山 行 記 録

【平成17年3月7日(月)/蔵王連峰 地蔵岳〜蔵王ダム



雨量計から雁戸山を仰ぐ


【メンバー】3名(山中、草薙、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】地蔵岳1,736m
【天候】晴れ
【温泉】山形市上野温泉 「天神の湯」300円
【行程と参考コースタイム】
ゴンドラ終点(1665m)10:30〜ロボット小屋(雨量計)(1045m)11:55-12:30〜鍋倉不動12:48〜林道14:05〜蔵王ダム14:50〜駐車地点15:00(500m)
  
【概要】
今日は県内全域に雪崩注意報が発令中で、昨日に続いてだいぶ気温が高くなりそうであった。宝沢集落を過ぎると道路は雪の壁となっていて、今年の雪の多さにあらためて驚かされた。車をデポするために蔵王ダムへの道を急いでいると、ダム管理所近くまできたところで、雪崩によるものと思われる雪の堆積に車がスタックしてしまうという小さなトラブルがあった。幸いワイヤーで引っ張ったりしてなんとかそこは脱出したのだが、そこから先に行くことができないので、ダム管理所から2kmほど手前の道路に車を止めなければならなかった。

天候の心配もなさそうなので、予定ではライザスキー場から熊野岳を越えて蔵王ダムまで下るはずであった。ところが、ライザスキー場へ来てみると、ゲレンデの中腹から上部は厚い雲に覆われていて刈田岳や熊野岳は全く見えなかった。予報はそれほど悪くなりそうではなかったが、さすがに悪天候の中を今日は熊野越えをするつもりはなく、急遽、蔵王スキー場へと戻った。蔵王スキー場からはゴンドラで地蔵岳まであがる。地蔵尊はガスの中だったが、少し下り始めるとまもなく青空が広がった。下るほどに天候は回復して行き、快適なツアー日和となった。昨日は快晴だっただけに、かなりのトレースがあるだろうと予想していたが、一人も下った様子がなく、どこを見渡しても手つかずの雪原が広がっているだけであった。コースはほとんど沢沿いに進み、途中から尾根に乗る。雪は快適なパウダーが続いたが、斜度がなだらかになると深雪を漕いだ。天候が良いので何の問題もなく、のんびりとコースを下った。

雨量計へと向かう斜面は快適なブナ林が広がり、みんなで雄叫びをあげながら下ってゆく。急斜面が終わればまもなくコース中間地点の雨量計に着く。ロボット小屋は完全に雪に埋もれていて、アンテナ部分だけが雪原に飛び出していた。この付近の標高はおよそ1045m。ゴンドラ終点からは600m以上下ってきたことになり、振り返ると山頂付近はすでに遠く霞んでいた。正面に聳える雁戸山は真っ白い雪を抱き、春の陽射しを浴びて眩しく反射した。朝方には厚い雲に覆われていた熊野岳も、この頃になるとすっきりと晴れて青空が広がっていた。雨量計では風もなく穏やかでツェルトを張る必要もない。みんなで車座になり早速缶ビールで乾杯だ。3人とも昼食はカップラーメンであったが、天候と眺望に恵まれて、最高のご馳走を味わっている気分に浸った。

のんびりとした昼食が終わればツアーコースも後半戦となる。しばらく緩いブナ林を下って行くと鍋倉不動に着く。鍋倉不動はいつもよりも深い雪のなかで、ひっそりと杉林の中に埋もれていた。尾根沿いに進むとまもなく急斜面となったが、深雪のおかげで特に危険な感じはなかった。夏道沿いにどんどんと下ってゆくと、樹林の間からはダムの堰堤が見えてくる。右手の尾根からはトラバース気味のコースとなるのだが、雪が多くて道形がほとんどわからない。ここは急斜面だけにかなりデブリの跡が目立った。さすがに斜面を切ってゆくのは危険を感じるところで、一人一人、間隔をあけながら一気に下って行く。尾根がだんだんと細くなると終点もまもなくとなる。今回は右手の沢沿いに下らずに尾根沿いの夏道に沿って進んだ。そして、雑木林をかき分けるように最後の急斜面を滑って林道に降り立った。

林道には渓流釣りらしい人の踏跡があるだけでスキーのトレースはなかった。雪が多いだけに、ダムの湖面をショートカットしたいところだが、良く見ると一部湖面が融け出しているところもあって、今回は無理のようであった。林道からは今日初めてのシール歩行となる。いつもならばのんびりとした林道歩きも、今回は左手からの雪崩に注意が必要で、まだまだ気を抜けないところだ。トンネルを過ぎれば特に危険な個所もなく、ダム管理所までは安心してスキーで滑走して行ける。ダムからはスキーを担ぐことも考えていたが、幸いに北斜面のためか道路にはまだまだ雪が残っている。駐車地点までは快適にスキーで滑走して行くことができ、今年の蔵王ダムが終了した。


沢伝いのコースはパウダーが続く



アルペンからテレマークスキーに転向したばかりの山中さん



鍋倉不動への途上


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