山 行 記 録

【平成17年1月30日(日)/南蔵王連峰 白石スキー場〜不忘山



缶ビールで祝杯を上げる(不忘山山頂)


【メンバー】3名(柴田、菊池、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】南蔵王連峰
【山名と標高】不忘山1,705m
【天候】風雪
【行程と参考コースタイム】
白石スキー場リフト終点9:30(1140m)〜不忘山11:30〜1390m地点(休憩)12:10-12:45〜白石スキー場駐車場13:30
  
【概要】
昨日の好天が今日は一転して風雪模様となった。低気圧が朝から東北地方を通過中で、この白石スキー場にも強烈な風が吹き荒れていた。リフトもしばらく動かなかったため、運転再開のアナウンスを待っての出発となった。リフトに乗っている間も激しい風に煽られたが、リフト終点でも風雪は止まなかった。ワカン組が2人準備中だったが、私達の方が早めに準備を終え、一足先に登り始めた。まだ誰も登った様子が無くトレースはみあたらなかった。しばらく樹林帯を登って行くと吹きさらしの雪原に出る。山頂は全く見えず、気持ちはさっぱり盛り上がらなかった。視界もないので今回は尾根伝いに山頂をめざすことにした。尾根の取り付き付近で小休止をとっていると山スキーの一行3人組が尾根の途中で追い越していった。

高度が上がるに従って、ガリガリのアイスバーンとなる。尾根ははっきりしているので迷うような心配はなかったが、寒さはハンパではなく、露出している膚に針のような風が突き刺さってくる。黙々とシール登高を続けていると、さすがにこの天候をみて山頂はあきらめたのか、先行していた3人グループが山頂の肩付近からスキーで引き返してきた。山頂までは残り400mほどしかなかったが、今日の天候ではそのたった400mがかなりの距離に思えてくる。しかし、柴田氏が冬の不忘山が初めてだというので、私達はピークだけは踏んでくることにした。山頂直下からは岩と氷のミックスとなるのでスキーをデポしたが、いつもながらこの区間だけはアイゼンやピッケルが欲しいところだ。風雪で何も見えない不忘山の山頂だったが、苦労してようやくたどり着いたという満足感にしばらく浸りながら、お互いに写真を撮り合った。柴田氏はザックからさっそく缶ビールを取り出し、みんなで回し飲みをする。厳しい寒気の中で、缶ビールもよく冷えていたのはいうまでもない。山頂から下り始めると坪足の二人組が登ってくるところであった。

風雪の中ではシールを外すという簡単な作業もつらく、この短時間の間に私の指先の感覚はほとんどなくなっていた。山頂からはいつもならば東斜面を滑るのだが、今回は尾根伝いに下ってみる。狭い尾根にもかかわらず、柴田氏はあいかわらず飛ばしながら下りてゆく。しかし、下りはじめてまもなくすると菊池氏が足を痙攣してしまい、スキーを担ぎながら坪足で下りてきたため、途中の樹林帯でツェルトを張り休憩をとることにした。風を避けたはずだったが、休憩中も雪は容赦なくツェルトの中に吹き込んできた。休憩を終えて緩斜面を滑走してゆくと、途中で樹林帯に張られたエスパースのテントを見つけたが、どうやら早めに下った山スキー3人組が中で休憩中のようであった。そこからは適度に柔らかい雪面を快適に滑走してゆく。視界は相変わらずはっきりとせず、目標物がない中での滑走は不安に駆られるところだが、雪原を抜けるとまもなく樹林帯に入り、まもなくスキー場の喧噪が聞こえてくると、ゲレンデはもう目前であった。
inserted by FC2 system