山 行 記 録

【平成17年3月5日(土)/St.MARYスキー場〜雁戸山 ※1160mピークまで



1160mピーク


【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】雁戸山 ※1160mピークまで
【天候】晴れ時々曇り
【行程と参考コースタイム】
リフト終点9:30〜1160mピーク12:20-13:00〜リフト終点13:40〜St.MARYスキー場駐車場14:00
  
【概要】
St.MARYスキー場から雁戸山へは、前回、大雪と悪天候のため敗退していた。今日はあれからちょうど1カ月。スキー場では除雪作業が追いつかないため、第3リフトの運行開始が10時以降になるといわれたが、山登りに理解あるパトロールの方のおかげで、特別にリフトに乗せてもらう事ができた。しかし幸先の良かったのはここまでで、リフト終点に降りてみると、前回以上の積雪量を見て一気にモチベーションが下がった。スキーでも膝まで潜るほどで、それは前回以上のラッセルによる困難が予想された。そういえばこの界隈には昨日まで大雪注意報が出ていたのを今頃になって思い出したが、それは後の祭りというもので、この山とはつくづく相性が悪いなあと思うばかりである。今日は山の選択を誤ったことにして、このままゲレンデで遊んで帰ろうかとも思ったのだが、皮肉にも好天の空が広がっており、それでは行けるところまでいってみるかと少し気を取り直した。

今回も偵察山行になりそうなので、前回のひとつ南の尾根を登ってみることにした。地形図上の1320mピークを経由し、1410mピークに至る尾根である。そこまではいくつかのピークの登り返しがありそうだが、斜度があるだけに、下りではそれなりに滑降は楽しめそうであった。歩き出すとしばらく膝ラッセルが続いた。急斜面になるとさらに積雪量が増し、スキーを一歩引き上げるにも難儀した。それはまるで、延々とラッセルのトレーニングを続けているようなものであった。それも苦労する割合にはほとんど標高が上がらず、時間ばかりが過ぎて行くので、当初の目標が次第に低くなってゆく。一度下がったモチベーションはなかなか元には戻らず、しまいには途中から引き返そうかとも思ったのだが、せめて最初のピークまでは何とかがんばろうと自らを励ました。一方では今回のような深雪となると雪崩も心配であった。微妙な変化を見逃さないようにと、常に耳を澄ませながら、少しずつ登り続け、どうにか最初のピークに登り着いたのはリフト終点から歩き始めて2時間50分後であった。通常であれば、2時間半もあれば余裕で雁戸山の山頂に着いていても不思議ではないところを、まだ最初のピークとは我ながらあきれるばかりだが、休憩無しでラッセルを続けての結果がこうなのだからあきらめるしかない。しかし好天に恵まれたおかげで、ピークからの展望は素晴らしいものであった。あいにく雁戸山の山頂付近は雲に隠れているが、登ってきたばかりのブナ林や、周囲の山並みが広がる光景は、ラッセルによる疲れをしばし忘れさせてくれた。このピークまでくれば1320m峰まではそれほどの距離はなさそうだが、今日の積雪を考えるとまだまだ時間がかかりそうである。ピークをぐるっと一回りしてから、風の弱い場所を探して、とりあえず昼食とする。スキーを脱ぐと腰近くまで潜った。スコップで座る場所を確保してからツェルトを出した。

下りは予想どおり、浮遊感を味わいながらのディープパウダーであった。ピークからは斜度があるだけに、スピードを殺したスローモーションのようなツリーランを楽しむ。しかし、登りであれだけ時間を取られたところもスキーで下ればあっというまである。コルからは再びシールを貼り、自分のトレースをたどりながらリフト終点に戻った。結局今日の雁戸山も誰にも会わなかった一日であった。始めから偵察山行と割り切ったつもりだったのだが、今回も消化不良のような、気分のすっきりしない山スキーが終わった。



遅々として進まないラッセルが続く



1160mピーク付近



雁戸山は雲の中
まだアップダウンが続く尾根道


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