山 行 記 録

【平成17年4月23日(土)/ネイチャーセンター〜湯殿山】



湯殿山南東斜面のブナ林


【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、春山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】湯殿山 1500m
【天候】曇り時々雪
【行程と参考コースタイム】
ネイチャーセンター8:30〜石跳川横断9:20(1020m)〜1350m地点10:30-10:50〜ネイチャーセンター11:30
  
【概要】
今日は朝から雨が降り続いていた。予定では月山山頂から湯殿山に回ってネイチャーセンターに下るつもりだったが、山頂では大荒れが予想されるため、リフトを使うのは断念し、ネイチャーセンターから歩いて湯殿山に登る行程に途中で変更した。しかし、ネイチャーセンターではみぞれのような雪が降り止まず、意気込んでいた気持ちも少しずつ萎えていった。しばらく車内で天候の回復を待ってみたが、好天の兆しもないのであきらめて出発することにした。

今回の行程は12月以来で、5カ月ぶりということになる。前回は雪が少なくて苦労させられたが、今の時期はなんの問題もなく歩いて行けるのがうれしい。時折、激しい風が吹くと、時期はずれの風雪のような光景に包まれる。しかし、気温は高いので、厳冬期のような緊張感は感じられない。50分ほど歩いたところで石跳沢を横断し、右岸の尾根に上がると、ここからは尾根伝いに登ってゆくだけである。高みへ高みへと登って行けば自然に湯殿山の山頂に到達するはずなので、コースは間違えようがなく、あとはひたすらシール登高あるのみである。しかし、登っている途中からガスが広がりだし、視界が徐々に失われはじめる。そして、森林限界を越えると目標物がほとんどなくなってしまい、手探りのような状態がしばらく続いたが、ちょうど尾根が狭くなるあたりからどうにも進めなくなる。標高は1350m地点。いつのまにか完全なホワイトアウトになっていて、右も左もわからなくなっていた。立ち止まったままでしばらく視界が戻るのを待つことにする。しかし、20分ほど待っても、天候はますます悪化するばかりで、無理をしてまで山頂を踏む気持ちは次第になくなっていた。山頂まではもう150mしかなかったが、こんな状態で登っても楽しいことは何一つないだろう。そう思うと急にモチベーションが消滅してゆくようであった。足場を確保してシールをはがし滑降の準備をする。急斜面なのでスキーの着脱もかなりきわどい作業だ。さらにホワイトアウトでは引き返すにもたいへんであった。視界が戻るまでは横滑りで慎重に下ったのだが、前に進んでいるのか後ろに戻っているのがさえわかららなくなり、目眩とともに何回も倒れてしまうのである。まるで視界のない水中を浮遊しているようなものであった。幸い、樹林帯まで下るといくらか視界が効くようになり、スキーでの滑降も可能となった。

昨夜からの新雪はパウダーとまではゆかなかったが、滑ってみるとこの時期としては予想以上に雪質が良く、テレマークターンが楽しい。今日の行程では誰とも出会わなかったが、ネイチャーセンターが近づくと、こんな天候でもツアーを楽しむ人達は他にもいるらしく、スノーシューやスキーの踏跡が散乱していた。ネイチャーセンターの軒下では、大勢の人達がバス時間を待っているようであった。今日は湯殿山のツアーとしては物足りなかったが、ブナ林では適度な斜度と雪質に恵まれて、しばらくぶりに気持ちの良いツリーランを楽しむことができたので一応よしとしようか。

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