山 行 記 録

【平成17年2月12日(土)〜13日(月)/吾妻スキー場〜吾妻小舎〜高山〜土湯温泉】



吾妻小舎(二日目の朝)


【メンバー】3名(菊池@多賀城、二宮@松戸、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、吾妻小舎 (泊)
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】一切経山1949m、高山1805m
【天候】(12日)雪&強風、(13日)晴れ
【温泉】高湯温泉 あったか湯 250円
【行程と参考コースタイム】
(12日)吾妻スキー場リフト終点10:00〜慶応山荘分岐11:30〜五色沼12:40〜吾妻小舎15:00
(13日)吾妻小舎7:20〜鳥子平8:00〜高山8:35-45〜林道10:20〜土湯温泉11:45
     土湯温泉(タクシー)吾妻スキー場

【概要】
1年ぶりの高山下りである。今回は西川山岳会の菊池氏と千葉から駆けつけた二宮氏とのニワカ三人パーティのスキーツアーだ。前日の強い冬型がまだおさまらず、吾妻スキー場では荒れ模様がまだ続いていた。しばらくスキーセンターで天候の回復を待っていると山スキーの6人組が先に登ってゆく。1時間ほど経つとようやく薄日も差すようになり、私達は9時30分にスキーセンターを出た。リフト終点はさすがに季節風が強かったが、樹林帯に入ると風はウソのようになくなり、しばらくトレースのある快適なシール登高が続く。スキーの靴高程度のラッセルだが、先行者のトレースがあるので後続の私達はかなり楽をさせてもらった。

慶応山荘がもうまもなくというところで、郡山の小林さん5人組が早くも追いついてきた。さすがに全員若いだけあってペースがかなり早いようだ。慶応山荘分岐で小休止を兼ねて早めの昼食をとっていると、吾妻小舎までと思われるグループや単独行が目立ち始めた。分岐を過ぎると樹林も疎らになり風が強まってくる。大根森への急斜面では風雪模様となり、まだスキーツアーに慣れていない菊池氏はそんな天候の中を必死になってついてきている。大岩への登り付近では先行の6人組が早くもスキーで下りてきた。今日は一緒の小屋泊りだろうと思っていただけに意外であった。日帰りだという彼らに、ラッセルのお礼をいいながら見送ると、ほどなく大岩だ。正面には荒涼とした一切経山と氷結した五色沼、右手には新雪に包まれた家形山が飛び込んできた。五色沼の淵を回り込むと前大巓と一切経山へのコルまではひと登りであった。

コルでシールをはずし滑降を開始する。はじめはシュカブラの堅い雪面に難儀したが、右手に回り込むと酸ガ平避難小屋までは新雪の急斜面となった。二宮氏はさすがにベテランらしく転倒もせずに小屋まで一気に下って行く。酸ガ平避難小屋付近は風の通り道。いつものように何も見えなくなるほどの風が吹き荒れたが、蓬莱山の南斜面へと回り込むとその風も止み、ここから浄土平までは新雪の快適な滑降を楽しんだ。浄土平から吾妻小舎まではそのままスキーで滑走してゆく。桶沼を回り込んでゆくと今宵の宿、吾妻小舎はまもなくだった。

吾妻小舎ではストーブを囲みながら大勢の先客で賑わっていた。小林さん5人組は2時過ぎに到着したらしく、缶ビールを並べて早くも窓際で盛り上がっている。私達も濡れたものをひととおり吊し終えると早速缶ビールで乾杯をした。菊池氏はさすがに今日の行程はきつかったのか、小屋に入ってきても生気を失ったような状態だったが、アルコールが入るといつもの元気を取り戻していた。二宮氏は今日の疲れなどなんともないような涼しい顔をしている。夕食はそれぞれに持ち寄った食材とアルコールでいつにない楽しいものになった。私はいつものように缶ビール1本で簡単に酔ってしまい、8時前には布団に潜り込んだ。その夜は温かい布団とストーブのおかげで下界で眠るよりも快適な一夜を過ごすことができた。

早朝、まだ暗いうちに起き出してみると空は満天の星空であった。天候は心配なかったが、私は不覚にも軽い二日酔いになってしまい、朝から頭が少し重かった。賑やかな朝食を終えると、小林さん達は東吾妻経由で高山を下るとのことで7時には出発してゆき、私達は7時20分に小舎を出た。しばらく東吾妻から野地温泉へ下るという人達のトレースがあったが、途中でその人達を追い越すと踏跡もなくなる。小屋を早くでたおかげで今日の高山下りは私達が一番乗りになったようである。今日は昨日の悪天候がウソのように晴れ渡り、堅く締まった雪に10〜20センチ程度の新雪が積もっているので快適なシール登高だ。ラッセルに汗が流れたが、意外とペースは早くて鳥子平からは40分程で高山の山頂に到着した。東の空に雲が多く、残念ながら安達太良山方面は見えなかったが、雲の間から土湯温泉が見え隠れしている。振り返ると東吾妻方面は晴れており、しばらくは天候の心配はなさそうであった。

小休止後、シールをはずしていよいよ高山からの滑降となる。山頂から樹林帯に入るまでの急斜面は一番乗りだけにノントラックであった。この手つかずの斜面をスキーで下る快適さを何に例えたらいいのだろうか。予想以上の深雪に二宮氏もめずらしく転倒していたが、ここでの雪との戯れはいつもながら楽しいばかりだ。樹林帯にはいると適度なパウダーとなり、このコースがはじめての二宮氏もあまりの快適さに快哉を叫びながら下ってゆく。それでもコースは長いので下っても下ってもツリーランが続く。菊池氏がどうしても遅れがちになるので、途中で何回か待つこととなったが、好天に恵まれた今日はそんなのんびりとした時間も楽しい。長い行程もスキーで下れば早く、高山からは1時間ほどで中間地点の通称「フンドシ」まで下りてきてしまった。振り返ると高山の山頂はすでに遠く離れていた。「フンドシ」で小休止後は一気に林道まで滑降して行く。さすがに標高が低くなると雪面は堅く荒れたものになり、快適さとはほど遠いものになったが、幸いに林道はまだ除雪されていないので、土湯温泉まではスキーで下って行くことができたのは幸いであった。ただし、先を飛ばして行った二宮氏が、林道の終点まで滑走してしまい、温泉街に出るまでにはいつもよりも2kmほど余計に歩かなければならなかった。


大根森の急坂を登る


家形山のコル



一切経山と五色沼


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