行列が続いていて、乗り込むまではしばらく時間がかかった。しかし超満員のロープウェイから吐き出された登山者はいったいどこへいってしまうのか、山頂駅からはみんなそれぞれに散ってしまい、赤倉岳に向かう人はあまり見あたらなくなってしまった。田茂萢岳とのコルからはシールを貼って赤倉岳に向かった。赤倉岳山頂は吹き飛ばされそうなほどの強風が吹いていて、予定していた山頂での大休止は取りやめて、少し下った地点で昼食をとらなければならなかった。山頂からは雄大な景色をながめながら、ゆったりとした大きなターン孤を描きながら下って行く。カミさんはすっかりこの八甲田山に慣れてしまったのか、樹林帯の滑走も意外とスムーズで、行く先々で待とうとすると、すぐに追いつかれてしまった。箒場岱のバス停ではバス待ちの大勢のスキーヤーで溢れていた。ここはバスの始発になっているところなのだが、箒場岱から満員となってしまい、その先の八甲田温泉や銅像前バス停からの人達はかなり苦労してバスに乗り込まなければならなかった。

車の回収後、八甲田温泉に立ち寄ると、入口で西川山岳会の佐藤仁三さんに声をかけられた。昨日のチダさんといい、今日の仁三さんといい、本州北端の地に来てまで知り合いと出会うとは、偶然とはいえ驚いた。それだけ山スキーの世界は狭いということだろうか。入浴後は酸ヶ湯温泉に戻り、生ビールとそばを注文し、簡単に夕食を済ませてから駐車場に戻った。テーブルや椅子などのキャンプ用具も持っては来ていたものの、陽が陰ってしまうと気温は一気に下がってしまい、早々にテントに入らなければならなかった。

5月1日
最終日は移動日。途中、高速道を少し利用したものの、ほとんど下道を走り、行く先々で道の駅巡りをしながら山形に向かった。


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